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日本史における天皇家:その継続の知恵

 秋晴れの11月10日、即位のパレードも国民の祝福を受けて、素晴らしいものとなった。天皇家のますますの弥栄を祈りたい。

 ところで、天皇の世襲について、男系を貫くのか、女系を容認するのか、議論が続いているが、皇室典範の見直しを考えてよい。女系容認論に対しては賛否両論がある。

 今年は、国民が天皇制について、さらには日本の歴史について、勉強する絶好の機会である。国民の間で、最小限の知識の共有がなければ、皇位継承問題について、断を下すのは困難であろう。

 天皇に視点を置いた日本の歴史、つまり、古代から現在まで、天皇を中心にすえた歴史書はこれまでも多数出版されている。しかし、十分な掘り下げは行われていないような気がする。

 たとえば、平安時代から鎌倉時代に移行する源氏と平氏の争いなど、源平合戦という枠組ではなく、天皇の行動を中心に据えて、天皇が両者の間で権謀術数を駆使した歴史を見ると面白い。

 これは、天皇がその地位を保全するために起こして行動であり、ときの権力者との間の血みどろな駆け引きとも言える。「天皇家はなぜ永続したのか」という問いを立てれば、その回答を引き出す過程で、通説以外の解釈も出てくる。壬申の乱における天皇家の内部抗争も興味深い。

 また、古代の女帝の時代に焦点を当てると、女帝が単なる「つなぎ役」を超えて、大きな権力を振るい、また実績も残している。藤原氏は天皇と外戚関係になることで、その全盛時代を築くのであるが、それに対抗する菅原道真の努力や挫折、また平将門の乱などにおける天皇の立場についても興味深い考察ができる。とくに法皇たちの暗躍ぶりには驚かされる。

 近世についても、足利氏、織田信長、豊臣秀吉、徳川家と天皇との関係が、天皇中心に再構成してみるとまた違った歴史が書ける。幕末明治維新という動乱では、天皇と幕府の地位が逆転し、天皇親政の明治憲法体制が生まれた。そして、1945年の敗戦以降、天皇のあり方も大きく変化し、今や象徴天皇制が定着している。

 令和の今、歴史家には天皇家の視点から日本の歴史を書き直す作業に挑戦してほしい。  

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