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【vol.2】 学校不要論!?


名古屋大学准教授の内田良先生を迎えてお送りする、「教育」をテーマにした今回の対談。第1回では、「ブラックすぎる教育現場」についてお話を伺いました。
第2回となる今回は、学校の未来、それに伴う先生の役目の変化について話しました。

https://www.youtube.com/watch?v=T9W5t7cuFqc&list=PLGIs2lskpIl2dUukAOnlamlw_8PKTDUX-&index=2

※今回は YouTubeの対談内容を記事にしました。

YoutTubeやスタディサプリで十分?


※スタディサプリ…リクルートマーケティングパートナーズが運営しているインターネット予備校

―今、YouTubeの受験対策動画やスタディサプリみたいなものが出てきています。どんどん増えていった時に、学校はどうなっちゃうんでしょう?

アプリを使えば、個別対応してくれるわけですよね。先生が30、40人のクラスを回ってアドバイスするよりも、はるかに効率的に学べるんですよ。

教員の働き方改革の中教審の答申では、「先生の本務は授業だから、それ以外はできるだけ減らすために協力してください」というロジックだったんです。しかし「授業そのもの、先生がいなくてもいいんじゃないの」という話が同時に進んでいるんですよね。

教員の働き方改革の議論は2周遅れている


―私も、教員の働き方改革の議論は2周ぐらい遅れているんじゃないかと感じています。授業こそ、AIでできるんじゃないかなと思って。ただその場合、数学はよくても現代史とかの場合、中央集権型の教育で中立性が保てるのか懸念しています。

まるっきりみんなが同じものを使うと危ないですけど、今は懸念しなくてもいいんじゃないでしょうか。各学校が、自主的に教材を選ぶということをすればいいかと。

―教育分野のAIへの投資は、多くないと思います。この状況は、改善されないままじゃないでしょうか?

AI、ICTで難しいと思うのは、子どもの方がよほどタブレットに慣れていて、先生の方がダメということ。これまでの文字の時代だと、言葉を知っている先生が言葉を知らない子どもに伝える、という流れだった。

だから、これから先生が子どもよりも、何かにおいてはできない、ということが出てきます。

先生の仕事内容は大きく変わる


―逆に先生に求められるのはファシリテーターとかかなと思います。

後はいじめ対策だとかね。従来の先生の仕事とは全然違いますが、時代も変わっている。タブレットを使わず、みんなで何かやる時には先生が必要ですが、そうじゃない限り授業はもう……。

―だとすると、もっと国がお金を出すべきなのでは?

タブレットすら配布されていないところも山ほどありますし、配布されても先生がまだ使えない。使いやすいアプリがなくて、パソコン使ってネット検索するのとほぼ同じ機能しか使っていなかったりとか。

僕が前に高校で見たのは、生徒全員にタブレットを配布して行う授業。先生が質問して生徒が選択すると、1番〇人、2番〇人……という分布が出る、みたいな。自分のいる場所が分かるから、個人と全体が一気に繋がる授業ができる、というお話も聞きました。面白いなと思うんですけど、そのアイディアやシステムを誰が使えるのか?という話ですよね。

―教育改革実践家の藤原和博さんですね。学生時代の時に取材に伺い、民間で校長されているときに、まさにそういうのをやっていました。

その頃からやってるんだ?

―賛成か反対か、それについてのコメントが一覧で見られるようなシステムでした。「おおっ」ていう反応でしたが、それならアプリでなくてもGoogleドキュメントで可能です。

僕はそれを、つい最近知ったのよ。最先端でなければいけない大学教員がこれだもんね。

教育分野でのAI投資が遅れすぎている


―だから、きっとそういうことじゃないんですよ。
例えば分数について習う時、式で見るよりも、ピザの切り方のような視覚的な方が分かりやすい子がいたら、それに合わせて表示してくれるとか。それが、AIに投資する、という意味だと思っています。でも、そういう方向には全然いかない。
秘書業務や、医療、工場の作業とかは海外から開発されたAIを使うのもいいと思いますが、教育はその国独自で予算を掛けなければと思うんです。国語や古典、現代社会、日本史などは、Googleが開発したものなど海外のものを輸入できないですからね。

予算を掛けたとしても、今はやはり先生にゆとりがなくて動けない。今は上から降ってくる仕事を処理するのに手いっぱいだから、「タブレット使ってます」「プログラミングやりました」以上。みたいになってしまう。
人的なところにもお金は必要だし、それによって、初めて他のところにかけたお金の意義が出てくるってことです。

―ちょうど過渡期にあるんでしょうね。

まだまだ先生は、授業が本務だと思ってるしね。

―自分が先生で、明日も授業をしなければいけないとなると、難しいですよね。

本当に。「遅くまでやってこそ先生だ」と思っている人もまだ多くて、働き方改革でさえ反発が強いんです。まして授業をやらなくていい、なんて言われたら猛反発きますよ。反発されて終わらないように、もう少し議論、設計は必要だと思います。

学校行かなくても勉強できる?


―私は色んな学校に出張営業に行ったり、通信高校もやっているんですが。

N高とかね。すごいよね。

―こないだ第一学院高等学校というところに行ったら、東京にあるのはスタジオだけ。グリーンバックのスタジオから生配信して生徒がいない。パワポを使って話しながら、5~10分に1回ワークショップを入れるんですよ。「選挙行きましたか? はい・いいえ」「たかまつななのこと知ってますか? 〇・×」みたいに、その場で選択させるんです。

飽きないように、さぼらないように。

―東進ハイスクールの林先生は「やる気がない子は寝ていなさい」という感じでしたが、塾ではないので、そういった子を置いていくわけにはいかない。

通信でも、みんなが顔を上げられる仕組みがあるわけですね。

―現場で直接指導が必要な場合に備えて、各キャンパスにマニュアルを作って、ファシリテーターを置いたり。
これだと先生の数は少なくて済むし、教材費にお金を掛けられるから、資料作りにデザイナーを入れたりもできる。そっちの方がいいのに、教育が一番、時代から遅れているのは悲しすぎる。

大学の授業もいらないと思うもん。物理的に学校に来ること以外のやり方って、いくらでも可能ですよね。

今、大学院のゼミは5人とか10人でやっていますが、ここに来る必要あるのかな? って。ネット上のズームでもできちゃうなと。

―全然、ズームでいいですよ(笑)

※今回は YouTubeの対談内容を記事にしました。

https://www.youtube.com/watch?v=T9W5t7cuFqc&list=PLGIs2lskpIl2dUukAOnlamlw_8PKTDUX-&index=2

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