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トランプ大統領がもたらした中東の不安定

 アメリカ大統領選挙まで、あと1年。ウクライナ疑惑などで、トランプ訴追調査の動きが強まっている。トランプ政権の2年10ヶ月の動きを見ると、世界の平和と繁栄に反する結果をもたらしていると言わざるをえない。

 パリ協定やTPPやイランとの核合意からの離脱など、全て前政権の業績を否定せんがためである。しかし、そのなりふり構わぬアメリカ第一主義が、米中貿易摩擦や中東の不安定など、世界に大きな問題をもたらしている。

 イランについては、2018年5月8日のトランプ大統領によるイラン核合意からの離脱が両国の対立の引き金となった。

 アメリカによる厳しい経済制裁で悲鳴を上げたイランは欧州に支援を要請するが、期待したような措置は十分にとられず、1年が経過した段階で、核開発の段階的再開という対抗手段に出た。今、すでに第4段階へ突入する危険な状態である。

 IAEA(国際原子力機関)が厳格な査察を定期的に行った結果、イランは合意を遵守していることは証明されていた。それにもかかわらず、トランプは核合意からの離脱に踏み切った。

それは、最近解任されたタカ派のボルトン補佐官の影響もある。ボルトンは、「核開発の完全な放棄ではなく、一時的中断なので、イランがいつ再開するかわからない」と主張し、核開発能力の100%除去を要求したのである。

 解任されてホワイトハウスから放逐されたボルトン補佐官は、最近のイランの動きをどんな思いで見ているのだろうか。核合意からの離脱、イラン封じ込めなど強硬策は、彼の政策であったが、今やトランプはボルトンの政策が間違っていたと言っている。遅きに失したという他はない。

 英米仏独中露とイランとの間で10年にわたる協議の結果、2015年7月にまとまった核合意は双方の主張を妥協させた外交的成果であった。国際社会は、イランに核の冒険を中止させることに成功したのであり、イランは、核開発能力は残したまま、それを自制することで経済制裁解除という見返りを得た。

 ところが、トランプ政権は、核合意からの離脱を一方的に決めてしまったのである。しかも、それは、パリ協定やTPPからの離脱と同様に、単にオバマ政権の政策だったからというだけの理由である。

 武力による解決を厭わないタカ派でアメリカ第一主義のボルトンは多くの負の遺産を米外交に残した。トランプは、中東政策をプラスの方向に転換できるのであろうか。

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