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人口減少社会データ解説「なぜ東京都の子ども人口だけが増加するのか」(中)-女性人口エリアシャッフル、その9割を東京グループが吸収- - 天野 馨南子

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■要旨

当シリーズレポートの(上)では、都道府県ごとの次世代人口育成(子ども人口増減)に都道府県出生率はもはや相関を持つことが出来ず、社会流出入によって生じる女性の社会人口(母親候補人口)の純増減が強い相関をもっている状況にあることを解説した。

今回(中)では、都道府県子ども人口の未来を掌握するといえる都道府県ごと女性人口の社会純増減が、一体、どのような規模で、どのような流れで発生しているのかについて、定点ならびに推移を示して解説する。

東京都における次世代人口の育成構造のキーファクター「女性人口社会増減」に焦点をあてた分析結果からは、日本における「地方創生政策」のあり方に対する強い警鐘が導かれている。

■目次

はじめに-産声の向こうに、「エリア母親候補人口の姿」あり
1――平成最後・2018年の「女性人口の動き方」
2――男性人口の移動との差異はあるか?
3――「地方創生」対策効果を揺るがす、女性人口の一極集中

はじめに-産声の向こうに、「エリア母親候補人口の姿」あり

少子化対策が叫ばれる日本において、各都道府県(ならびに市町村自治体)が出生率比較ばかりに目を向け、出生率をそのエリアのKGIとしてしまうことのリスクを、基礎研レポート「データで見る「エリア出生率比較」政策の落とし穴~超少子化社会データ解説-エリアKGI / KPIは「出生率」ではなく「子ども人口実数」~」で示した。
そして、「なぜ東京都の子ども人口だけが増加するのか」シリーズの(上)にて、2005年~2015年の10年間の各都道府県の子ども人口の増減についてみると、それぞれの都道府県が少子化対策のゴールとして掲げがちなエリア出生率の高低が、そのエリアの子ども人口の増減と統計的関係性を持つことが出来なくなってしまっている、という分析結果も示した。

「出生率が子ども人口増減に影響することができない」
その理由は「0にどんなに高い割合をかけても0」だからである。
つまり、母親候補となる女性人口が少なければ、どんなに出生率が高くとも、そのエリアの子ども数は減少してゆく。
勿論、母親候補の女性人口が一定数キープされているという条件下ならば、出生率を高めるだけの政策で子ども人口増加の効果は出る。しかし、女性人口の社会流出が発生すると、高い出生率が人口流出の影響で無効化もしくは弱体化される。そしてレポート(上)において、統計上は各都道府県の子ども人口増減に対して女性人口の社会増減が大きな影響力をもち、それが出生率の高低による子ども人口の増減効果を打ち消すレベルにすでに達している、ことを示した。

そこで、「なぜ東京都の子ども人口だけが増加するのか」シリーズの(中)では、子ども人口増減に高い相関を持つ女性人口の社会移動が、実数としてどれくらいの規模で発生しているのか、可視化することにしたい。

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