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「主権」を脅かす存在としての天皇と米軍

 この国の「主権」は脅かされていると思われるような出来事が相次ぎました。「国民主権」は天皇という存在によって、「国家主権」は米軍という存在によって、棄損されているのではないでしょうか。

 昨日、新天皇の即位に伴うパレード「祝賀御列の儀」が実施されました。11万9000人が沿道に詰めかけ、日の丸の小旗を打ち振っていました。

 その前日には、皇居前広場で「国民祭典」が開かれています。約3万人が集まり、アイドルグループ「嵐」が歌を披露しました。

 最後には、祭典を主催した「奉祝国会議員連盟」会長の伊吹文明氏が音頭をとって「天皇陛下万歳」と叫び、三唱で終わるはずが、続けざまに「天皇陛下万歳」「皇后陛下万歳」「天皇皇后両陛下万歳」という声が流れ、結局16回も行われたといいます。

 全く異様な光景が2日連続で続いたわけです。しかし、国民主権とは無縁の異様な光景は即位からの一連の儀式でも同様で、大嘗祭が残っていますからまだ終わりではありません。

 昨日のパレードだけでも2万6000人の警官が動員され、24億円の費用がかかったといいます。4月30日の即位の礼から11月14日の大嘗祭までの一連の儀式にかかる経費の総額は166億円だそうです。

 敗戦時に天皇制が廃止されていれば、これらの経費は全く必要なかったはずです。少なくとも一部の行事を中止したり規模を縮小したりして経費を節約し、今も台風被害や豪雨被害で苦しんでいる人々の救済や災害復旧の費用に当てるべきだったのではないでしょうか。

 他方の、米軍による国家主権の侵害も深刻です。米軍三沢基地所属のF16戦闘機が米軍施設「三沢対地射爆撃場」の敷地外に重さ約230キロの模擬弾1発を落下させるという事故が起きました。

 それ以前にも、普天間飛行場所属の米軍ヘリから重量1キロの窓が落下し、米海兵隊岩国基地所属の戦闘機内で手放し操縦、自撮り、読書などの重大な規則違反飛行が横行していました。さらに、米海兵隊岩国基地所属部隊が沖縄沖上空で戦闘機と空中給油機の接触事故を起こしていたのに公表していなかったことも明らかになっています。

 一歩間違えば大事故につながる危険性のある問題ばかりです。それなのに、模擬爆弾の回収に当たっていた米軍の兵士は日本の警察や土地の所有者を締め出し、お菓子を食べながら笑って作業を行っていました。

 これで独立国と言えるのでしょうか。日本はアメリカになめられていると屈辱を感じたのは私だけでしょうか。

 ここまで馬鹿にされているのは、日本政府が在日米軍に対して弱腰だからです。「思いやり予算」を増やし、不平等な地位協定の改定もせず、沖縄辺野古の新基地建設など米軍の求めるがままに青い貴重な海を埋め立ててきました。

 この植民地のような対応がアメリカを付け上がらせてきたのです。このような従米路線がとりわけ安倍首相になってから強まっているため、国家主権を無視した米軍の横暴がますますエスカレーとしているのではないでしょうか。

 主権の危機です。日本国民は天皇と米軍によって主権者としての地位を脅かされている現実をきちんと認識しなければなりません。

 知らず知らずのうちに、国民は主権者としての自覚や誇りを失ってきているのではないでしょうか。安倍首相は憲法を変えることに熱心ですが、いま取り組むべき最重要な課題は憲法で保障されている国民主権を守ることであり、米軍の勝手を許さず国家としての独立を確かなものとすることなのです。

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