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- 2019年11月07日 09:23
「居酒屋で政治の話をしたいとすら思っていない」若者の投票率はなぜ上がらないのか【原田謙介×たかまつなな対談】
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投票率50%を割った今年の参議院選挙。選挙に行く方がマイノリティという状態で、10代の投票率も大きく落ち込んだ。この状況を全国の学校で出張授業「笑える!政治教育ショー」を開いているお笑いジャーナリストのたかまつなな氏と、「若者と政治をつなぐ」をコンセプトに活動を続け、岡山選挙区から参院選に出馬した原田謙介氏はどう見たのか。旧知の2人にじっくりと語り合ってもらった。
【撮影:弘田充 聞き手:田野幸伸 構成:蓬莱藤乃】

たかまつ:原田さんに今回是非とも聞きたかったんですが、なぜ7月の参議院選挙に出たんですか? 本当にびっくりしました。
原田:たかまつさんも俺と一緒で、投票率を上げるのがゴールじゃないでしょ?
たかまつ:投票率を上げる目的は「社会を良くしたい」ということです。
原田:俺で言えば次の世代に負担を回さないようにしたいけど、どうも政治がその方を向いていない。18歳選挙権が出来て、投票率を上げようという動きは出てきたけれども、果たしてそれで本当に政治が変わったのか? という思いが強くて。
たかまつ:今まで自分がやってきたことが本当によかったのか、ということですか?
原田:政治の出前授業に行くと、生徒さんたちはちゃんと考えて政治や選挙に向き合ってくれる。でもその先に投票に行きたいと思う政治があるのかどうか。
若い人が政治に関心を持つ、よし、政治は大事だと分かった! いざ選挙に参加した! いざ政治見た! そして「こりゃダメだ」ってなる。あの感覚がもうイヤ。自分の中で政治に対して言いたいことが募ってきている中、出前授業をしていて「俺、中立だよ」っていう立場でいることに耐えられなくなった、というのも大きいですね。
たかまつ:ぶっちゃけ若者と政治をつなぐ活動に限界を感じたのでしょうか。ご結婚もされたし、将来のことを考えて?
原田:それなら立候補なんてしないよね(苦笑)。NPOの活動に限界は感じてなかったよ。選挙のネット解禁、18歳選挙権と、少なくとも民主主義の根本みたいなところを、たかまつさんも一緒に枠を広げてこられたかなという思いはある。と同時にこの活動を10年やったので、一定の自分の役割は果たせたんじゃないかというところもあって。
10年前にivote(アイヴォート)という団体を立ち上げた時は20代の投票率向上を目指して孤軍奮闘していたけど、この10年の間に新しい人材がどんどん出てきた。それはすごく嬉しかったので、そういう人たち、たかまつさんらも含めて、俺よりも下の世代に託したいと思ったんです。
たかまつ:本当にショックだったんですよ、原田さんの立候補は。こういう活動をしていると、政治に対して俯瞰で見られたはずです、プレーヤーじゃないから。一議員に出来る範囲が小さいことも知っていながら立憲民主党から出るか? ということも疑問でした。結局、自民党じゃないと政策に反映させることもなかなか厳しいですし、今は本気で政権を担える野党を作っていかなきゃいけない時です。私は原田さんには若者のことを考えた若者政党を作って欲しかった。
原田:まさに、政権交代可能な野党じゃないと一緒にやる意味はないと思います。今回ボトムアップしてきた立憲民主党の方向性に可能性を感じていたのがひとつ。
あと、自民党に入っていなきゃ何もできないことは分かっているけれども、自分の政治信条を変えてまで与党に入ることに価値を感じていなかったので、まずは政治の中に入って、社会に対して何らかの価値を届けたかった。
たかまつ:新しい政党を立ち上げるっていう考えはなかったんですか?
