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芦田愛菜 祝辞で着たのは約100年前の着物、「永遠」の意も

美しい着物も目を引いた(写真/JMPA)

帯には格調高い「斜子織」の技法が(写真/JMPA)

「15歳とは思えない」と称賛された(写真/JMPA)

約100年前に制作された振り袖だった(写真/JMPA)

大舞台で活躍した芦田愛菜(写真/JMPA)

 11月9日に行われた「天皇陛下御即位をお祝いする国民祭典」での女優・芦田愛菜の祝辞は、「15歳とは思えない言葉選び」と感嘆の声が上がった。「謹んで申し上げます。天皇陛下ご即位にあたり心よりお祝いを申し上げます」──この言葉から始まった2分半の「御祝いの言葉」。その内容とともに注目されたのは、彼女の凜としたたたずまい、そして美しい着物姿だった。

【写真】格調高い帯の文様がわかる芦田愛菜の後ろ姿

 写真のように、御祝いの場にふさわしい上品な装いで登場した芦田。実はこの振り袖は、約100年前に制作されたアンティーク。着物を提供した老舗呉服店・鈴乃屋の担当者によると、昭和初期に作られたもので、染め・織り・刺繍をふんだんに使用し、刺繍の縁取りや色合いも微妙に変化させるなど手間暇かけて制作されており、100年ほど前から一度も袖を通していない、まさしく「門外不出」の振袖だという。

 生成り(きなり)色に、「紗綾型」という文様に菊をあしらった「本紋」(ほんもん)と呼ばれる地紋。この紗綾型とは、「卍」を斜めにして連続的につなげた文様で、「家の繁栄」や「不断長久」「永遠」「長寿」を意味しており、特に武家に好まれた。光や見る角度によって陰影がつき、品格ある雰囲気を醸し出す。

 前出の担当者によると、「きものの柄である菊の花は、花弁を手刺繍・縁を金駒刺繍(きんこまししゅう)で施し、豪華さを醸し出しています。また、全体的に匹田絞りと桶絞りでボリューム感を表現、朱色と緑の配色で、品のある色合いの中にも冴える印象を与えるものになっています」という。

 金駒刺繍とは、高度な着物職人の技法の一つで、糸を木製の駒(糸巻きのようなもの)に巻いて転がしながら刺繍糸を這わせ、綴糸で留めていくもの。その中でも金糸を使ったものを「金駒刺繍」と呼ぶ。菊の文様自体も、美しく香り高い一面を表し、長寿を象徴する文様として知られているおめでたいものだ。

 帯も「斜子織(ななこおり)」と呼ばれる技法が用いられている格調高いものだ。京都や川越などが産地として有名で、光が当たると細やかな市松模様が浮かび上がるのが特徴とされる。

「今回の振袖に合わせられた帯は、この織に『菱型正倉院文様』(ひしがたしょうそういんもんよう)」を施しており、日本の古典模様としては最古であり、格調高い文様として位置づけられます」(同前)

 まばゆいばかりの振り袖は、皇室の弥栄(いやさか)と国民の繁栄を願う意味が込められた大舞台にふさわしいものだった。

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