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人口減少社会データ解説「なぜ東京都の子ども人口だけが増加するのか」(上)-10年間エリア子ども人口の増減、都道府県出生率と相関ならず- - 天野 馨南子

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■要旨

2015年(実績値)と2045年(推計値)の人口比較において101%の増加に転じた東京都人口。
この東京都の次世代人口の鍵を握るのが、東京都の子ども人口である。
2005年との比較において2015年の東京都子ども人口は、10年間で107%に増加した。
全国的に見ると、長期にわたり最低出生率を続ける東京都のイメージとは、まるでかけ離れた子ども人口の育成構造である。
この東京都における次世代人口の育成構造を、当レポートではシリーズにて統計的に解説する。

■目次

はじめに-30年後も沈まぬ人口数
1――都道府県出生率と都道府県子ども人口の関係性の強さは?
2――子ども人口計算式のもう1つの要因の影響力は?
3――「子育て支援」政策効果を揺るがす、女性人口の流出

はじめに-30年後も沈まぬ人口数

少子化対策が叫ばれる日本において、都道府県別に将来人口(2045年)推計結果を見るならば、いまだ少子化対策がまるで必要ないかのように見えるエリアがある(図表1)。

2015年国勢調査結果をもとに導き出された都道府県別地域人口の将来推計では、2010年の結果をベースにした前回推計結果とは異なり、東京都の2045年推計人口だけが100%超のプラスに転じた。



東京都は全国最低水準の合計特殊出生率(以下、出生率)エリアとして知られ、地方では「東京都では、出生率の高い地方より子どもは減っている」「東京都こそ、もっとも少子化している」と考えている人々も少なくない。「東京都の子ども対策こそ、少子化対策の手本」といったような見方さえされかねない状況も見られている。地元からの東京都への人口流出は把握しているものの、それは東京都への大人(労働)人口流出の話であり、東京都の子ども人口に関しては、全国最低の出生率であるから減っているはずだ、という考えに立脚しているようである。

しかしながら、東京都における国勢調査ごとの過去の子ども人口推移を追ってみると、2005年から2015年の10年間で、0~14歳の子ども人口がイメージとは逆に107%の増加に転じている(図表2)。1990年から2015年の25年間においては、東京都は全国1位の子ども人口維持率ではあるものの、まだ減少傾向(87.9%)であったことから(「データで知る、「本当の少子化」の震源地-47都道府県 子ども人口の推移(2)~子ども人口シリーズ 四半世紀・25年間でみた子ども人口の推移」参照)、近年、東京都の子ども人口の維持力が、子ども人口推移がプラスに転じるほど増強されたことが読みとれる。



1995年以降、出生率が長期に1.5を切り続ける長期「超低出生率国」の日本において、子ども人口維持力を増強しつつある姿がデータから浮かび上がり始めた東京都。

本レポートではシリーズで、その状況が一体何を「力の源」とし、さらに、その力は何によって決定されているのかを詳らかにしていきたい。

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