原田:そんな話も周りで話題になることはあったけど、現時点では現実的ではなかったかな。俺が立候補を決めたのは去年の10月ぐらいだったので、結成してまだ1年ちょっとのベンチャー政党の立憲民主党をどう盛り上げていこうかと思った。これからについては、まだいろんな方向性を模索しているところ。ただし、政治家になるというところは外すつもりはない。
たかまつ:そんなに固い意志で出馬されてたとは。出てみてどうでした? 選挙のことに詳しいと言っても、自分が当事者となったあとでは、見える景色も違いましたか?

原田:岡山選挙区で出て負けはしたけど、それでも25万人近くの人が「原田謙介」と書いてくれた。
たかまつ:それはすごいですよね。
原田:ね。会ったこともない方が。そういう人たちが何かの思いを俺に託してくれた。今年1月に立憲民主党支持者の方の前で挨拶して「原田って誰?」ってところから始まって、すぐにみんな応援してくれるというのも不思議な感覚。投票率は下がっているとはいえ、政治は多くの人がエネルギーを注ぐ場所なんだって感じたね。
たかまつ:実際に出てみて、公職選挙法とか制度とか、ここが問題だなと思ったところは?
原田:一番悔しかったのは、ほかの候補との討論の機会がなかったこと。
たかまつ:それは向こうの人が断ったんですか?
原田:そう。公開討論会の出演依頼を断った。
たかまつ:何なんですかあれ、ダメですよ! JC(日本青年会議所)とかが討論会を企画するのに、出ませんみたいな。
原田:ダメだと思うよ、本当に。出ない候補が勝っちゃうという状況を作ってる俺がもっとダメなんだなってところは反省点でもあるんだけど。
たかまつ:それって私みたいな人がもっと言うべきなんですかね、アイツ逃げたって。
原田:メディアが言うべきだと思う。ちょっと話が飛んじゃうけど、若い人が投票に行かないとか言うけど、投票に行くための材料がこんなに与えられていない国がありますか? アメリカの大統領選挙だって1年近く討論しているでしょ、それはそれで長すぎるとは思うけど、ほかの国だって政党の党首討論がもっと活発だったり、候補者同士の議論とか、あるいは候補者と有権者がもっとフラットに議論する場が当たり前にあるんだけど、日本は有権者に判断材料を提供することを政治が避けているってところが悔しかったね。

たかまつ:結局、政治に触れると危険、だから触れないっていうのが、メディアもそうだし、国民の意識としてもそうだし、Twitterでもそうだし、学生としてもそうだしっていう、その空気を本当に変えていかなきゃダメだなって。
原田:そこは気持ちに若干の差があると思っていて、メディアの人は触ると危険と思うだろうけど、投票に行ってない人は触ると危険とは感じていないんじゃないかな。
たかまつ:居酒屋でそういう話をすることすら危険って思ってそう。宗教と政治の話はするなって言うじゃないですか。
原田:確かに岡山に戻って面白かったのは、俺を応援してくれていた同世代の人とカフェとかで話すと、やっぱり声が小さくなっていくの。それは俺が政治の話をしようと思っているから、危険だと思っているわけね。普通の人が居酒屋で政治の話をしたいかと思っているかというと、多分思ってすらいないと思う。
たかまつ:あーなるほどなるほど。
原田:無関心なのか諦めなのか。中立を強く意識するメディアと市民の政治への距離感は違うのかなと。
たかまつ:今、投票率が低いわけじゃないですか。投票率が高かったら、自分に勝ち目があったと思いますか?
原田:う~ん、相手の候補は2人で、ひとりはN国なんだけど、もうひとりは自民党の方でした。いわゆる自民党、あるいは公明党が持っている組織票と呼ばれる票の数はおおよそ決まっている。
あとはそれを超えた時に原田謙介なのか、越智(寛之)さんという方なのか、石井(正弘)さんという方なのかの勝負の時に、何とか浮動票をこっちに取り込めるのかなという思いがあった。
たかまつ:投票率が上がれば社会は良くなる?
