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特注機械は1億5000万円…「首里城」復元工事の苦労を聞いた

焼失した首里城

 沖縄県那覇市にある首里城で大規模な火災が起き、「正殿」など主要な建物が全焼した。政府は、首里城の復元のため、今年度の予算案に必要経費を盛り込んでいく方向で検討に入った。

 11月1日には、玉城デニー知事が「復帰50周年の節目として事業を進めていけるよう、できるだけ前倒しで計画を策定したい」と話し、沖縄の日本復帰から50年となる、2022年までに復元計画を進める考えを明らかにしている。

 首里城の復元に携わった大工の外間義和さんは、首里城の焼失に胸を痛め、「私の誇りでした」とつぶやいた。

「もう30年ぐらい前のことですが、とても楽しい仕事だったことは覚えています。正殿や広福門など、4カ所ほどを担当しました。建物のスケールが大きく、伝統的な技法で建設していたので、民間の仕事とはかなりやり方が違ってくる。大工道具を特注しなければいけないのには苦労しましたよ。首里城は、間違いなく私の人生の中で、一番大きな仕事でした」(外間さん)

 一方、首里城の工事現場を、機械メーカーとして支えた人もいた。石川県にある「日高機械グループ」代表の日高明正さんは、首里城修築工事で用いられた木材加工機を特注で製造した。

「古い寺社や城の修築には、微妙な曲線を削り出せるような、特別な木材加工機が必要です。首里城に関しては、注文を受けてから、1億5000万円ほどの金額をかけて加工機を作り上げました。うちの機械があったから、宮大工さんたちの手間も減って、工期はぐっと短くなったと感謝されたのが懐かしい」(日高さん)

 今は、首里城再建に向けた動きが進んでいるが、日高さんが懸念するのは「材料」だ。「私ももう82歳。生きているうちにもう一度、首里城の姿を見たいですよ。ただ、材料の調達は大変だと思います。あの首里城では、台湾ひのきが多く使われていたんですが、今は台湾でひのきの伐採が禁じられていて、在庫も少なくなっているんです」と話していた。

 焼失前の首里城の復元には、33年間で約240億円もの事業費がかかった。再建までの課題は多い。

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