8日の参院予算委員会で質問に立った立憲民主党の杉尾秀哉参院議員が、安倍晋三総理大臣が過去に「報道機関の現場記者に直接内容を指示している」と発言したことが注目を集めています。
この質問の時間には、安倍総理が杉尾議員に対し「共産党」とヤジを飛ばしたことも話題になっていますが、質疑のやりとりから報道に関する内容の箇所をお伝えします。
(映像の54:13秒頃〜)
衆院選前に自民党がテレビ各社に文書送付
杉尾秀哉議員(以下、杉尾):もう一つですね、今日はどうしても聞いておきたいテーマがあって、言論表現の自由なんですけど、前回の予算委員会の最後にですね、私もちょっと聞いたんですが、「報道機関に萎縮なんてない」とこういう風に総理は断言されました。だけど私はですね、報道機関に長くいて、総理の言葉はですね、信用できません。例えば2014年11月の日付が入った文書、お配りしました資料です。衆議院解散の前日です。在京テレビ各社に当てた文書、これ当時自民党の筆頭副幹事長だった萩生田大臣が出したもの、萩生田氏が出したもの、これは間違いないですね?
議長:どなたに聞いていますか?…はい、萩生田文部科学大臣。
萩生田光一文部科学大臣(以下、萩生田):ええと、筆頭副幹事長として私と報道局長の連名でお出ししたものです。
議長:はい、杉尾くん。
杉尾:私も当時メディアにいてこの文書を見ました。最後の、パネルの下の方ですけど、出演者の発言回数、ゲストやテーマの選定、街頭インタビューや資料映像に至るまで選挙報道に事細かに注文をつけてます。この文書が出る前日にTBSの「NEWS23」に総理が出られて街頭インタビューに対して「編集してますね」と噛みついた。それを受けての私は文書だという理解でございました。
文面は非常に丁寧なんですけど、内容はですね、言葉は悪いですが恫喝に等しいんですよ。私は長くテレビ報道で仕事していましたけど、こんな文書見たことありません!萩生田大臣、なんでこんな露骨な圧力をかけたんでしょうか。
議長:萩生田文部科学大臣。
萩生田:これは告示を前にしてですね、事前報道の段階でもちろん政権与党に厳しいものがあることはやむを得ないと思いますけども、いよいよ明日から本番の選挙が始まるというなかで、言わずもがなの公職選挙法、あるいは放送法を守って報道していただきたいということで、党の役員会で打ち合わせの上、当日ですね、これをお配り、お渡し、お送りするんじゃなくて、平河クラブにいらっしゃる社に誤解のないようにきちんと説明をしながら一枚一枚渡そうということで、その時にいた党幹部が私、あの皆さんもうそれぞれ地方に行ってましたので、私の名前で出すことになりました。これは初めてじゃなくて、過去にも選挙前にこういう形でメディアの皆さんに、まああの、ぜひよろしくということで発出した経緯もございます。
「共産党」ヤジで委員会が紛糾
議長:杉尾秀哉くん。
杉尾:いや、これ以前にこんな文書ありませんよ。ここまで細かく書いているものはございません、ございません。あのね、あのもう一つ伺いたいんです。今日は高市総務大臣に来ていただいた理由なんですけど、大臣は2016年の2月、あの時の総務大臣…ヤジらないでください。総務大臣として、放送法4条の政治的公平性の解釈についてひとつの番組だけでも…何ヤジってるんですか。何が共産党なんだ!何言ってるんですか!ちょっとやめてください。
(場内騒然、数名の野党議員が議長席の周りに集まる)
議長:ヤジじゃないから…(音声放送中止)
(約50秒後、質疑が再開)
議長:はい、えー内閣の皆さん方にお願いしますが、委員会の進行を妨げるような不規則発言につきましては厳に謹んでいただくようにお願いします。小さい声でよろしくお願いいたします。
(再び場内騒然)
議長:いいからいいから。いやいやいや、もう言ったから。もうもうもう。もう謝ったんだから、注意したんだからいいじゃないですか。注意したから。注意したから。
(数名の野党議員が議長席の周りに集まる。蓮舫議員らが抗議)
議長:はい、それじゃあ議事進行。速記起こしてください。改めてご注意を申し上げます。今後、厳に不規則発言については慎んでいただくようにお願いいたします。はい、イワオくん…杉尾くん、杉尾くん。杉尾くん。