原田:やっぱり情報次第かな。2009年の政権交代とか、その前の2005年の郵政解散の時は「風」が吹いてメディアもたくさん報道したし、郵政解散是か非か、政権交代是か非かみたいな報道で盛り上がって、投票率が上がったりしたけど。
でも本当は1分でも2分でもいいから、どれだけ有権者が考えて、あるいは情報を調べて投票に行くかというところがすごく大事なところだと思う。そこにつなげる投票率の上げ方じゃないといけない。
たかまつ:なるほど。そこが結構違いますね。私はもう何が何でも投票に行った方がいいと思っているんです。それはやっぱり、選挙を何も知らないで終わるよりも、投票して、自分が入れた人が受かったんだ、落ちたんだとか知るとか、逆にあの時自分が入れたのって失敗だったなって、全く関わってないよりも、誰かが決めたことよりも自分が決めたことならより責任感が持てるんじゃないかなと。
「投票の質」とかって言う人もいるけど、私は本当に行った方がいいと思う。投票に行く人が増えれば増えるほど、組合の票とか、利権みたいなものとかって、だんだん薄まっていくじゃないですか。それが大切なことじゃないかなと思うんです。
原田:投票に行く人が一人でも増えた方が絶対いいと思っているけど、それに対して政治家が、投票される側ができることとして、いかに受け取りやすいメッセージを出すかという戦略があるんです。
若干踏み込んだ発言になるけど、大事なのはやっぱり動画。今回から参議院の政見放送で、編集して作った動画を持ち込んで流せるようになったんだけど、そこがイメージ戦略の大きいところになった。本質的なメッセージを込めると同時に、何となく良さそうな動画で関心を持ってもらって投票に行ってもらうという戦略にもなる。やっといて何だけど、イメージ戦略だけでいいのかっていう悩みはある。
たかまつ:うーん、なるほど。
原田:30秒のカッコイイ動画作って、有権者は「見た見た。すげー」と。その次のステップをやっぱり用意しておかないと、本当にイメージ戦略だけの選挙になり切っちゃうと怖い。
たかまつ:それは合わせていくしかないと思うんですよね。30秒の中にいかに考えさせる動画を作るかとか。
原田:なんだろうな、全部の候補者がそういう意識があればいいんだけど、単純に関心を持ってもらうというか、見て「あ、良かった」っていう動画、いわゆるCMになっちゃう。いいCM作るっていうのと、投票に行く際に考えるための材料を提示するって、違うじゃない。この区別をどうすればいいのかなっていうのは難しいところ。
たかまつ:難しいかもしれませんね。
原田:だからこそ教育があるんだなと思うけど。
たかまつ:そういう人はダサいって思う気持ちが大事じゃないですか。N国とか見た時にうわっと思って、票を入れないみたいな。当たり前の感覚というか、別にどの党を支持するのも自由ですけど、本当に実現できるのかなとか、考えてみてもいいですよね。

原田:たかまつさんも俺と一緒で、投票率を上げるのがゴールじゃないでしょ?
たかまつ:投票率を上げる目的は「社会を良くしたい」ということです。
原田:俺で言えば次の世代に負担を回さないようにしたいけど、どうも政治がその方を向いていない。18歳選挙権が出来て、投票率を上げようという動きは出てきたけれども、果たしてそれで本当に政治が変わったのか? という思いが強くて。
たかまつ:今まで自分がやってきたことが本当によかったのか、ということですか?
原田:政治の出前授業に行くと、生徒さんたちはちゃんと考えて政治や選挙に向き合ってくれる。でもその先に投票に行きたいと思う政治があるのかどうか。
若い人が政治に関心を持つ、よし、政治は大事だと分かった! いざ選挙に参加した! いざ政治見た! そして「こりゃダメだ」ってなる。あの感覚がもうイヤ。自分の中で政治に対して言いたいことが募ってきている中、出前授業をしていて「俺、中立だよ」っていう立場でいることに耐えられなくなった、というのも大きいですね。
たかまつ:ぶっちゃけ若者と政治をつなぐ活動に限界を感じたのでしょうか。ご結婚もされたし、将来のことを考えて?
