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首里城焼失に思う

 去る10月31日未明、琉球王朝のシンボルであり、沖縄県民にとっての心の拠り所である首里城で火災が発生し、正殿をはじめ主な建造物7棟が焼失してしまった。建立は15世紀はじめ頃と言われるが、過去にも15世紀、17世紀、18世紀に焼失しており、その都度復元、新築されてきた。太平洋戦争中の沖縄戦でも破壊されたが、戦後30年かけて復元された。

 この度は残念ながら5回目の焼失となってしまったが、原因は電気系統のトラブルと言われている。防火のためのスプリンクラーやドレンチャーなどが設置されていだはずだが、なぜこんなにも焼けてしまったのだろうか。警察・消防による検証を待たなければならないが、空間が多い特殊な構造であったり、特殊な塗装の油分が火の勢いを増したりしたのではないかとも言われる。日本国内には木造の文化財が数多く存在するが、防火設備はまだ完全とは言えず、その設置を急ぐとともに、人間の目による監視も強化しなければならない。

 文化財の火災というと、今年4月のパリのノートルダム大聖堂の火災が記憶に新しい。この10月までに6億ユーロの民間寄付が集まり、最終的には8億ユーロ(約960億円)になるという。首里城にも那覇市のふるさと納税を介して既に3億円が集まり、ユネスコやJAL、JTBなどもそれぞれ独自の寄付活動を開始した。政府においても既に支援の意思を表明している。

 太平洋戦争末期の沖縄戦では約20万人が犠牲となり、そのうち沖縄県出身者は12万人を超える。唯一の地上戦が行われ、大変な犠牲を強いられた。また戦後27年間にわたりアメリカの統治が行われ、返還後も日本にある米軍基地の75%が沖縄に集中する現状である。このような歴史と現状をきちんと把握しつつ、我々は沖縄と向き合わなければならないが、首里城焼失という不幸な事態を契機として、あらためて沖縄県民の気持ちに寄り添い、励ましあうことが求められている。国の支援も確かなものにしなければならない。

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