記事

大麻で逮捕のJESSE被告 正直過ぎて「コカインをなめた」と珍証言

3/3

ビニール袋に書かれた「トロピカルチーズ」の秘密


罪を認めているにもかかわらず検察官がこれだけ聞くのは珍しいです。裁判官もほとんど質問をしないため、このまま終わりだと思っていたところに裁判官がこんな質問をしました。

裁判官「大麻が入っていたビニール袋に文字が書いてありますけど、これは?」
被告人「それは僕が書いていないものがほとんどです」

じゃあ書いたものもあるのかと。あまりに正直すぎて(笑)

裁判官「あなたが書いたのはどれですか?」
被告人「見様見真似で書きましたが『サティバ』と『インディカ』です。アメリカで処方された時に書いてあり、味を区別するために書きました」
裁判官「これは『インディカ70、サティバ30』と割合のようなものが書いてありますね」
被告人「昼間はインディカで、寝つけない時はサティバみたいな使い方でした」
裁判官「分かりました。ではこっちの袋には別の言葉が大きく書いてありますけどこれは?」
被告人「これは僕が書いたものではなくて味の名前です」

私は大麻を吸引したことはありませんが、様々な味があるということでしょうか。名前はもらった時に書いてあったそうです。

裁判官「誰からもらいましたか?」
被告人「イベントで外国人からもらいました」
裁判官「この『トロピカルチーズ』というのは?」
被告人「それは僕が書きました。柑橘系でチーズのようなニオイがしたので」

『トロピカルチーズ』というのは、被告が命名したオリジナルのネーミングでした。

裁判官「破れたビニールにも何かが書いてありますよね?」
被告人「それは本当に覚えていません」
裁判官「じゃあ写真を見れば思い出すかもしれないので…」
被告人「本当に覚えてないんですよ」
裁判官「思い出すかもしれないので写真だけ見てください。この文字の意味は?」
被告人「もらいものなので。多分味の名前だと思います」

大麻は袋に味や成分を書いておくのが常識なのかもしれません。

裁判官「今回手に入れた以外で、直近で大麻を入手したルートは?」
被告人「出演ではなく遊びで行くイベントでもらうことがありました。はっきりと覚えていませんが1年ほど前だと思います」
裁判官「あなたは(大麻を)買うのではなくて無償でもらっていますよね。これはなぜですか」
被告人「すべて受け取るわけではありませんが、外国人が足を運ぶイベントで巻きタバコを吸っていると声をかけられることが多かったです」
裁判官「なぜあなたはイベントに行くと無償でもらえるんですか?」
被告人「他の薬物に関しては全く知らないですが、大麻に関しては英語を喋れる人の中ではプレゼントすることがありました」

裁判官「イベントではよくもらっていましたか?」
弁護人「色々なイベントでもらうことがありました」
裁判官「1回限りではないんですね?」
被告人「はい。同じイベントではないので色々あります。ただ私も怪しいのは断っていました」
裁判官「私は分からないけど、怪しくない取引っていうのは?」
被告人「取引ではなくて、怪しい人からはもらいませんでした」

怪しい人から大麻は貰わないという自分の中でのルールがあったようです。どういう線引きなんだとは言いたくなります。被告人質問を振り返ると「あります!あります!断捨離をさせられました」とか「興味本位で塗ったことはあります」「今回も舐めて」とかウソがつけない人の良さが伝わる質疑応答でした。

そこまで正直に話してるから、「ゴミ袋に捨てると清掃員にバレる」や「トイレに詰まる」という言い訳が際立ちます。意図せず入手したコカインにビビっていたのかも知れません。

検察官は、約20年前から大麻を使用していると指摘をしつつも、前科前歴がないため求刑は懲役2年。大麻1本とコカイン1袋が没収です。弁護人としては、大麻の継続使用のきっかけが快楽目的ではなくヘルニアの痛みを和らげるためだという点を考慮して欲しいと訴えていました。

最終陳述で被告人は「多くの迷惑をかけた皆様にお詫びを申し上げます。心を入れ替えて一日でも早くステージに立ちたいです」と述べました。

裁判官から異例の注意勧告

このあと被告人が退廷する流れです。傍聴券が出る裁判で増えているのですが、先に被告人を退廷させるために「傍聴人は立たないでください」というアナウンスがされます。そのタイミングで退廷する被告人に向かって傍聴席から「JESSE愛してるぞ!」と声援が飛びました。当然、注意を受けていましたね。

10月29日(火)に行われた判決も傍聴してきました。強い雨の降る中、32席の傍聴席に対して41人が並び、全員座ったあとに2分間の撮影がありました。被告人が入廷する前に裁判官が「被告人、ちょっと待っていてください」と異例の一言。何かあるのかと思い発言を待つと「傍聴席から発言をしないでください」と傍聴人に向けて注意を行いました。

その後、被告人が入廷し裁判官にだけ一礼をして着席。判決は懲役2年、執行猶予3年でした。執行猶予を付けた理由としては前科がない、自立することを誓っている、薬物を断つことを約束している、奥さんが管理監督することを約束している。そうした点を考慮して執行猶予となりました。

傍聴人に対する注意という異例の幕開けから始まった判決公判。なぜか裁判官が緊張していました。担当したのは初公判と同じ小林裁判官ですが、非常に大きな声で「主文!」と。緊張している理由が分かったのは裁判が終わったあとでした。

傍聴券が出ない裁判の場合は、閉廷後はまず裁判官が退廷します。被告人、弁護人、検察官、傍聴人は自由に退廷となりますが、最近は傍聴券が出る裁判に限って退廷する順番を裁判官から指示されます。理由は傍聴人に被告人、弁護人、検察官への取材をさせないため。同時退廷だと傍聴人の中にいる記者が取材をするケースがありました。

ただこの日の裁判官は「まずは傍聴人、退廷してください」と。昔はそのパターンもありました。懐かしいなと思って立ち上がったら警備員から「傍聴人は立たない!」と大声で注意されました。裁判官の指示に従ったはずなのにおかしいなと思ったら、裁判官のミスでした。最後の段取りがいつもと違うので緊張していたのだと思います。

被告人は退廷する時、傍聴席に向かって約5秒深々とお辞儀をして出ていきました。私調べですが、復帰を考えている被告人は傍聴人に対してお辞儀をする確率が高いです。被告人も近い将来、ステージに戻ってくるのだと思います。

(取材構成:おおたけまさよし)

あわせて読みたい

「薬物」の記事一覧へ

トピックス

  1. 一覧を見る

ランキング

  1. 1

    BLOGOSサービス終了のお知らせ

    BLOGOS編集部

    03月31日 16:00

  2. 2

    なぜ日本からは韓国の姿が理解しにくいのか 識者が語る日韓関係の行方

    島村優

    03月31日 15:41

  3. 3

    「いまの正義」だけが語られるネット社会とウェブ言論の未来

    御田寺圭

    03月31日 10:09

  4. 4

    カーオーディオの文化史 〜ドライブミュージックを支えた、技術の結晶たち〜

    速水健朗

    03月30日 16:30

  5. 5

    BLOGOS執筆を通じて垣間見たリーマンショック後10年の企業経営

    大関暁夫

    03月31日 08:27

ログイン

ログインするアカウントをお選びください。
以下のいずれかのアカウントでBLOGOSにログインすることができます。

コメントを書き込むには FacebookID、TwitterID のいずれかで認証を行う必要があります。

※livedoorIDでログインした場合、ご利用できるのはフォロー機能、マイページ機能、支持するボタンのみとなります。