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たけし&さんまが名コンビである理由 フジ三宅恵介Dが明かすリスペクトの関係

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たけしの相手を勝ち取ったさんま

フジテレビ系大型バラエティ特番『FNS27時間テレビ にほんのスポーツは強いっ!』(2日18:30~3日21:54)で、ビートたけしと明石家さんまの伝説の番組『たけし・さんまの有名人の集まる店』が「たけし・さんまの有名アスリートの集まる店」として20年ぶりに復活し、『オレたちひょうきん族』の“CMコント”の新作も放送される。

このほど行われた収録では、72歳・64歳という年齢を全く感じさせない丁々発止のトークバトルを繰り広げ、スタジオを何度も爆笑に包んだ2人。40年にわたってディレクターとして一緒に仕事をしてきたフジテレビの三宅恵介氏に、2人との出会いやエピソード、そしてコンビとしての魅力などを聞いた――。

“貴子ママ”明石家さんま(左)と“鬼瓦権造”ビートたけし (C)フジテレビ

■持ち上げるさんま、ストイックなたけし

――まずは、たけしさん、さんまさんとの出会いから伺えればと思います。

ちゃんとお仕事をするようになったのは、たぶん『笑ってる場合ですよ!』(80~82年)ですね。たけしさんがツービートとして火曜レギュラーで、さんまさんは途中から木曜レギュラーになったんですよ。

その前に、元日の『爆笑ヒットパレード』で(桂)三枝さん、今の文枝さんがやる明治神宮からの中継を僕が担当してたんですが、その時に「関西で面白いやつがいる」って連れてきたのがさんまさんだったんです。

前日の大みそかに関西勢の方たちとホテルのレストランで「明日はよろしくお願いします」という会が通例であって、その後に三枝さんのお部屋で若い芸人を集めながら打ち合わせ方々飲むんですが、さんまさんが三枝さんのお相手をしていて、それが実に見事だったんですよ。

「お前アホやな」って言われたら「すいませんアホで!」って即座に返したり、何十回も見てる三枝さんのマジックを見て「師匠さすが!」とか持ち上げながら、ツッコむところはツッコんでいて、この人はこういう天才なんだなと思いましたね。

一方でたけしさんは、真面目なんですよ。ストイックに考え込むから、横澤(彪)さんや佐藤ゲーハー義和さんがやってた『大進撃!おもしろ組』だったかな?そういう番組も、面白いのができないと思うと本番に来なかったり(笑)。そんなことは当時からありましたね。

――そして、『オレたちひょうきん族』(81~89年)で、2人がタッグを組むことになるんですね。たけしさん演じるタケちゃんマンの敵役であるブラックデビルをやっていた高田純次さんがおたふく風邪になり、急きょさんまさんがピンチヒッターで登板したという有名なエピソードがあります。

『ひょうきん族』が始まって2~3カ月は、いろんな人たちがタケちゃんマンの相手役をやっていたんですが、さんまさんがその座を勝ち取ったという感じでしたね。普通に台本通りやるのではなく、何か1個足して、ここで自分の存在をなんとかしようという意識があったんですよ。

さんまさんがブラックデビルを1回やったときに、僕に「鳴き声を決めたいから、収録終わってからちょっと録音してくれないか」というので、「ウェッ!ウェッ!」とかいっぱい音を録って、「どれにしましょう。7番目がいいかな?」「7番目ってなんでしたっけ?」とかやってましたけど(笑)、そうやって笑いに対して貪欲なんですよね。

それはたけしさんにしても皆さんそうなんですけど、どうやったら面白くなるかということに一生懸命向かってる感じがします。さんまさんって、バラエティのスタジオで「ここは戦場だ」って言うじゃないですか。それを当時から自分がやってましたからね。

――ブラックデビルの座は、勝ち取るべくして勝ち取ったという感じなんですね。

まあ、自然な流れでしたね。『ひょうきん族』は、たけしさんが一番年齢が上だったから、たけしさんを中心にどうぶつかっていうくかという場だったんですよ。そんな中で、東のたけしさんに対して、西にはさんまさんに(島田)紳助さんもいたんですが、紳助さんはたけしさんと感覚が似てるようなところがあって、あんまり一緒に組ませたがらなかったマネージャーが当時いましてね。損とかそういうことじゃなくて、自分の持っているものが生きないと考えたんですよ。

かたやさんまさんは、誰に対しても自分で存在価値を作れる人なんです。ですから当時、さんまさんは『ひょうきん族』に出るときは “たけし派”、『笑っていいとも!』に出るときは“タモリ派”となって、スルスルスルってまとめるのがうまかったですね。プライベートでも誰かが揉めていると、さんまさんの一言が潤滑油になる。所ジョージさんが「あんたはいろんなところに工場を持って油を差して回ってる、すばらしい“工場長”だ」と言ってましたが、まさにそうなんですよね。

■たけしが希望するなら何でもやる

――そして今回、さんまさん演じる貴子ママと、たけしさん演じる常連客・鬼瓦権造によるトーク番組『有名人の集まる店』が、「有名アスリートの集まる店」となって20年ぶりの復活します。『ひょうきん族』の“CMコント”のリバイバル版も放送されますが、どのような経緯で実現することになったのですか?

