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風評汚染

さまざまな風評被害が起こっていますが、その原因は主に枝野官房長官の記者発表によることろが大きいと思います。

ブログ「ある女子大教授の つぶやき」さんが、ご指摘のように、「直ちには影響ない」、「今のところは安心」、「念のために出荷止める」など、「責任逃れのために、巧妙に使い分ける副詞と形容詞にある。曖昧な表現が噂と風評を呼ぶ」のです。

風評の出所 | ある女子大教授の つぶやき :

風評をばらまいた決定打は、3月23日の「摂取制限」を政府が発表したことだったと思います。「摂取制限」がなされたのは「福島県産」のほうれん草やブロッコリーなどでしたが、ただでさえ不安に感じている人びとに、ホウレンソウが怖い、ブロッコリーが怖いという強力なイメージを植えつけました。

関東のみならず野菜の買い控えが各地に広がっています。首都圏なら、外食産業の仕入れ量が落ちたとか、計画停電のおそれで、冷蔵庫で野菜が保存できるかどうかが心配で買うのをためらうとかも考えられますが、関西まで野菜価格が落ちてきたのは風評としか考えられません。

店頭価格での印象だけなのかと思い、大阪中央卸売市場での徳島産のホウレンソウの卸売平均価格を見てみました。価格下落が「摂取制限」発表2日後の25日から起こってます。25日に前日比11.8%の下落、26日に23.3%の下落、週明けの月曜は26日からさらに16.3%の下落でした。おそらく店頭で買い控えがあったため、それが卸売価格に影響してきたものと推察されます。

29日は58%も価格が急落していますが、和歌山産はほぼ前週の26日に近い価格であったので、他にも原因があったのかもしれません。

もちろん野菜価格は収穫量によっても変動すしますが、スーパーのPOSデータがあれば店頭での販売量や価格の実績推移を地域別により詳細に見ることができます。その風評被害の影響については、後日かならず政府は行うべきでしょう。

理屈で考えれば消費者の人たちがいかに非合理的な購買行動をしているかということになりますが、人は理性ではなくイメージに影響されるほうが強いということです。

いったん「怖い」「不安」というイメージが、マインドのなかにできてしまうと、もういくら安心だというメッセージがながれても、そのイメージから解かれるのは難しいのです。

根本は、メッセージを人びとが「どのように受け取り、理解するか」ではなく、「ある女子大教授の つぶやき 」さんが、ご指摘のように、「どう言えば、自らの責任にならないか」の発想によるのでしょう。官僚主義は官僚にだけでなく、政治家、東電の経営者をも蝕んでいたということかもしれまえん。

また以前から、参院選の大敗北の原因のひとつは民主党のポスターにあったと感じていました。まるで気力のない無表情な菅さんの顔、情熱を感じさせない服装のカラー、どうして、こんな選挙に負けるためのポスターをつくったのだろうと不思議に思っていましたが、今回のさまざまな記者会見にも通じるところです。

こんな危機に際して、政府や官僚また東電経営者もリスクを取らない、人びとのことをまっさきに考えないというのは驚きましたが、さらに野党も、こんな時期になにを菅総理の視察についての批判をやっているのでしょう。

それは後に検証すればいいことであり、今後の対策についての議論をすべきというのが筋だと思います。この機をいかせという党略がまずあるのかもしれません。

危機対応力とは、マニュアルにない、経験していないことにどう対処するかの能力であり、決断しリスクを取ることも含めて、適切な判断や行動ができなかった場合には責任を問うというのが原則です。

でなければいつまでたっても社会が危機対応能力の学習できないからです。そのことを阪神淡路大震災の後に、ニューヨーク市立大学の鶴見教授が講演で強調されていたことをあらためて思い出しました。

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