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上昇気流の日本の皇室と、批判が膨らむ英王室 大衆紙を訴えたヘンリー王子とメーガン妃

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共同通信社

天皇陛下の即位を祝う「饗宴の儀」の4回目が31日に無事終了し、順風満帆の機運が広がる日本だが、イギリスでは王室のメンバーに対する批判が日を追うごとに大きくなっている。

批判の矛先は、イギリスのエリザベス女王の孫にあたる、ヘンリー(通称ハリー)王子とその妻メーガン妃。昨年5月、ウィンザー城で華々しい結婚式を挙げて「サセックス公爵夫妻」となった2人だが、常にその一挙一動が話題となる「お騒がせカップル」で、「言っていることとやっていることが違う」という声が高まってきた。

秋篠宮さまの娘眞子さまと結婚寸前に、小室圭さんに対するバッシングをほうふつとさせるほどだ。

何がそれほど「嫌われて」いるのだろうか。

Getty Images

まず、結婚前のメーガン妃はアメリカのテレビ女優。これだけでもやっかみの対象となったが、その上、アフリカ系アメリカ人であることで、ハリー王子との交際が始まった時点から、ソーシャルメディアでの人種差別主義的ハラスメントや、ゴシップ記事が多い大衆紙(タブロイド紙)や保守系新聞で人種の違いを問題視するような報道が出た。

王子には、母親の故・ダイアナ妃がメディアに追跡された後で交通事故死した記憶があり、恋人につらい思いはさせられないと何度か過熱報道をいさめるよう、発言することがあった。

王室批判が日常茶飯事のイギリス

イギリスでは、王室批判はタブー視されていない。新聞には報道の自由の伝統があり、ニュース番組では偏りがない報道を義務化されるテレビ界でも、王室批判は権力批判のひとつとして受け止められている。権力の批判は、報道機関の使命でもある。

テレビのお笑い番組でエリザベス女王や王室のメンバーが笑いの対象になることは、珍しくない。国民も、こうした扱いに慣れている。

エリザベス女王(左)を風刺した落書き(Getty Images)

イギリスの新聞の中でも、「タブロイド」とも呼ばれる大衆紙(小型タブロイド判であることに由来)は、違法すれすれのあらゆる手段を講じてネタを取り、事実とフィクションを混ぜ合わせて報道するのが特徴的だ。例えば、サン紙、デイリー・メール紙、デイリー・エキスプレス紙など。

一方、日本でよく知られているタイムズ紙やガーディアン紙は日本の全国紙に当たり、「高級紙」と呼ばれている。こちらは事実に基づくことや正確さが要求される。

イギリスでは、大衆紙の発行部数の方が高級紙と比べてはるかに大きい。扇情的見出し、虚々実々のヒューマンストーリーが満載で、国内世論の動向に大きな影響力を持つ。

大衆紙で最も人気があるネタの1つが王室だ。バッキンガム宮殿に記者を忍び込ませる、探偵を使って情報を集める、望遠レンズで遠くにいる王室のメンバーの水着姿を撮影するなど諸々の手口を使って、特ダネをとろうとする。

かつては、ハリー王子や兄のウィリアム王子、その側近たちの携帯電話を大衆紙の王室報道担当記者と私立探偵が「盗聴する」(携帯電話の留守電の伝言を本人に無断で聞き、原稿を書いた)こともやっていた。

新聞のほかには、「Hello!」を始めとして、王室ネタを専門とするグラフ雑誌がいくつもある。

日本の天皇家とイギリス王室、どちらが批判される?

逆に、日本では天皇家についての表立った批判はタブーで、一種の聖域と言えよう。

なぜそうなのかについては、歴史家の分析によるだろう。ただ、イギリスのエリザベス女王の祖先は神とは考えられていない点が異なるとは言える。

Getty Images

17世紀以降、王室は議会の「敵」であり、国の主権を握るために両者が戦ってきた。その過程で、風刺やジャーナリズムが発達してきた経緯がある。日本では、天皇家や天皇制自体が風刺の対象になることはほとんどないのではないか。

イギリスでは、国民も王室のメンバーが風刺の対象になることに慣れている。

しかし、筆者が「似ているなあ」と最近感じるのは、「弟」の存在だ。

天皇陛下の弟にあたる秋篠宮さまの娘たちとなる眞子さまとその結婚問題、佳子さまの「へそ出しダンス」などがよく話題に上っているようだ。

イギリスでも、黙々と公務にいそしむウィリアム王子夫妻に対し、その弟のハリー王子夫妻が何かと話題を提供する。しかも、大衆紙が取り上げたくなるような話題である。

その実態を見てみよう。

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