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後期高齢者医療制度と介護保険はどう変容していくのか

昨日、財務金融委員会の後、夕刻からの国会図書館政策セミナー「医療・介護分野の給付と負担」に出席した。この国会図書館のセミナーはテーマの選択が時宜を得ていて、なおかつ中身も充実しておりとても勉強になり楽しい。議員の本人出席が少ないのが不思議なくらいだ。

さて、今回のテーマは、先日静岡県立大学の鬼頭学長にお会いした際に将来の人口構成の厳しい変動について丁寧にレクチャーして頂いて以来、頭から離れることのない課題。

2050年に向けて65歳以上の人口は今の約3割から4割に増え、15〜64歳の人口は今の6割が5割に減る。つまり合計2割も社会保障にとって厳しい方向に人口が動くのだ。

今回のセミナーではこういった人口構成の変化を背景として、後期高齢者医療制度の勤労者並みの負担増(所得に応じてではあるが現役世代並みの3割自己負担など)や薬剤の保険適用外を進めること、そして介護保険分野での給付絞り込みも諮るなどかなり厳しい社会保障改革が現在進行形で企図されつつあることを教えていただいた。

当然の事ながらこれらの内容は高齢者に厳しい。平成28年度の厚労省調べによれば、15〜44歳世代ならば年間医療費は12万円、自己負担は4万円に満たない。しかし75歳以上の医療費は約91万円、同じ3割自己負担であっても約27万円にも上る。その差は大きい。

話を聞いていて、深刻な気持ちにならざるを得なかった。

こういう話を聞くと、一部野党やその支持層はすぐに高齢者切り捨てとかといって騒ぎ始めるかもしれない。しかし、私が深刻だと思ったのは別のこと。これだけの厳しい内容でも人口構成の大変動が収まる2050年までを見据えた骨太の改革ではなく、単なる弥縫策に過ぎないものであろうという事実だ。

このようないわば受益者にとって後ろ向きの改革が続いていけば、若い世代が社会保障を必要とする年代になった時、後期高齢者医療制度も介護保険も有名無実なものとなっていかねない。若い世代にとってみれば、年長世代を支えるだけ支えて自分にはリターンなどない、そんな「ふざけるな」と叫びたくなるような未来が現実に迫りつつある。

これだけの重い未来が既に現実化しつつある中で、そんなことはどこ吹く風と言わんばかりに山本太郎氏らのれいわ 新撰組は消費税減税で協調出来なければ次期衆院選で独自候補を立てると宣言し、野党内部においてポピュリズムの攻勢は強まっている。

与党は与党でその場凌ぎの政策に終始しているが、一方の野党の側も今さえ良ければそれでいい、というのであれば若者世代のお先は真っ暗なままだ。

今まで提言してきた財政収支や国防・外交と共に、この日本の近未来に立ちはだかる最大の課題についてこそ与野党がそれぞれのビジョンを根拠を持って提示し、世代間不公平の解消に向けて真剣な論争を行うべきだ。 私見では、支出において聖域なき医療制度改革を図ると共に、歳入においては法人税と消費税上げで安定的財源を確保すべきだと考えている。その匙加減は、かなり正確に予測可能な将来人口構成に対して現在の統計的データを折り込んでそこから逆算した行くという手法が合理的だろう。

本来ならこういった骨太なテーマを正面から掲げて国民に提示して、与党と対峙していく政党があってもいい時代だ。今はまだここで呼びかけることしか出来ない自分が歯痒いばかりだ。

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