原田:それなら立候補なんてしないよね(苦笑)。NPOの活動に限界は感じてなかったよ。選挙のネット解禁、18歳選挙権と、少なくとも民主主義の根本みたいなところを、たかまつさんも一緒に枠を広げてこられたかなという思いはある。と同時にこの活動を10年やったので、一定の自分の役割は果たせたんじゃないかというところもあって。
10年前にivote(アイヴォート)という団体を立ち上げた時は20代の投票率向上を目指して孤軍奮闘していたけど、この10年の間に新しい人材がどんどん出てきた。それはすごく嬉しかったので、そういう人たち、たかまつさんらも含めて、俺よりも下の世代に託したいと思ったんです。
たかまつ:本当にショックだったんですよ、原田さんの立候補は。こういう活動をしていると、政治に対して俯瞰で見られたはずです、プレーヤーじゃないから。一議員に出来る範囲が小さいことも知っていながら立憲民主党から出るか? ということも疑問でした。結局、自民党じゃないと政策に反映させることもなかなか厳しいですし、今は本気で政権を担える野党を作っていかなきゃいけない時です。私は原田さんには若者のことを考えた若者政党を作って欲しかった。
原田:まさに、政権交代可能な野党じゃないと一緒にやる意味はないと思います。今回ボトムアップしてきた立憲民主党の方向性に可能性を感じていたのがひとつ。
あと、自民党に入っていなきゃ何もできないことは分かっているけれども、自分の政治信条を変えてまで与党に入ることに価値を感じていなかったので、まずは政治の中に入って、社会に対して何らかの価値を届けたかった。
たかまつ:新しい政党を立ち上げるっていう考えはなかったんですか?
原田:そんな話も周りで話題になることはあったけど、現時点では現実的ではなかったかな。俺が立候補を決めたのは去年の10月ぐらいだったので、結成してまだ1年ちょっとのベンチャー政党の立憲民主党をどう盛り上げていこうかと思った。これからについては、まだいろんな方向性を模索しているところ。ただし、政治家になるというところは外すつもりはない。
たかまつ:そんなに固い意志で出馬されてたとは。出てみてどうでした? 選挙のことに詳しいと言っても、自分が当事者となったあとでは、見える景色も違いましたか?
実際に出馬して見えたもの

たかまつ:それはすごいですよね。
原田:ね。会ったこともない方が。そういう人たちが何かの思いを俺に託してくれた。今年1月に立憲民主党支持者の方の前で挨拶して「原田って誰?」ってところから始まって、すぐにみんな応援してくれるというのも不思議な感覚。投票率は下がっているとはいえ、政治は多くの人がエネルギーを注ぐ場所なんだって感じたね。
たかまつ:実際に出てみて、公職選挙法とか制度とか、ここが問題だなと思ったところは?
原田:一番悔しかったのは、ほかの候補との討論の機会がなかったこと。
たかまつ:それは向こうの人が断ったんですか?
原田:そう。公開討論会の出演依頼を断った。
たかまつ:何なんですかあれ、ダメですよ! JC(日本青年会議所)とかが討論会を企画するのに、出ませんみたいな。
原田:ダメだと思うよ、本当に。出ない候補が勝っちゃうという状況を作ってる俺がもっとダメなんだなってところは反省点でもあるんだけど。
たかまつ:それって私みたいな人がもっと言うべきなんですかね、アイツ逃げたって。
原田:メディアが言うべきだと思う。ちょっと話が飛んじゃうけど、若い人が投票に行かないとか言うけど、投票に行くための材料がこんなに与えられていない国がありますか? アメリカの大統領選挙だって1年近く討論しているでしょ、それはそれで長すぎるとは思うけど、ほかの国だって政党の党首討論がもっと活発だったり、候補者同士の議論とか、あるいは候補者と有権者がもっとフラットに議論する場が当たり前にあるんだけど、日本は有権者に判断材料を提供することを政治が避けているってところが悔しかったね。
居酒屋で政治の話をしたいとすら思っていない

原田:そこは気持ちに若干の差があると思っていて、メディアの人は触ると危険と思うだろうけど、投票に行ってない人は触ると危険とは感じていないんじゃないかな。
たかまつ:居酒屋でそういう話をすることすら危険って思ってそう。宗教と政治の話はするなって言うじゃないですか。
原田:確かに岡山に戻って面白かったのは、俺を応援してくれていた同世代の人とカフェとかで話すと、やっぱり声が小さくなっていくの。それは俺が政治の話をしようと思っているから、危険だと思っているわけね。普通の人が居酒屋で政治の話をしたいかと思っているかというと、多分思ってすらいないと思う。
たかまつ:あーなるほどなるほど。
原田:無関心なのか諦めなのか。中立を強く意識するメディアと市民の政治への距離感は違うのかなと。
たかまつ:今、投票率が低いわけじゃないですか。投票率が高かったら、自分に勝ち目があったと思いますか?
