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93歳の多発性骨髄腫治療 治療終了後無治療で2年寛解維持! 年齢でがん治療を制限してはいけない ただ個人の希望をどこまで保険診療で認めるか

多発性骨髄腫の勉強会、DMPB療法(ダラツムマブ、ボルテゾミブ、メルファラン、プレドニン併用療法)のグローバル(世界規模)臨床試験(ALCYONE試験:未治療多発性骨髄腫に対する初回治療)の解析報告を聞きました。もうすぐ保険認可され、日本でも使えるようになりそうです。

平均年齢は71歳。ORR(部分寛解以上)は90.5%。CR(完全寛解)は42.1%、微小残存病変(MRD:ほとんど治癒?)が22.0%と対象治療の73.2%、24.8%、6.4%から明らかな上乗せ効果を認めています。

そしてそこで出てきた日本人のサブ解析で、80際以上の患者さん6人中4人がMRD陰性(ほぼ治癒)と素晴らしいデータが出され、特出しで93歳の治療例の報告が出されました。貧血を症状として発症した骨髄腫患者さんですが、日常生活は自立、PSは0、認知も問題なしという状態だったということでこの臨床試験に参加したそうです。高齢者が多い疾患ですので、データが悪くなるかもしれないこの年齢を臨床試験に入れたことを評価します。

大きな問題なく治療は行われ、そして4サイクルでsCR(厳密完全寛解)と本当に素晴らしい治療経過を示したそうです。貴重なデータになったと思います。そして臨床試験だから無料、いや協力費が出ますので、医療関係者だけでなく患者さんにとってもWinWinだったでしょう。

ただ落ちがあって、ある時期に本人希望で臨床試験から脱落したそうです。その理由は

最後は自由に生きたい!

いや少し笑いました。月に1回治療のスケジュールを守ることをもうやめたいという希望です。でもその後無治療で2年たっているそうですが、寛解を維持され普通に生活されているとのこと。ある意味本当にいい治療です。

ちなみにこの一例だけではチャンピオンデータでエビデンスとしては高いわけではありませんが、しっかりしたエビデンスの全体のデータの中の一つですので大きな意味があります。(いわゆる免疫治療の一般的な例はこの全体のデータがないんです。)

医師である発表者からは以下のTake-Home Messageが出されました
 80位上の年齢はフレイルとは一致しない
 患者の希望は必ずしも治癒ではない
 骨髄腫という病気を治療するのではなく、骨髄腫の患者を治療;患者主体の包括的な判断が必要

その上でやはり言えることは年齢でがん治療を制限してはいけない!個別の対応が必要。

ただ個人の希望をどこまで保険治療で認めるかはやはり取り決めがあった方がいいかなと示唆に富む症例でした。

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