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「ももクロさんと共演したとき……」歌手デビュー50周年・串田アキラが語る“次世代への思い” 串田アキラさんインタビュー #2 - 大山 くまお

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“アニソン界のレジェンド”串田アキラ73歳が明かす「レコーディングでダメ出しだらけだった30代の頃」 から続く

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 アニメや特撮だけでなく、CMソングも多数手がけられている串田アキラさん。「ホントにホントにホントにホントにライオンだ」でお馴染みの『富士サファリパーク』も、串田さんが歌っています。デビュー50周年を迎えても、なおパワーアップし続ける串田さんが、そもそも音楽の世界を志したきっかけは何だったのか。若手歌手や声優仲間への思いとともに、歌手としての“原点”を伺いました。(全2回の2回目/#1より続く)


◆◆◆

――串田さんはデビュー前、米軍基地などで歌われていたそうですね。

串田 はい、10代の頃ですね。沖縄が返還される前で、厚木、座間、横浜などに米軍のベースキャンプがあったんです。根岸の競馬場跡や山下にも米軍の施設があったので、そういう場所をまわって歌っていましたね。

 もともとアメリカの音楽、レイ・チャールズとか、ナット・キング・コールとか、『ショットガン』のジュニア・ウォーカーなどがとにかく好きで聴いていました。日本はその頃、グループサウンズが流行りかけていましたが、僕は何か違うな、という感じでした。中学生の頃はラテンを聴いていましたね。あと、ジョニー・ディアフィールドの『悲しき少年兵』を聴いて感動していました。

 そんな風にアメリカの音楽にどんどんのめりこんでいって。それであるとき、横浜にある外国人専用のクラブへバンドを見に行って、「うわぁ、カッコいいなぁ」と思って、そのときにドラムソロを見たのがきっかけでドラムが好きになりました。ちょうどそのとき通っていた歯医者と同じビルにドラム教室があったので、すぐに手続きしちゃって(笑)。

ドラムじゃ目立たないから歌っちゃおう

――ワイルドなイメージから、ちょっと可愛い話になりましたね(笑)。

串田 当時、アメリカ人の兵隊さん向けのクラブで、バンドが4つくらい入れ替わりで演奏していたんです。そのバンドのバンドボーイをしていました。そういう場所に10代の日本人はあまりいませんでしたね。今思えば、あまり良くないことですね(笑)。

――ドラムから歌いはじめるきっかけは何かあったんですか? 

 歌うようになったのは、それからだいぶ経ってからなんですが、ドラムってセットが後ろなので、あまり目立たないんですね。じゃ、歌っちゃおう、ということで、ヴォーカルもやるようになりました。

――演奏していたのはずっとソウルとリズム・アンド・ブルースでしたか?

串田 そうですね。ただ、お客さんに受けないといけないから、新しい曲やみんなが知っている曲をやらなきゃいけなかったんです。リクエストも多かったですよ。ビートルズも歌いましたけど、あまり演らなかったですね。アニマルズの『朝日のあたる家』は好きで印象に残っています。新しいバンドを作ったり、移ったりして、のべ70名ぐらいとバンドをやっていたような気がします(笑)。

「明日、ステージに出られないか?」

――その中で印象に残っている出来事などはありますか?

串田 デビューして、『キン肉マン』(83年)も歌うようになった後、またリズム・アンド・ブルースのバンドを作って、クラブやディスコなどで演奏していたんです。するとあるとき、六本木の瀬里奈の近くにあった「ZIP」というディスコで演奏していたら、テンプテーションズのメンバーが遊びに来たんですよ。当時はスティングやクール&ザ・ギャングも遊びに来るような有名な店だったんです。

 ステージを終えて降りていったらテンプテーションズのメンバーが近づいてきて、「明日、ステージに出られないか?」と言われたんですよ。「えっ、明日もここの店があるんです」と一応お断りしたんですけど、それを店の社長に言ったら、「店、閉めちゃって、みんなで応援に行こう」って(笑)。

テンプテーションズのライブに出演!

――ええっ。それでテンプテーションズのライブに出演されたのですか?

串田 はい。新宿の厚生年金会館で歌ったんですよ。前座ではなくて、共演だったんです。オープニングはバブルガム・ブラザーズでした。彼らも「夢がかなった」と話していましたね。でも、大変でしたよ。ものすごく緊張しましたし、お客さんにも「なんだこいつ?」って目で見られるわけですから。それでも、歌い出したら、「ウォーッ」と盛り上がった。ただ、イントロがあんなに長く感じたことはありませんでしたね(笑)。

 その後も何回か呼び出されて、一緒にステージに立ちました。近くの別のステージをやっていて「そっちの休憩時間に来てやってくれ」ってのもありました(笑)。

ももクロからは「クッシー! クッシー!」

――テンプテーションズと串田さんが共演されたように、いまや大ベテランになった串田さんが若いアニソンアーティストや声優さんたちとステージで共演することが増えました。

串田 そうですね。ぼくから見れば若い人しかいないので、どんどんいい形で伸びていってほしいという気持ちが強いですね。仕事で会うことがほとんどですが、影山(ヒロノブ)、遠藤(正明)、きただに(ひろし)なんかとはすごくいい感じで付き合っていますね。ほかにもたくさんいますが、みんな、「クッシー、クッシー」と慕ってきてくれるんですよ。それはすごく嬉しいですね。

――若い女性の声優さんたちと、ステージでご一緒されることもありますね。

串田 イヤホンズ(若手女性声優ユニット)とも共演しましたが、僕の曲を一生懸命勉強してくれて、一緒に歌ったりできたので、やっぱりそういうのは嬉しいですね。ももクロさんと共演したときも、「クッシー! クッシー!」と言ってくれて。「ふなっしーじゃねえんだ」と思いましたが(笑)。一緒に『キン肉マン』を歌いましたが、キーが合わないのに必死になって覚えてきてくれて嬉しかったですね。

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