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- 2019年11月13日 17:42
人口減少社会データ解説「なぜ東京都の子ども人口だけが増加するのか」(下)-女性人口を東京へ一体なにが引き寄せるのか - 天野 馨南子
3/32――「なぜ東京都の子ども人口だけが増加するのか」 おわりに
今の日本においては、まだまだ人口問題に関して多くの思い込み政策が実施されている。人口ピラミッドが逆ピラミッドとなると、人口多数派は常に中高年となり、人口少数派が若者となる。必然的に、声の大きな中高年のだす考えこそが若者の考えの本流であるのかのような錯覚に陥りやすくなる。これも「少子化トラップ」の恐ろしさの1つである。上・中・下を通じて、「わがふるさと」の子どもが増える視点でのメカニズムには「出生率」ではなく「女性人口移動」がキーとなっていること、自分の望む仕事のありかという意味で、全学歴の女性が男性を超えて東京で定着増加していること、ゆえに、旧態然とした「昭和の夫婦像」からくる地方誘致では、女性人口を取り戻せず、誘致失敗となることが示唆されている。
「なぜ東京都の子ども人口だけが増加するのか」
その答えを一言でまとめるならば、「いかなる産業誘致=人口誘致も、そのエリアの夫婦のあり方/現代の男女の姿への思い込みや押し付けを解く風土改革が大前提」である、ということも出来るように思う。
東京都への女性人口の男性人口を超える定着格差は、2015年以降さらに広がっている(図表2)。
まち・ひと・しごと創生本部が地方創生を目的として設置されたのは、2014年12月2日のまち・ひと・しごと創生法の施行からである。
その翌年から東京都での男女の定着の開きがさらに加速化している意味を、本レポートの分析結果が示しているのではないだろうか。
【参考文献一覧】
総務省.「住民基本台帳人口移動報告」
東京都.「東京都住民基本台帳人口移動報告 平成30年」
国立社会保障人口問題研究所.「出生動向基本調査」
厚生労働省.「人口動態調査」
国立社会保障・人口問題研究所. 「人口統計資料集」
総務省総計局. 「国勢調査」
国立社会保障人口問題研究所.「日本の地域別将来推計人口(平成30(2018)年推計)」
天野 馨南子.(2019)「データで読み解く『生涯独身』社会」
天野 馨南子.“人口減少社会データ解説「なぜ東京都の子ども人口だけが増加するのか」(上)-10年間エリア子ども人口の増減、都道府県出生率と相関ならず-”ニッセイ基礎研究所「基礎研レポート」2019年6月10日号
天野 馨南子.“人口減少社会データ解説「なぜ東京都の子ども人口だけが増加するのか」(中)-女性人口エリアシャッフル、その9割を東京グループが吸収-” ニッセイ基礎研究所「基礎研レポート」2019年7月16日号
天野 馨南子.“データで見る「東京一極集中」東京と地方の人口の動きを探る(上・流入編)-地方の人口流出は阻止されるのか-”ニッセイ基礎研究所「基礎研レポート」2018年8月6日号
天野 馨南子.“データで見る「東京一極集中」東京と地方の人口の動きを探る(下・流出編)-人口デッドエンド化する東京の姿-” ニッセイ基礎研究所「基礎研レポート」2018年8月13日号
天野 馨南子.“データで見る「エリア出生率比較」政策の落とし穴-超少子化社会データ解説-エリアKGI/KPIは「出生率」ではなく「子ども人口実数」” ニッセイ基礎研究所「基礎研レポート」2019年4月22日号
天野 馨南子.“データで知る、「本当の少子化」の震源地-47都道府県 子ども人口の推移(1)~子ども人口シリーズ 戦後65年・超長期でみた真の勝ち組エリアとは?” ニッセイ基礎研究所「研究員の眼」2019年4月26日
天野 馨南子.“データで知る、「本当の少子化」の震源地-47都道府県 子ども人口の推移(2)~子ども人口シリーズ 四半世紀・25年間でみた子ども人口の推移” ニッセイ基礎研究所「研究員の眼」2019年5月13日
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