

「女子アナ」という職業は憧れの的であるとともに、タレントと同じく“人気商売”であるがゆえ、テレビで活躍を続けられる中では厳しい競争に晒される。特に「同期入社組」は何かと活動内容を比べられることが少なくない。フジテレビと「女子アナ戦争」で競った日本テレビの場合はどうか。
日本テレビの同期ライバルといえば、古くは1988年入社組の永井美奈子アナ(54)と関谷亜矢子アナ(55)が挙げられる。朝の情報番組『ジパングあさ6』では一緒に司会を担当したが、当初、人気面でリードしていたのは永井アナのほうだった。
永井アナは1992年、フジの「花の3人娘」に対抗して結成した日テレの女子アナアイドルユニット「DORA」に藪本雅子アナ(51)、米森麻美アナ(故人)とともにメンバー入り。日本テレビ関係者が当時を振り返る。
「可愛らしいルックスで男性ファンのハートをガッチリつかんだ。当時、女子アナとしては珍しかったノースリーブの衣装を着たり、水着で温泉ルポをしたりするなど、まさにアイドル顔負けでしたね。関谷アナと仲がいいという印象はなく、2人が話しているのはほとんど見たことがなかった。今よりもずっと、ライバルとして同期を意識するのが当たり前の時代だったからかもしれません」
永井アナは1996年にフリーになり、2001年にIT企業の社長と結婚、2007年に女児を出産した。現在は、テレビでは時折ゲスト出演で見かけるくらいだが、司会業や東日本大震災の被災地での子供たち向けの朗読活動などを続けているという。
関谷アナは1999年に日テレの社員と結婚し、2000年にフリーに。2003年に女児を出産後は執筆活動が中心だったが、2009年から『ザ・ゴールデンアワー』(TOKYO MX)にレギュラー出演するなど、アナウンサーとして復帰した。
日テレの次の世代でアイドル的人気を誇ったのは、西尾由佳理アナ(42)だ。2001年に入社し、スポーツ番組のアシスタントなどを務めた後、2005年に『ズームイン!!SUPER』のMCに抜擢された。そして『24時間テレビ』の総合司会を2005年から2011年まで担当するなど、“西尾時代”が長く続いた。芸能事務所関係者が語る。
「2011年6月に満を持してフリーになりましたが、その後2人の子供を出産して家庭中心の生活に。今年の4月からCBC・TBS系の健康情報番組『ゲンキの時間』のMCを務めて久しぶりにレギュラー番組を持ちました。本人は“しばらく家庭中心で、少しずつ仕事と両立していきたい”と考えているそうです」
その西尾アナと同期なのが、阿部哲子アナ(40)と杉上佐智枝アナ(41)。阿部アナは2006年にTBSの報道局記者と結婚して寿退社(その後、2017年5月に離婚)。杉上アナは2006年に日テレ社員と結婚して2人の子供を出産。今も局アナを続けている。別の日本テレビ関係者が語る。
「阿部アナは昨年、スキャンダルが報じられてから目立った活動はなく、杉上もバラエティ番組のニュースコーナーを担当する程度。私は彼女たちと同世代ですが、人気を博した女子アナでも、第一線で活躍し続けることは難しいことを実感します」
結婚や離婚など私生活の変化のタイミングで、ライバル関係にあったアナウンサーの人気がひっくり返ることもある。明暗がクッキリと分かれたのが、2003年に同期入社した鈴江奈々アナ(39)と森麻季アナ(38)だ。
鈴江アナは報道、情報番組で着実にキャリアを積み、2008年に広告代理店社員と結婚。2013年に男児を出産した後も育休を経てアナウンサーを続け、『news every.』のMCにまで出世した。「安定感は日テレで一番」と評され、「将来のアナウンス部長」の呼び声も高いという。
森アナは情報、スポーツを担当し、入社当初は局内きっての人気アナだった。ところが2011年に巨人の澤村拓一(31)と結婚して2013年にスピード離婚すると、露出が激減。
「2017年に一般男性と再婚した後はフリーとして活動していて、通販番組やSNSなどの活動が中心です。テレビ露出でいえば最初は森が大きくリードしていたが、鈴江に完全にまくられた形です」(同前)
もちろん、テレビに出続けることだけが幸せの尺度ではない。いま第一線で活躍している女子アナたちが目指すのは、どの先輩アナなのだろうか。