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被災ネコが一生暮らせる“ホスピス”を~原発20キロ圏内の猫保護救出

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人間の身勝手な行動によって、東日本大震災で多くの犠牲になったのがペットだ。
避難所や仮設住宅はペット禁止のところが多く、ペットだけは自宅に置いたまま、たまにエサをあげにいくという人も多い。

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しかしそれができなくなってしまったところがある。
原発被災地だ。
福島原発事故により放射能汚染された場所は、住民すら立入禁止になってしまった。
ペットがエサもないまま取り残された状態になったのだ。

ペットが放し飼いになっていれば、ペット自らエサを探しに行くことはできるが、逃げないようにゲージに入れたり、ひもをつけられたペットは餓死してしまっている。

原発被災地のペットを助けなければと、多くの動物ボランティアが原発被災地に入り、動物へのエサやりや保護などを行っている。
その1つが2012年3月末に取材した「にゃんだーガード」である。

猫保護活動の内容については、6/12発売の雑誌「猫生活7月号」をご覧いただければと思うが、そこには書ききれなかった、名古屋の人がなぜ原発被災地の猫活動を、この1年以上も続けることになったのか、活動に至るまでの葛藤や経緯を紹介したい。
(取材・撮影日:2012年3月31日)


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にゃんだーガードを立ち上げ、活動に奔走しているのは、ボランティアから「隊長」と呼ばれている本多明さん(48歳)。
名古屋在住、カー用品の仕事をしながら、震災前から名古屋近辺で動物保護活動を行っていた。

2011.3.11。とてつもない地震が起きた。
「災害で一番被害に遭いやすいのは猫」との思いがかすめる。
はじめは遠くから「東北がんばれ!猫たち生き延びろ!」と、願いを込めるだけにとどまっていたが、何もできない、何もしない自分に、悶々とした思いが日増しに高まっていた。

震災から約1週間後。
本多さんは被災にあった猫たちが気になって仕方がないので、愛知県の獣医師会に電話で問い合わせた。
被災地の犬猫を助けに行く予定があるなら、一兵卒でいいので参加させてほしいと。

しかし答えはノー。
活動の予定はないという。
なぜ助けに行かない?
そこで決断した。
ならば自分が助けに行くしかないと。

「動物より人間を助けるべきでは」
と思う人がいるかもしれないが、本多さんはこう考える。
「ペットを助けることは飼い主の被災者の心を救うことだ」
ペットは家族同然。
人間でないがゆえに助けられないまま、多くのペットが被災地でさまよっている現状を、見過ごすわけにはいかなかった。

「現地では行方不明の方も大勢います。
その捜索をしているすぐ横に
猫の保護をしにいくこと自体、非常識のそしりは免れません。
でももし自分が被災していたら、そして大事な家族や小さな家族(ペット)と
ばらばらになってしまったらと考えると、とてもではないけど他人事では済ませられない」
(本多さんのブログより)

被災者の家族(ペット)を助けに行く。
これも立派な被災者支援になるはずだと考えた。

現地での救援活動を行うために、情報収集していたが、情報が錯綜しており、状況もめまぐるしく変わるため、はっきりとした作戦が立てにくい。
早く現地に行って助けたいという思いのなか、2011.3.24にはブログで「眠れない」と題して、自分のはがゆさと使命感に揺れ動く気持ちを
こんな風につづっている。

・・・・・・
俺たちは個人で活動をしている集まりだ。
それは、俺達が猫の保護を自分達の力で
できる範囲で行おうと考えているから。。。
だからNPOの団体にはしなかった。

「背伸びをしないで身の丈にあわせ、無理をしないでゆっくりと確実に」
がモットーで、それでも実際今までに
たくさんの猫達を幸せにしてきた。
個人としてはかなりの数になると思う。

今まではどこかで大型崩壊などがあっても
大きな団体さん達がそれは見事に解決してくのを見ながら
「やっぱり大きいところはすごいね!」
などと仲間達と話していたものだ。

