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松坂大輔の西武復帰がこんなに遅れた理由 - 新田日明 (スポーツライター)

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元怪物の古巣復帰が決定的となった。埼玉西武ライオンズが松坂大輔投手の獲得調査を進め、今月中にもオファーを出す方針という。水面下では両者の間でほぼ合意しているとの情報もあり、松坂は14年ぶりにライオンズのユニホームに袖を通すことになりそうだ。

メジャーリーグで活躍し、2015年から9年ぶりに日本プロ野球界へ復帰。最終的には福岡ソフトバンクホークス入りを果たしたが、その際もメディア報道の間では国内復帰先として古巣・西武の名前が挙げられていた。しかし噂話が先行しただけで結局、獲得に名乗りを上げることはなかった。当時、松坂の獲得にゴーサインが出なかったのは親会社・西武ホールディングス(西武H)の意向だったとも言われている。

(eric1513/gettyimages)

企業コンプライアンスの遵守に厳格な同社は、かつて「西武王国」を築き上げたものの失脚した西武鉄道グループ元オーナー・堤義明氏と完全に袂を分かっている。その堤氏が全盛を極めていた1998年のドラフトにおいて西武は1位指名で3球団競合の末に「平成の怪物」の入団交渉権を獲得した。横浜高校のエース・松坂だ。

堤氏の秘蔵っ子とささやかれるほどの寵愛を受けながら、入団後の松坂は球界を代表する大投手へと成長。こうした経緯があることから西武Hの幹部間には松坂を〝堤一派〟と見る向きもあり、ここまで古巣復帰に対しては長らく消極的だった。

ところが今オフ、風向きが大きく変わった。所属先の中日ドラゴンズとの交渉が不調に終わり、松坂は退団。ここで渡辺久信GMら現場トップの尽力もあって松坂の復帰に慎重だった西武H幹部が折れ、首を縦に振ったという。ただ、松坂については親会社ルートで入念な身辺調査のメスが入れられているようだ。

きちんと〝堤カラー〟から脱却しているか、あるいはかつての西武在籍時に諸々疑われるようなブラックボックスの存在はなかったのか――。今や西武のコンプライアンス厳格化は12球団トップクラスともっぱらだ。

コーポレートガバナンスの一環として法令遵守の徹底化を図っている西武だからこそ、かつての功労者であっても容赦なく丸裸にする。過去の問題がほじくり返されて発覚するなどという事態になれば、親会社としてはたまったものではないからだ。現役晩年とはいえ、まだまだ注目度抜群の松坂だけにメディアから格好の標的となりやすい。

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