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渋谷ハロウィーン、必要なのは“神輿とゴール”!?行政だけが目立つ祭りには限界も…

 2018年は軽トラックを横転させるなど、トラブルが相次いだ渋谷のハロウィーン。“うまくいかなければ、来年には渋谷封鎖”との声も上がる中、1億円もの税金を投じた渋谷区の対策が奏功したのか、10月31日の本番にはスリや痴漢などで9人の逮捕者が出たものの、昨年よりは落ち着いた一夜だったようだ。

 渋谷のハロウィーンをめぐる問題について、泡まみれの新感覚イベント「泡パ」など、数多くのイベントを仕掛けているパーティークリエイターのアフロマンス氏は「ハロウィーンに来る若者と泡パに来る若者は近いと思う。泡パには普段クラブに行かない人たち、ハロウィーンも普段は渋谷で遊んでない人たちが来るので、ある意味“初心者”。今の若い人たちの間では、イベントに来ている人たちとのライブ感、一体感を感じるのが流行っているので、クリスマスではなくてハロウィーンなんだと思う。また、日頃溜めているものをどこかで噴出したいという時に、それが昔ながらの祭りではなく、ハロウィーンになっている」と話す。

「ただ、行って何をすればいいかがない。去年のトラック横転を見て思ったのは、神輿がないということ。神輿がよくできているのは、重いという事。若い人たちは担いでる間に疲れて、暴れたい気持ちも収まってくる。だからハロウィーンにも神輿のようなものがあると、自然と収まっていくと思う。また、どこに向かって歩いてるのか、という問題もある。お祭りやパレードは、スタートとゴールが決まっている。それが渋谷のハロウィーンにはゴールがないので、溜まって迷惑をかけてしまう」と指摘した。

 また、路面店が夜間閉店することで、売り上げは通常期を下回るほか、混雑で周辺エリアの通行が困難になり、周辺を拠点とする企業の勤務者は帰宅が困難になるなど、地元にとってはマイナス面があることも否めない。

 『ジャパニーズハロウィーンの謎 若者はなぜ渋谷だけで馬鹿騒ぎするのか?』の著書がある一橋大学経営管理研究科教授の松井剛氏は「おそらくイタリア人はたらこスパゲッティを食べないし、ナポリはナポリタンを食べないはずだ。つまり、日本人が勝手にアレンジする行為がハロウィーンでも起こったと思う。そして、儲ける機会があると、様々な企業の思惑が入ってくる。

ただ、例えばニューヨークであれば川崎のハロウィーンのようにパレードをするし、オーストラリアであればクラブやバーで若者が騒ぐイベントになるが、いわば“箱の中”で完結し、その外には出ない」と話す。また、ロンドンのハロウィーンでも、繁華街では大人はパブの中で騒ぎ、外では騒がない。そして郊外では子どもが仮装してキャンディ等をもらいに歩くなど、やはり「ゾーニング」が機能しているという。

 ジャーナリストの佐々木俊尚氏は「渋谷区民としては、渋谷にお金が落ちてないということも問題だと思う。バルセロナや京都や鎌倉など、地元住民の暮らしに影響が出るほど人が集まってしまうオーバーツーリズムが問題と同じ状況ではないか。また、テレビがガンガン報道するので、派手なお祭りを見たいだけの人が集まるだけになってしまい、盛り上げる主体そのものは減っていくことも予想される。言って見れば、衰退の始まりだ。もう少し、地元商店街とウィンウィンな関係になるにはどうしたらいいのか、長期的に模索していかないと。継続性がないのではないか」と指摘。

アフロマンス氏も「行政が主導するのが本当にいいのか、という問題はあるが、渋谷区にはIT企業を含め、大きな会社がいっぱいある。それらと行政、企業、若者の3社が街をどうしていくか考えないといけない」とした。

 この点について松井氏は「行政だけでやるのは無理だと思う。池袋では豊島区とドワンゴ、そして地元企業が一緒になってコスプレのイベントをやっているが、コスプレイヤーにとってはお天道様の下でコスプレする機会が少ないので、大事な晴れの場。だからみんなでゴミを拾う。そして、家で着替えて会場に来るのではなく、会場でクローク料を払って着替える」と説明。

慶應義塾大学の若新雄純特任准教授は「祭りというのは公と共でそれぞれに役割分担があるとされていて、公である区役所や警察は、基本的に制限したり、許可を出したりする側。それに対し、共である地元住民や商店街などが交渉し、一緒になってお祭りを成立させている。言い方は厳しいかもしれないが、渋谷では共の方がうまく機能していないため、公の制限や許可だけの話になってしまっている」と指摘していた。(AbemaTV/『AbemaPrime』より)

▶映像:議論の模様(期間限定)

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