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「あと10歳若ければ」と言い訳し続ける人の末路

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転職や独立など、何か新しい道に進みたいと思ったとき、「あと10歳若かったら」と自分の年齢を気にする人がいる。しかし心理カウンセラーの中越裕史氏は、「若いほうが有利なことはいくらでもあるが、結局取りうる選択肢とは『今からでも、やるしかない』だけだ」と指摘する——。

※本稿は、中越 裕史『やりたいこと探し専門心理カウンセラーの 日本一やさしい天職の見つけ方』(PHP研究所)の一部を再編集したものです。


「もうこんな歳だから」「もっと若いときからやっていれば」はよく聞く文句だが――。(写真はイメージです) - 写真=iStock.com/RichLegg

「闘争」か「逃走」か、人生の選択

人生というのは選択の連続です。たとえば転職、起業、結婚など、目の前に人生の大きな選択肢があるとき、誰だって大きなストレスを感じます。

強いストレスを感じたとき、人間は本能的に、「闘争」か「逃走」の反応をしてしまいます。

つまり、「チャレンジをするか」「あきらめて逃げ出してしまうか」。

でも、人間というのは僕自身を含めて誰だって怠惰な生き物で、ほんのちょっと都合のいい言い訳が与えられると、ついチャレンジよりも「逃走」を選んでしまいます。この、人類のほとんどが持っている都合のいい言い訳が、「もう少し若ければ、チャレンジしたんだけどな~」というもの。

新しいことに向かって「闘争」するか「逃走」するか。誰だって心の中に迷いがあって当然。悩んでいるときは49対51かくらいの絶妙なバランスで、心に葛藤があります。そういうバランスで葛藤があるから、簡単に答えが出せないんですよね。

そこにほんの一押し、「もういい歳なんだから、無理なチャレンジして失敗したらみっともないよ……」なんて声が聞こえてきたら、「闘争」と「逃走」のバランスは一気に「逃走」に傾いてしまいます。

僕自身、偉そうに人のことがいえず、「もう40歳なんだから、多少お腹が出たって仕方がないよな~」と、腹筋との戦いから「逃走」してしまっています。腹筋からですら「逃走」してしまうのですから、転職や起業となると、年齢を言い訳に「逃走」しても仕方がないのかもしれません。

女子高生にすら「若ければ症候群」の人が

僕が偶然、電車の中で聞いた女子高生の言葉です。

「好きなことで食べていけたら、一番いいやん。私やったら、ダンスで食べていけたらいいけどさ~。そんなん、もっと若いときからやってないと無理やんな~」

当時、40歳手前の僕は、「なんと! その年齢でそんなこというのか。今からいくらでもやり直せるのに。ていうか、その言葉。普段うちに来る30代、40代の相談者さんと、全く同じ言葉や……」と心の中でつぶやきました。

100歳まで生きると言われる時代、女子高生が年齢を言い訳にするのであれば、80%近くの人が年齢を言い訳にするといっても、決して過言ではないでしょう。これはもう、「若ければ症候群」といってもいいかもしれません。

ダンスも種類によっては、幼いときから英才教育を受けていないと、難しいものがあるのかもしれません。それでも僕と同年代の人は、「その年齢でそんなことをいうのか」と思ってしまうはずです。

僕のカウンセリングルームに来る相談者さんは、20代後半から40代後半の人が多いです。50代の方はちらほら。60代の方はごく稀(まれ)にという感じ。

そして、どの年齢の方も共通しておっしゃる言葉。それが、「もうこんな歳だから……。もっと若いときからやっていれば……」。これは僕が天職探し心理学をはじめて15年。本当に変わらずに、どの相談者さんもおっしゃいます。

そして、ちょっと意外な事実。50代、60代になると、「もうこの歳になると、年齢なんて気にしても仕方がないですよ!」と、達観して来る方が少しずつ出てこられます。もちろん50代、60代でも、「若ければ症候群」の方が圧倒的に多いですが、歳をとることで「若ければ症候群」を克服する人が出てくるというのは、なんとも興味深い現象です。

40代は、人によって考え方が大きく変わる

逆に、一番、年齢を気にしているのが、20代後半から30代半ば。胸を張って若者とはいえず、中年というにはまだ早い。10代のように、何も考えずにいられる余裕はない。でも、50代、60代のように達観するにはほど遠い。だからこそ、悩んでしまう。

また、恋愛、結婚、子育ても、十分に可能性があるだけに、仕事で新しいチャレンジをするべきかどうか、悩んでしまう。それを考えると、この世代が一番年齢を気にするのも、当然です。

ちなみに40代は、人によって大きく変わります。もちろん、年齢を気にする人もたくさんおられます。でも、「今まで、人生を無駄に過ごしてしまった……!」と、残されている時間は限られていると気づき、動きだす人もいます。

40歳になると、加齢による体の変化があります。すると、嫌でも自分の残り時間に、気づいてしまいます。心理学者ユングのいうところの、人生の正午です。

ずいぶんと白髪も増えてきた。体力も落ちてきた。同級生が体調を崩して入院したり、自分自身も大きな病気を経験したり。そういうことを経験する年齢です。そうなると、「あれ? 噂(うわさ)には聞いていたけれど、人生ってこんなに短いの? やりたいことを、やっておかなければ……!」。そう思う人が出てくるのも当然でしょう。まさに、「年齢が……」なんて言い訳している時間すらないと気づきはじめます。

そこに気づく人が出てくるのが40歳。さすがに30歳では、そこまで気づけないかもしれません。僕自身、30歳になったときは、そこまで考えていませんでした。

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