毎年、『27時間テレビ』が終わって、みんなで打ち上げみたいなことをするんですが、たけしさんがずっと「タケちゃんマンとブラックデビルみたいなのを、もう1回やりたいな」って言ってたんですよ。それじゃあと思って、最初、僕はドラマを作ろうと思ったんですね。これがまた素晴らしいドラマなんですけど(笑)、その合間に「有名人の集まる店」と「CMコント」とかが入るようなイメージだったんですが、ドラマを作るのがだんだん面倒くさくなってきちゃって(笑)。

今年の『27時間テレビ』は「スポーツ」がテーマなので、最後は、タケちゃんマンとパーデンネンチームで400mリレーを生放送でやろうとか言ってたんですけど、たけしさんも「俺はもう走れねーよ!」ってなって、結局「有名人の集まる店」と「CMコント」が残ったんです。

――たけしさんの希望をさんまさんに伝えたら、どんな反応でしたか?

もうたけしさんがやるっていうなら何でもやりますっていう感じですね。何十年経っても先輩であり、お互いリスペクトし合ってる相手ですから。たけしさんが鬼瓦権造をやるのに、ママは他の人がやるのは面白くないでしょうし、やっぱりその関係ができるのは自分しかいないとそれぞれ思ってらっしゃいますからね。

さんまがウケるのを悔しがるたけし

――収録を拝見しましたが、たけしさんとさんまさんで打ち合わせをほとんどしていないのが印象的でした。

コントについてはどうやろうかって簡単な打ち合わせはしますけど、「有名アスリートの集まる店」に関しては、何をしゃべるかの打ち合わせは一切ないです。どこに座るかの位置決めのときに、「有名人の集まる店」がなくなって20年ぶりに店がオープンするので、権ちゃんと貴子ママの関係性も昔のままだけど、久しぶりにやってくる…という設定を説明するくらいかな。

それは『ひょうきん族』のときからそうで、2人がやったことを逐一見逃さずに受け止めて、面白いものを抽出して編集して次につなげるというのが演出の役割なんだと、当時から感じていたことですね。

――それでも最初の2人だけのトークからめちゃくちゃ盛り上がりましたし、ゲストが入っても絶好調でした。

でも、僕もそうですけど、たけしさんは当時から途中で疲れちゃって(笑)。さんまさんは家に帰っても何もないからしゃべりたくてしょうがない感じですけどね(笑)

――それにしても、あのコンビネーションはすごいですよね。もちろん、1人1人でも十分回していけるのに、2人が一緒になると倍以上の相乗効果が生まれる印象があります。

そうなんですよね。コンビってやっぱり組み合わせなんですよ。例えば、たけしさんとタモリさんだと、1+1が2にもならないときがあるんです。昔、萩本欽一さんが「ショートする」という言い方をしてたんですけど、それは、たけしさんとタモリさんは、1人でも面白くできるという部分で似ているから。一方でさんまさんは、1人だと面白さが減ってしまうんですが、誰かがいて触発するタイプなんです。だから、たけし×さんま、タモリ×さんまの相性がいいんですよね。

――今回の収録で印象的だったのは、さんまさんが必ず笑いが取れる“ガラケーのくだり”を発見して、たけしさんが「いいの見つけやがって、俺にもやらせろ!」と欲しがるっていう(笑)。あんなたけしさん、他では見ないのですが、やっぱりさんまさんだから血が騒ぐんですかね?

悔しいんですよ(笑)。「あの野郎、やりやがって!」ってなるんですよね。

―― 一方で、たけしさんが真面目な話をしだすと、さんまさんが「オチないの?」とシャットダウンするという場面も何度かありました(笑)

『さんま御殿』とか、うちの『お笑い向上委員会』でいい話をした若い人に、さんまさんが「そんなのはいらん」って言うのと、たけしさんに対して言うのとは、微妙に違うんですよね。やっぱり下の子に言うとちょっとキツく見えるときもあるんですが、上の人に言うとこれがうまいツッコミになるんですよ。

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