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ソニー、収益性とサステナビリティを両立へ

■ソニーCSR担当常務ロングインタビュー㊦

2018年4月に就任したソニーの吉田憲一郎社長は、新しい中期経営計画の中で「持続的な社会価値と高収益の創出」を経営方針として掲げた。CSR(企業の社会的責任)を価値創造の一貫として捉え、社会からの要請や期待に応えながら、事業領域を広げていきたい考えだ。(オルタナ編集長・森 摂/オルタナS編集長・池田真隆)

インタビューを受ける、ソニーの神戸司郎常務

——企業は収益性とサステナビリティを両立させることが求められていますが、その辺りの考えはすでに社内に浸透していますか。

吉田社長が就任した昨年、新しい中期計画を策定し、そこで「持続的な社会価値と高収益の創出」を経営方針として掲げました。

経営を長期視点で考えた時、それを持続させるためには、やはり企業として社会に意味のあることをしなければならないと思います。もちろんESGの思考も、そこに不可欠な要素だと考えています。

——長期的な視点を持つ上で、数十年後の社会を想像して、「バックキャスティング」で計画を練ると思うのですが、そういった未来の社会像をどのようなプロセスで、社内に共有されていますか。

ソニーが関わっているエレクトロニクス産業やエンターテインメント産業は、かなり変化が激しいビジネスです。2050年にどのような状況になっているのかを、精査に予測するのは正直難しいと感じています。

しかし、2050年に環境負荷ゼロというのは、積み上げではなくて、ここに行くんだという会社としての意思表示であって、そこからバックキャストして、今何をやっていくかということを考えるべきだと思っています。

ミレニアル世代は社員も顧客もESGの意識が高い

インタビューを受ける、ソニーの神戸司郎常務

——環境負荷を削減するためには、生産量や事業所の数を減らすことも視野に入れることもあり得ます。売上高や利益を追う中で、役員や現場からの反発はありませんでしたか。

環境のための施策は、短期的にはコストと捉えられてしまう傾向にあります。グローバルで激しい競争をしている中で、再エネを導入することで電力の調達コストが、従来よりも高くなってしまうのは、厳しいという意見もありました。

幸いにして、ファンダメンタルな事業基盤は、一時期よりは強くなってきているので、経営を3年・5年・10年というスパンで考えられるようになっています。

環境を含むESGの取り組みをしていかなければ、投資家からもそっぽを向かれてしまうし、製品を購入していただいているお客様からの共感も得られなくなってしまうと思います。

特にミレニアル世代は、顧客、社員ともに、ESGの意識が高いです。なので、そういった若い人材を確保するためにも、ソニーが魅力的だと感じてもらうために、さらなる努力が必要です。

例えば、9月末に「国連気候行動サミット2019」が行われましたが、その一環で国連環境計画(UNEP)が、「Playing For The Planet Alliance」というイニシアティブをつくりました。

日本では、あまり報道されていないのですが、近年若者に対して、絶大な影響力を持つゲーム産業を活用して、気候変動などの環境に関する取り組みを、業界で協力してやっていくものです。プレイステーション事業を行うSony Interactive Entertainment(SIE)や、Xboxを販売するマイクロソフトを含め、業界から21の企業が賛同しました。

SIEでは、これからゲーム・ハードウェア自体の環境配慮を高めていくとともに、ゲームコンテンツやメッセージを通して、ユーザーコミュニティに対して、環境に関する啓蒙をして行くことも考えています。

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