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国会の質問通告と官僚の疲弊

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3.事前の質問通告は必要なのか。

 事前の質問通告(事前に質問内容を質問者の国会議員が役所に教えて準備させること)をやめればいいじゃないか、大臣がぶっつけ本番で全部自分の能力の範囲で答えればよいじゃないかという意見を時々見かけます。

 僕の考えでは、充実した具体的な政策論議を国会でするためには、事前の質問通告はあった方がよいです。理由は以下のとおりです。

○ どんなに優秀な大臣でも広い行政範囲の隅々まで細かく把握することは困難。

 (厚労省で長く勤務していた僕でも、先日幼児教育保育無償化のテーマで討論番組に出演しました。極めて急な出演依頼でしたが1.5時間くらいは必死に全速力で勉強して準備しています。)

○ ぶっつけ本番だと、どうしても抽象的な議論に終始するので、政策の議論が深まらない。

○ 質問者の議員と担当の官僚が、質問取りのレクなどで事前にやりとりをすることで、質問者も時には事実誤認に気づいたり、新たな情報を得ることにより、よりよい質問に変えることもできる。

4.質問権の確保について

よく質問権が大事ということを特に野党議員から聞きます。全く同感です。

官僚も一生懸命仕事をしていますが、人間ですから間違える時があります。また、あまりの激務の中でやらなければならないことが漏れてしまうこともないとは言えません。あるいは、悪気はないけど、昔から同じやり方を踏襲しているというだけの理由で世の中に非効率や不合理を強いてしまっていることもあります。

ですから、政府の仕事を監視したり、世の中の色々な人の立場を代弁して指摘することは、政策をよりよいものにしていくために、必要不可欠なのです。

現役の官僚の人たちが、あまりに疲弊していて、台風の中で中々質問内容の通告が来なくて帰れない状況に我慢がいかない気持ちは、僕も痛いほど分かりますし、そういう状況は絶対に変えた方がよいと思います。

そして、国会関連の議員や官僚の仕事も国民にもっと見えるようにすればよいと僕も思いますが、それは事前に国会においてよく話し合ってルールを決めてやるべきです。

(ことの真偽は全く分かりませんが)もし、政府内の情報が外に漏れているのだとしたら、さすがにちょっとやり過ぎではないかと思います。ゲリラ的にやるのはよくないと思います。

5.国民のための国会改革論議を

 僕は、官僚時代にもっとよい政策が作れないかとずっと試行錯誤しながら政策を作ってきました。そして、退官しても「どうやったらもっとこの国の政策がよくなって、国民によりよいサービスが届くか、経済がよくなるか」ということを、自由な立場で多様なセクターの人と一緒に日々考えています。

 今でも、本当にこの国の政策をよくしたいのです。おそらく、その思いは多くの現役の官僚も同じだと思います

 だから、今の「官僚の働き方」と「国会議員の質問権」が対立していて議論が進まないような状況を見ていると、本当に悲しくなるのです。

 「官僚の労務環境」も「国会議員の質問権」もつまるところ、それぞれの立場からの主張にとどまっています。

最初の話に戻りますが、国会は国民のためによりよい政策を作るために議論をして決定する場所です。どうか、「充実した政策論議をするために」「霞が関の政策立案能力を維持向上させるために」国会質問の通告を含む国会運営の在り方を与野党・政府ともに考えてほしいと思います。

多くの人に分かってほしいのは、通告時間の遅い質問者だけを悪者にしないでほしいということです。

・そもそもの委員会の日程を早く決めてしまうことがまず必要でしょう。

・そして、決められた委員会の日程を目安として、どの日にどの議員が質問するのか、どの法案をどの議員が担当するのか、そういったことも国会の冒頭に各党決められるだろうと思います。

・そうすれば、各議員も自分の先の仕事が見えますから、前もって勉強したり色んな人の意見を聞いたりしながら質問を準備する時間もしっかりとれるでしょう。

・場合によっては、各議員の担当を公表してしまえば、民間団体や国民が誰に声を届ければ質疑に反映させてもらえる可能性があるか分かるようになるので、より国会議員を通じて自分たちの声を国会に届けやすくなるでしょう。

・そんな環境が整ったら、もっとよい質問が時間的余裕を持って準備できるはずです。

・本番より余裕を持って事前に、なるべく明確に問題意識を役所に伝えれば、官僚が仕事に充てる時間にも裁量が出てくるので、国会に対応しつつ、必要な政策の実施や検討など他の仕事も並行して進めることができます。

・そして、本番ではより具体的な議論ができるでしょう。

以上は、僕のアイディアですが、皆さんはどうお考えでしょうか。

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