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千葉”大停電”で顕在化、高度情報化社会の災害リスク 情報空白地帯と化した南房総 -吉田哲、川崎隆司 (Wedge編集部員)

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住民同士の情報共有が災害対応を加速する

行政同士の情報共有だけでなく、自治体と地域住民との間でも情報共有ができていることが望ましい。その意味では、館山市富崎地区の地域住民による活動が一つのヒントを与えてくれるかもしれない。

房総半島の最南端に位置するこの地区もまた多くの住宅や建物が被害を受けた。それでも、被災による住民たちの混乱は少なかった。


公民館に災害情報を集め、物資や復旧作業を振り分ける館山市富崎地区(WEDGE)

「この辺りは、江戸と明治の時代に大きな火事が起き『火の用心』を呼びかける警護団が作られたことがきっかけで地域のつながりが強いんです」と区長の豊崎悦朗さん(70歳)は話す。同地区の住民が、災害の際に公民館に集まり情報共有することにしていたという。

今回の台風上陸直後も、近隣住民は公民館に集まった。地域環境をよく知る市職員もかけつけ、「物資手配も含め、すぐに対策を立てることができた」(豊崎さん)。災害直後から、物資の供給拠点となり、生活で困っているとの情報や全国各地から来たボランティアが集まり、作業を振り分ける場所となった。

沼田准教授は「住民同士が共通認識の下、主体的な動きができるのが理想。ただ、住んでいる人も地域性もわかる小さな地区だからできること。都会ではこうした密な関係は期待できないが、どの地域にも世話役的な住民はいる。自治体がその人へ依頼できる関係を築き、人命や物資といった災害時に必要不可欠な情報を共有しておくことはできる」と話す。

長期停電を余儀なくされた際に住民の安否や地域の被災状況をいかに迅速に把握するか。千葉の大停電を対岸の火事で終わらせず、自治体や住民が互いの立場で備えをし続けなければならない。

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