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【読書感想】もっとさいはての中国

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もっとさいはての中国 (小学館新書)
作者: 安田峰俊
出版社/メーカー: 小学館
発売日: 2019/10/03
メディア: 新書
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Kindle版もあります。


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内容(「BOOK」データベースより)
中国本土14億人。世界の華人6000万人。中国人観光客1.5億人。分け入っても分け入っても、中国人はそこにいる。では彼らは、その地に何をもたらしたか。ケニアに敷設された“中華鉄道”からサバンナを見学し、カナダでは秘密結社チャイニーズ・フリーメイソンを直撃!ニューヨークでは国際指名手配実業家へのインタビューに成功する。大反響の『さいはての中国』に続くシリーズ第2弾。ようこそ、「異形の中国」ワールドツアーへ。

 安田峰俊さんの『さいはての中国』第二弾。
 前作『さいはての中国』では、世界中に広がる中国の影響力とともに、経済成長とともに劇的に変わっていく姿が紹介されていました。

fujipon.hatenadiary.com

 この『もっとさいはての中国』を読むと、中国は、さらに「過剰」になってきている一方で、影響力が強くなっているがゆえに、以前ほどは無茶ができなくなった面もあるようです。

 近年は中国の対外援助額の5割近くを対アフリカ援助が占めている。2017年の中国の対アフリカ直接投資額は、世界5位の約430億ドル(約4.82兆円。2017年平均)に達した。さらに、中国政府が把握しているだけでも約3700社の中国企業がアフリカに進出中だ。

 中国の特徴は、援助対象国の主権を「尊重」して内政に干渉しないことである。
 つまり欧米諸国が、援助と引き換えに人権の擁護や民主主義的な政治体制の確立を求めがちなのに対して、中国はうるさいことを言わない傾向が強い。商業面での進出も、中国企業は発展途上国向けのビジネスに慣れており、コンプライアンスもゆるいことが多いため、やはりアフリカ諸国との相性がいい。

 専制的な国や腐敗した国も多いアフリカから見れば、中国は「ありのままの自国」を認めてカネやモノをもたらしてくれる素敵な国なのだ。ゆえにアフリカ諸国の対中好感度は高く、国連などの場でも中国の応援団として振る舞いやすくなっている。アフリカから中国に向かう留学生も増え、いまや中国で学ぶ外国人留学生の約17%がアフリカ人だ。

 中国は西側先進国が重視する基本的人権の尊重も、自由で民主主義的な社会環境もまったく実現しないままに、経済力や国際的な影響力の面で大部分の西側諸国に「勝った」国である。将来的な持続可能性はさておき、そんな中国の姿は一部の国々からはまばゆく映る。同じ「発展途上国業界」のエースを担う先輩が成し遂げた、素晴らしい成功モデルのように受け取られているのだ。

 アフリカの多くの国では、中国は政治体制も含めて、「理想の国」だと思われているのです。

 日本や西欧諸国からは「共産党独裁で、言論の自由がない」と批判されることが多いのですが、多くの発展途上国の権力者にとっては、「あれこれお説教ばかりしてくる先進国」よりも、「黙ってカネを出してくれる中国」のほうが、ありがたい存在なんですよね。

 ただ、この本のなかでは、中国がアメリカと並ぶ世界の「大国」になったことによって、以前ほど、「政治的に問題がある国にも、経済的なメリットがあれば金を出す」というわけにはいかなくなってきたことも指摘されています。

 中国自身も、世界の大国としての振る舞いを意識せざるをえなくなってきているのです。

 それと同時に、自国民からの批判も高まってきています。

 中国の債務漬け外交は、近年になり国際社会から懸念を示されているほかに、実は中国国内でも不人気である。自国内にも貧しい人がいるにもかかわらず、返済を前提にした借款とはいえ遠く離れたアフリカにカネをばらまく政府の行動は評判がよくない。

 そうした事情もあるのか、中国側も近年は過度の融資を控える動きを見せつつある。

 まあ、それはそうだよね、という話なのですが、「豊かになったきた」「格差がさらに広がってきた」がゆえに、中国も自国内に目を向けなくてはならなくなってきているのです。

 ケニアでは、国立公園内に中国の融資で敷いた鉄道を訪れ、カナダで「南京大虐殺の記念日制定」を提唱している政治結社(といっても、内実はけっこうのどかな感じで、拍子抜けしてしまうのですが)に乗り込み、ニューヨークでは国際指名手配中の郭文喜という大富豪ユーチューバーに取材するなど、いまの「中国」を語るには、世界を駆け回らなければならないのです。

 それだけ「中国」という国は「国際化」しているのだけれど、その一方で、映画『マッドマックス』のような、田舎の村どうしの血を流しての諍いが、最近になっても起こっているそうです。

 人口の多さもあって、やっぱり、中国というのは「過剰な国」なんですよね。

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