原田:う~ん、相手の候補は2人で、ひとりはN国なんだけど、もうひとりは自民党の方でした。いわゆる自民党、あるいは公明党が持っている組織票と呼ばれる票の数はおおよそ決まっている。
あとはそれを超えた時に原田謙介なのか、越智(寛之)さんという方なのか、石井(正弘)さんという方なのかの勝負の時に、何とか浮動票をこっちに取り込めるのかなという思いがあった。
たかまつ:投票率が上がれば社会は良くなる?
原田:やっぱり情報次第かな。2009年の政権交代とか、その前の2005年の郵政解散の時は「風」が吹いてメディアもたくさん報道したし、郵政解散是か非か、政権交代是か非かみたいな報道で盛り上がって、投票率が上がったりしたけど。
でも本当は1分でも2分でもいいから、どれだけ有権者が考えて、あるいは情報を調べて投票に行くかというところがすごく大事なところだと思う。そこにつなげる投票率の上げ方じゃないといけない。
たかまつ:なるほど。そこが結構違いますね。私はもう何が何でも投票に行った方がいいと思っているんです。それはやっぱり、選挙を何も知らないで終わるよりも、投票して、自分が入れた人が受かったんだ、落ちたんだとか知るとか、逆にあの時自分が入れたのって失敗だったなって、全く関わってないよりも、誰かが決めたことよりも自分が決めたことならより責任感が持てるんじゃないかなと。
「投票の質」とかって言う人もいるけど、私は本当に行った方がいいと思う。投票に行く人が増えれば増えるほど、組合の票とか、利権みたいなものとかって、だんだん薄まっていくじゃないですか。それが大切なことじゃないかなと思うんです。
原田:投票に行く人が一人でも増えた方が絶対いいと思っているけど、それに対して政治家が、投票される側ができることとして、いかに受け取りやすいメッセージを出すかという戦略があるんです。
若干踏み込んだ発言になるけど、大事なのはやっぱり動画。今回から参議院の政見放送で、編集して作った動画を持ち込んで流せるようになったんだけど、そこがイメージ戦略の大きいところになった。本質的なメッセージを込めると同時に、何となく良さそうな動画で関心を持ってもらって投票に行ってもらうという戦略にもなる。やっといて何だけど、イメージ戦略だけでいいのかっていう悩みはある。
たかまつ:うーん、なるほど。
原田:30秒のカッコイイ動画作って、有権者は「見た見た。すげー」と。その次のステップをやっぱり用意しておかないと、本当にイメージ戦略だけの選挙になり切っちゃうと怖い。
たかまつ:それは合わせていくしかないと思うんですよね。30秒の中にいかに考えさせる動画を作るかとか。
原田:なんだろうな、全部の候補者がそういう意識があればいいんだけど、単純に関心を持ってもらうというか、見て「あ、良かった」っていう動画、いわゆるCMになっちゃう。いいCM作るっていうのと、投票に行く際に考えるための材料を提示するって、違うじゃない。この区別をどうすればいいのかなっていうのは難しいところ。
たかまつ:難しいかもしれませんね。
原田:だからこそ教育があるんだなと思うけど。
たかまつ:そういう人はダサいって思う気持ちが大事じゃないですか。N国とか見た時にうわっと思って、票を入れないみたいな。当たり前の感覚というか、別にどの党を支持するのも自由ですけど、本当に実現できるのかなとか、考えてみてもいいですよね。