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フランスでも深刻いじめ問題

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トップ写真)いじめ(イメージ)
出典)Flickr; Tiomax80

Ulala(ライター・ブロガー)

【まとめ】

・日本より多い、フランスでのいじめ件数。

・存在がタブーとされてきた仏いじめに政治家たちが動き出した。

・仏・教育省の撲滅キャンペーンは関わる全ての人に啓発をうながす。

フランスでは11月7日木曜日に、いじめ撲滅キャンペーンが行われました。2010年頃から時々行われていたキャンペーンですが、2015年からは11月の最初の木曜日に毎年開催されることになり、今年で5年目を迎えます。

いじめ問題への対策は、フランスはヨーロッパの中でも遅れており、解決までの道のりはまだまだ遠いのが現状です。2015年の国民教育省の組織の一つ、評価・予測・実績局 (DEPP)の調査結果によると、フランス全体で約700 000人がいじめの被害にあっており、その割合は児童生徒全体の10%であると報告されています。

日本では、フランスにはいじめがないという話が一部で流通していますが、実際は、ほかの国と同様にフランスにもいじめは昔から存在していました。いじめがなかったのではなく、いじめは「タブーとされ、存在しないものとみなされていた」ため、その存在が大きく明るみに出なかったと言った方がいいかもしれません。

どちらかといえば、いじめの件数は日本では約410 000人で、児童生徒1000人あたりの認知件数は30.9件であり、児童生徒全体の約3%であるのに対し、10%存在するフランスは、日本よりもいじめが多いとも言えます。

2012年に、カナダのグザヴィエ・ドラン(Xavier Dolan)が演出したIndochine(アンドシーヌ)のシングル「College Boy」のクリップhttps://youtu.be/Rp5U5mdARgYが、暴力的すぎるとフランスCSA(視聴覚高等評議会)によって放送禁止になり、論争が起こったことがありました。

映像の暴力性が問題視された結果、フランスでは日中に放送されることはありませんでしたが、しかし、このクリップが描写している内容は、まさにいじめがタブー化している現実を具体的、抽象的に表したものであり、確かに暴力的な部分はあるものの、いじめを受けている被害者が感じていることを理解するのにわかりやすい映像ではないのかと思える内容でもあります。

ドラン監督は、こう述べています。

「スキャンダルをおこしたいわけじゃない、このクリップが昼間のあいだテレビで流されないことはよく理解できる。検閲に反対するつもりもない。しかし不幸なことに若者たちは、このクリップよりもさらにひどい現実を見ていると思うよ。」

グループでいじめをする生徒たち、いじめを見て見ぬふりする教師、学生たちの「何も見ていない」と目隠しをしながら携帯で撮影している姿、目隠しをしている警察が介入して、反対に被害者に被害がおよぶ様子、etc。多くのフランス語で書かれたコメントがこの動画のコメント欄にも残されていることからも、この映像が、カナダを含む、フランス語圏の多くの人の心を打ったことを物語っています。

その存在自体をタブーとされてきたいじめですが、しかし2011年にようやく人々や政治家たちがいじめについて語りはじめました。その年の2月に、フランス北部の街マルケット・レ・リールに住む、ジョナタン・デタンさん(https://www.imishin.jp/jonathan-destin/)が、いじめを苦にして焼身自殺をはかろうとしたことが、人々に大きな衝撃を与えたことも影響しています。

[画像をブログで見る]

いじめを受け続けたジョナタンは、ガソリンを頭からかぶり焼身自殺を試みました。マッチに火をつけた瞬間、炎が全身を包んだのです。「心が深く傷ついていて、それしか解放の方法がないように思えたんだ。」と当時を振り返っています。しかし、生命本能がとっさに働いたのか、火の中でもがき苦しみながらも生きることを選択し、川に飛び込んだことで命を取りとめました。

その後、何度も皮膚移植や整形をし、苦しいリハビリに耐え抜き、現在は、機会があるたびにメディアに姿を現し、いじめに苦しんでいる子供たちを励まし続けています。

このように、自殺に追いやられるなど、いじめが及ぼす影響について無視できなくなった教育省は、2011年5月にいじめの予防全国会議を開き、法的に被害者を認めることをきめ、教師たちのいじめの放置予防と、いじめの目撃者の証言、被害者とその家族の支援などを呼びかけ始めました。

また、いじめの場面をビデオクリップで流すなど働きかけ、タブーからの脱却をうながすと共に、被害者には無料の電話相談窓口(3020)を設けるなど、いろいろな対策を行っています。国が対応手順を定め、それに従い、地方教育委員会のいじめ専門官と学校が連携する仕組みも整えました。

その結果、多少はいじめの件数も減少し、教師などがいじめを把握し解決に至るケースも出て来たのも事実です。しかしながら、まだまだいじめをタブーとする人々がいなくなったわけではありません。

いじめがあったことに積極的に対応せず、隠そうとする教師はいまだに存在します。

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