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企業が考える従業員のストレス要因とその改善状況~過重労働以外のストレス要因についての議論にも期待 - 村松 容子

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■要旨

企業において、従業員のストレス軽減への関心が高まっている。ストレスを放置すると、生産性の低下や、離職、メンタル面・身体面での疾患発症の原因となる可能性がある。

従業員のストレスには、過重労働、職場での人間関係やハラスメント、働きがいや人事評価など様々な要因があると考えられるが、近年、長時間労働の抑制や有給休暇取得の推進、過労死認定基準の見直しなど、特に、過重労働に着目した政策に力が入れられているようだ。

本稿では、日本生命が取引先企業に行った「ニッセイ景況アンケート2019年度調査(2,761社が回答)1」から、企業が考える従業員のストレス要因と、要因別の改善状況を紹介し、要因別の課題について考えたい。

1 分析対象の企業の規模は、50名以下が50.1%、51名以上300名以下が38.0%、301名以上が11.4%。調査概要は、弊社サイト「ニッセイ景況アンケート調査結果(2019年)」をご参照ください。

■目次

1――企業が考える従業員のストレス要因
2――最大のストレス要因の改善状況
3――過重労働以外のストレス要因についての議論にも期待

1――企業が考える従業員のストレス要因

まず、従業員のストレスとなり得ると企業が考える従業員のストレス要因を最大3つまで複数回答で尋ねたうえで、その中で最大だと感じる要因を尋ねた。

その結果、最大のストレス要因は、「仕事量が多い(18.7%)」で、次いで「コミュニケーションが少ない(13.2%)」「残業や休日出勤が多い(12.3%)」「給料が少ない(6.9%)」「達成感が得にくい(5.9%)」「身体への負担が大きい(5.8%)」が続いた。複数回答における選択パターンで因子分析をした結果を参考に、「仕事量が多い」「残業や休日出勤が多い」「身体への負担が大きい」「有給取得が少ない」、および「達成感が得にくい」「給料が少ない」「福利厚生が不十分」を、それぞれ1つのグループとした。順に“業務過多”、“職場環境”と呼ぶことにすると、「業務過多」が最大のストレス要因となっている企業は40.6%、「職場環境」が14.0%だった(図表1)。

「特にない」も14.9%と1割を超えた。



業種と、規模および従業員の主な年代(パート、アルバイトも含めた1年以上在籍している従業員)別にみると、企業が考える従業員のストレス要因は、すべての層で「業務過多」がもっとも高かった(図表2)。



全体と比較すると、51名以上の製造業で「コミュニケーションが少ない」が、51名以上の非製造業で「業務過多」と「従業員の入れ替わりが激しい」が高かった。また、製造業では20~40代が多い企業で「コミュニケーションが少ない」が、50~60代前半で「職場環境」が、非製造業では20~30代前半が多い企業で「従業員の入れ替わりが激しい」が、30代後半~40代が多い企業で「業務過多」が、50~60代前半が多い企業で「職場環境」が、それぞれ高かった。

50名以下の企業では、製造業・非製造業ともに「特にない」や「無回答」が相対的に高かった。

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