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羽生善治に勝利した棋士の「対局前日の睡眠法」

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朝の詰め将棋で、その日の調子を確認

僕にとっての落とし穴は、昼寝です。対局前日に自宅で過ごしていて、眠くなってしまう時間にうっかり寝てしまうと、気づくと3時間以上経過していることがあります。そういうときは「勉強なり家事なり、もっと有意義に過ごせたのに!」という罪悪感しか残りません。しかも昼にたっぷり寝てしまった分、夜が不眠気味になってしまう。なので最近は昼寝予防のためカフェで作業するようにしています。人目があるから突っ伏して寝るわけにはいかず、仮にウトウトしても5分ほどならかえってスッキリしますから。

棋士として一番怖いのは自分でも気づかないくらいの眠気、だけど確実に集中力や判断力が鈍っている状態――いわゆる「インペアード・パフォーマンス」です。将棋の手を読めているつもりで読めていない状況は、無自覚なだけに恐ろしい。

そんな状態をチェックするために、朝起きたときに必ず詰め将棋をするようにしています。いつもなら数秒で解ける問題にちょっと時間がかかってしまうときは、コンディションが悪い証拠。うっかりミスが起こらないように気を引き締めて挑むようにしています。

僕は今31歳。これからの課題は、体力向上です。先輩方のお話を聞いても、年齢を重ねると、大局観など向上する能力もある半面、集中力が下がっていくそうです。集中力が落ちて、「もういいや」と指してしまったその一手が、負けにつながります。

集中力だけでなく、記憶力・判断力・持久力は、体力の問題でもあります。長時間、正座するのにも体幹が必要だし、睡眠も体力がなければしっかり眠ることはできません。今後は本格的に運動を取り入れることで、充実した棋士生活を送りたいと思います。

▼中村流 眠りのルール
(1)大事な対局前は、3日前から睡眠スケジュールを調整
(2)地方の泊まりは、グッズ持参で自宅環境を再現
(3)昼寝をしないため、カフェで作業する

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中村 太地(なかむら・たいち)
棋士
1988年、東京都府中市生まれ。2006年、高校在学中にプロ棋士となる。早稲田大学政治経済学部卒業。11年、勝率一位賞。17年には初タイトルとなる王座を獲得。テレビでの将棋解説や将棋イベントなどでも人気を集める。
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(棋士 中村 太地 構成=三浦愛美 撮影=金子山 写真提供=昭和西川)

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