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ギャンブル依存の「原因」はギャンブルそのものではない

日経スタイルが「ストレスと依存症の深い関係 きっかけは日常の中に」という興味深い記事を掲載しています。以下、転載。

ストレスと依存症の深い関係 きっかけは日常の中に精神保健福祉士・社会福祉士の斉藤章佳さんに聞く
https://style.nikkei.com/article/DGXMZO48872070S9A820C1000000?channel=DF140920160927

依存症というと、真っ先に浮かぶのは、アルコールやギャンブルでしょうか。ほかにも、買い物、インターネット、薬物、万引き、暴力など、たくさんのワードが出てくるはずです。依存の対象は「物」だけではありません。「人」に依存すると、虐待やDV、ストーカーといった問題に発展する場合があります。一方、ギャンブルやインターネットは「行為・プロセス」に耽溺(たんでき)するケースで、仕事やダイエットも、これに当たります。世の中には、ワーカホリックの人や心身の健康に影響が出るほどの過剰なダイエット(摂食障害)に夢中になる人もいます。そう考えると、依存症は特殊な人だけがなるものではないことが分かります。世の中には、ワーカホリックの人や心身の健康に影響が出るほどの過剰なダイエット(摂食障害)に夢中になる人もいます。そう考えると、依存症は特殊な人だけがなるものではないことが分かります。[…]

また、何かに依存するのは、「だらしないから」「意志が弱いから」とよく言われますが、それは明らかな偏見です。ストレスが発生したときに、自覚的に対処することを「コーピング」と言いますが、「何かに依存すること」もストレスコーピングの一つ。仕事や人間関係がうまくいかず誰にも相談できない、夫婦の問題を抱えている、大切な人を失ったなど、誰でも経験する出来事が引き金になって、依存症へと踏み出す人は少なくありません。
ある人がアルコール依存になった時「世の中に酒が存在すること」そのものを糾弾する人は居ないでしょう。要は、多くの人は「依存が発生する原因は、依存対象物『そのもの』ではない」ということは実はどこかで理解しているワケです。ところが、一方でギャンブル依存の話になると何故か「世の中にギャンブルが存在すること」そのものを糾弾する人が増えて来ます。

お酒への依存はストレス等の周辺環境が原因であると知覚しているのに、一方でギャンブルへの依存は「ギャンブルの存在そのものが悪い」と誤認してしまっている人は、依存問題に関連する論議の中にどこかで「自分の好き/嫌い」や「自分の道徳観に合う/合わない」を持ち込んでしまって居るのではないのかな、と思います。

一方で、貴方が嫌いなもの、貴方の道徳観に合わないものが「社会に存在してはならないもの」なワケではありません。貴方がそれを嫌いなら、貴方自身がそれに近づかなければ良いだけ。貴方が配偶者や親族にそれに近づいて欲しくないのなら、貴方が彼らにそう伝えれば良いだけ。

父権主義的なスタンスの方々は、自分の道徳観に合わないと判断したモノゴトに対して「万人がそれを為すべきではない。社会から排除せよ」と主張しがちでありますが、貴方の価値観に合わないモノゴトが万人の道徳観に合わないとは限らない。人はそれぞれ異なった価値観を持っており、貴方が嫌いなものを好む者も存在し、他者への権利侵害がない限りにおいて、人は自己の行動に関して自由に選択を行う権利がある。

ギャンブルに限った話ではありませんが、多くのモノゴトにおいてそういう観点から論議をスタートさせることが必要なのではないかな、と思います。

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