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"6つのお悩み別"あなたの「睡眠問題」解消法

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睡眠について多くの人が、さまざまな悩みを抱いている。その悩みをタイプ別に分類し、今日から行える対策を、睡眠のプロである作業療法士の菅原洋平氏に聞いた。

《6つのお悩み別》あなたの「睡眠問題」解消法

睡眠の悩みの多くは、ちょっとした思い込みや無意識の行動から生まれます。改善するために、今の生活を大きく変える必要はありません。睡眠の仕組みを知ったうえで、少し行動を変えるだけで、睡眠の質はがらりと変わります。


※写真はイメージです - 写真=iStock.com/RyanKing999

まずは、これから挙げる6つの「睡眠に関する悩みのタイプ」から自分が今、一番気になるタイプを選んで、そこに書かれた解決策を試してみてください。睡眠が変わることを体験してほしいと思います。

そのうえで、ぜひほかのタイプの悩み解決策も試してみてください。ご自身の睡眠のさらなる変化を感じていただけるかと思います。

今回はわかりやすいよう、睡眠に関する悩みを6タイプに分けて挙げています。しかし、悩みに向き合うことよりも、「どういう睡眠をつくりたいのか」ということを考えるほうが重要です。体調が良く、良いパフォーマンスが出せているときの睡眠を、どうしたら再現できるかを考えるうえで、ここで説明したさまざまなロジックや手法を役立ててほしいと思います。

睡眠は毎日、一生続くことですから、自分に合った、質の良い睡眠が取れる方法を知っておけば、それは一生モノのスキルになります。コンディションをベストに保つのに役立つばかりでなく、睡眠トラブルを予防することにもつながります。

では、6つの「睡眠に関する悩みのタイプ」と解決策を見ていきましょう。

【お悩みタイプ1】寝付けない

睡眠に関する問題の根っこには、「寝付けない」という問題が隠れていることが多く、実は寝付けないから朝起きられない、昼間眠いという場合があります。

これを改善するために行うのが「刺激統制法」と「睡眠制限法」です。

刺激統制法は、「ベッドは眠るところ」と、脳に記憶させるための方法です。「寝付けないから」といって、ベッドの中で本を読んだり、スマートフォンを見たりしてしまうと、脳は「ベッドは本を読むところ/スマホを見るところ」と記憶してしまいます。この記憶を書き換えるのです。

重要なのは、習慣そのものを変えようとしないことです。寝る前に読書をしたりスマホを見たりする習慣がある人が、この習慣をやめるのは大変なのでうまくいきません。ですので、場所だけを変えてみてください。ベッドの外で読書をしたりスマホを見たりすればいいのです。すると、「ベッドは眠る場所」だと脳が認識するようになります。

併せて行う睡眠制限法は、眠くないときにはベッドに入らないようにするというものです。ベッドに入ってから15分くらい寝付けないと、どうしても考え事をしてしまいます。すると、脳は「ベッドは考え事をする場所だ」と認識してしまいます。ところがこうした場合、多くの人は「昨晩は寝付きが悪かったから、今日は早く寝なくては」と、早くベッドに入ってしまいます。しかし脳は、すでにベッドを「考え事をする場所」と認識しているので、さらに寝付けなくなり、悪循環に陥るのです。

それを避けるために、眠くないときにはベッドに入らない。眠くなってからベッドに入ることを徹底します。

「寝付けない」という状態は、人間の行動が脳に記憶されることで「つくり出される」ものです。刺激統制法と睡眠制限法により、行動を変えて脳の記憶を書き換えるのです。

▼解決策:ベッドは眠る場所と脳に認識させる

【お悩みタイプ2】途中で起きる

夜中に目覚めたあと眠れなくなる原因は、時計を見てしまうことにあります。夜中に目が覚めたとき、時計を見て時刻を確認すると、同じ時刻に目が覚めやすくなってしまうのです。ですので、目が覚めても時計を見ないようにします。

このメカニズムは、まだすべてが明らかになっていないのですが、コルチゾールという物質が関係していることがわかっています。

コルチゾールは、起床時刻の3時間前から分泌され始め、1時間前に急激に増えて、起きる準備が整うように起床準備をするホルモンです。夜中に目覚めて時計を確認すると、翌日からは、その時刻に向けて分泌され、起きる準備を始めるようになってしまいます。

寝室に時計を置くのはかまいませんが、ベッドから見えない場所に置いたり、目覚まし時計を伏せておくなどの工夫をするとよいでしょう。夜中に起きたときも、時計は見ないようにします。

併せて「自己覚醒法」も行います。寝る前に「明日は朝○時に起きる」と、起床時刻を3回唱えるというものです。これを行うだけで、コルチゾールが起床時刻に向けて分泌されて起きる準備ができます。

もし夜中に目が覚めたりしても、「○時に起きる」と寝る前に決めた起床時刻を3回唱えましょう。すると、脳のプログラムは書き換えられるので、続けていけば夜中に目が覚めることは減っていくはずです。

▼解決策:時計は見ずに起床時刻を3回唱える

【お悩みタイプ3】早く目覚める

高齢になると、一日の長さを決める役割を持つホルモンのメラトニンが減少します。これが減ると、睡眠時間はどんどん早いほうにずれて、早寝早起きになります。

ところが多くの人が「睡眠時間は長いほうがよい」と思い込み、「もっと寝なければ」と、就寝時刻を一層早くしてしまいます。その結果、さらに起床時刻が早くなってしまいます。

対策は「遅寝遅起き」をすることです。

そのときのコツは「30分単位で遅らせる」こと。1度に1時間以上就寝時刻をずらしたりすると、睡眠が途切れたり、睡眠の構造が変化して寝付けなくなったり、夜中に目が覚めてしまったりしやすいのです。

いつも夜9時に寝る人でも、30分だけ頑張って9時半に寝ることはできるはずです。睡眠のリズムはだいたい2週間で固定するので、2週間ごとに30分ずつ就寝時刻を遅らせて遅寝遅起きにしていきます。

「8時間は眠るべき」など、理想の睡眠時間があると信じている人はたくさんいて、5時間睡眠で自分の体調が良くても、何とかして8時間寝なくてはならないと考えてしまいます。しかし、そもそも早寝早起きで体調に問題がない人は、無理に睡眠時間をずらして遅い時刻に起きようとする必要はありません。

睡眠は「目的」ではありません。休息を取り、自分のコンディションを良くするための手段です。早寝早起きでも、遅寝遅起きでも、自分のコンディションが良ければそれでいいのです。

一方で、不調を感じていて、それを解決するためであれば、自分の都合で早寝早起き、遅寝遅起きの、どちらにずらしてもかまいません。

▼解決策:30分単位で遅寝遅起きにシフト

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