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自動運転車時代への対応、日本は政治・立法に遅れで10位

世界の交通事故による死者は何と年間135万人(2016年WHO報告書)。

高齢化が進む中での、高齢運転者による重大事故の頻発。

事故の殆どはヒューマンエラーでしょう。それをなくす(はずの)完全自動運転車の時代が待たれる昨今ですが、その準備が一番進んでいるのは、オランダだそうです。

英文ニュースでよく目にするせいか、米国がこの分野で突出してるかと思い込んでいましたが、意外なことに4位止まり。

日本は10位。そんなに遅れているわけでもなさそうです。

これは、世界153の国と地域に亘る監査、税務、アドバイザリーサービスを提供するプロフェッショナルファームのネットワーク、KPMGインターナショナルが、世界25カ国を選んで、多面的に評価した結果です。

そのAutonomous Vehicles Readiness Index(自動運転車準備指標)によると、評価基準は多岐に亘って、かつ詳細を極めていて興味深いです。(調査書PDFはここ

つまり、高度な自動運転を可能にするクルマを開発することだけが自動運転時代に対応することじゃないといことです。

その準備度を、4つの分野別に評価しました。

まず、政府がどの程度前向きかを見る①Policy Legislation(政策と立法)、技術がどのレベルに達しているかの②Technology&Innovation(技術と革新)、自動運転車に欠かせないモバイルネットワークなどの③Infrastracture(社会基盤)、そして一般人の意識に関する④Consumer Acceptance。

そして各分野ごとに5乃至7の項目を設けて、最高レベルの国に満点の「1」を付け、その他の国はそのレベルに応じてo.999以下の点を付けています。詳細を極めているというのはそういうことだからです。

で、なぜオランダがトップになったか。その分野別順位はこれです。

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技術面では突出してるわけではありません。しかし、政策・立法ではかなり進んでいて、インフラでは満点、消費者意識も高い。これを総合すると「25.05」点を獲得してトップに立ったのです。ついでに10位日本までの得点表はこれです。

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11以下は20点未満です。その意味で、日本はなかなか健闘しています。その分野別順位はこれ。

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政府の対応や立法面で大きく後れを取り、そのせいか消費者の盛り上がりもない。けれど、技術やイノベーション面ではかなり上位で、モバイルインターネットの質は高く、道路の質も高いという評価でインフラでは3位に付けました。

この調査で初めて知ったのですが、日本は自動運転車に関する特許が多いんですね。満点の「1」点獲得です

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さて、いろんな会社が自動運転車の性能向上に取り組んでいる米国が4位止まりだったのはなぜか。分野別順位はこれ。

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あちこちで路上試験走行が行われていて、規制緩和が進んでいるように思っていましたが、コメントでは、「米国は世界の先端自動運転車企業の本家本元で多くのテストもしている。しかし、国としての強力な取り組みを欠いているため、個々の州は自動運転車企業を惹きつけるのに大変な苦労をしている」とあります。

だから、技術的にはトップクラスですが、全米的な取り組みが弱いので、州ごとにバラバラの規制緩和や実験条件になっていることがマイナスなんですね。(それでも、日本よりずっと上ですが)

インフラでも、国土が広いこともあって、電気自動車の充電ステーションの配置密度が低いことや道路の質が劣るなどで8位になったことも総合順位を下げることになったのです。

KPMGの調査は去年から始まったとありますが、実に目配りの利いた内容です。自動運転車の時代は、何か性能的なブレイクスルーを成し遂げたクルマの登場で一気に実現するものではない事を実感させられました。

特に超高齢化社会の進む日本。自動運転車への期待は高まっていますが、まずは政治立法面で進歩するのが、大事だという事ですね。

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