だが、今回は話が違う!
大きな団体さんに任せて
傍観者を決め込むわけには行かないと思った。
被害が圧倒的に大きくて
団体さん任せだけでは立ちゆかない。

だが、日ごろから個人でできる分だけしか
してきていない俺達には、それだけの事をする力が無い。
当然だが予算も無い、でも俺には誰にも負けない熱い思いと
ぶっちぎりの行動力がある。
だから、まず行動を起こすことにした、右も左もわからないけど
自分達にできる範囲の事をするために・・・
って既に範囲超えてるが。。。

・・・・
震災後、多くの人が本多さんと同じような想いでいたのではないか。
これだけの災害。
助けてあげたいが、個人にできることはあまりにも限られている。
でもだからといって何もしないではいられない。

そこで選択肢は2つ。
個人ではたいしたことはできないから、何かをしたいけど何もせずに終わってしまうか。
または微力でも何かをすべきだと行動するか。
本多さんは行動した。考えていても仕方がない。
ブログで想いをつづって協力してくれる人を集めていった。

準備をした上で、3月30日に名古屋を車で出発。
翌31日、宮城の石巻へ入り、4月4日まで現地の情報収集を行った。

現地を偵察し、人手が圧倒的に足りないことを痛感。
自分がやるべきことは、被災地でさまよっているペットを助けることだと再認識した。

しかし想いは揺らぐ。動けば非難もされる。
「高い交通費を使って向こうに行くよりも、向こうにお金を送ったほうが
その分たくさんの猫が救えるのではないか?」
指摘に一理あると思い、自分の活動をどうすべきか悩んだこともあった。

しかしブログのコメントなどに励まされ、活動を貫くことを決意する。
毎日ブログの終わりには、「さあ頑張ろう」と自分を激励する言葉で終わることが続く。
相当な負担がかかっているはずだが、それでもこの未曾有の災害を見過ごすことはできない。

現地入りした結果、支援すべき地域を宮城から福島に変えた。
福島の状況が深刻。
しかもボランティアも少ない。
原発事故により警戒区域に指定されてしまうと、立入禁止になり、ペットたちが取り残されてしまう。
被災地の室内にいる猫の生存率はわずか10%との調査もある。
自分が助けるべき場所は福島だと考えた。

2011.4.17から4.27まで、原発が大変な最中に福島へと救援活動を行った。
原発そばの地区にも足を踏み入れた。
命をつなぐエサやりを中心に回った。

しかし大きな問題が2つ。
現地そばにシェルターを確保しないことには、動物を保護できないこと。
宮城でシェルターを借りることができたが、福島・宮城の往復は続けるのはつらい。
福島に拠点がないと保護活動がままならない。
不動産屋を奔走し、原発20キロ圏内から車で30分ほどの、福島県田村市で数百坪の敷地と古い家屋を借りることにした。

もう1つの問題は原発20キロ圏内の立入が厳しくなったこと。
原発事故の状況悪化により、原発被災地への立入が厳しくなり、許可なしでは入れなくなってしまった。
福島県庁にいっても、「環境省が主体となって対策を練るので
それまでしばらくお待ちください」と断られてしまう。

しかしそんなこと言っていたら、どんどん動物たちは死んでしまう。
さまざまな手段やルートを尽くし、なんとか原発20キロ圏内に入って、動物を保護する活動を続けてきた。

活動の拠点もでき、体制は整いつつあったが、それに伴い、さまざまな問題が出てくる。
お金と人手が圧倒的に足りないのだ。
拠点を借りられたのはいいが、建物が古いため、あちこち修繕作業に追われる日々。

保護した犬・猫のエサ代もばかにならない。
保護してきた動物をみてくれるボランティアも必要になった。
「人手がない時は私含め3人で、犬15頭と猫60匹の世話をした日もあった」
現地での活動をしながら、日々ブログで想いをつづって、支援を呼びかけた。

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