- 2019年10月29日 17:15
「愛子天皇」待望論を見守る秋篠宮一家の胸の内
2/2上皇上皇后の意志は間違いなく引き継がれている
「即位礼正殿の儀」には、2人の女性が招かれていた。
2018年の沖縄全戦没者追悼式で「平和の詩」を朗読した中学生・相良倫子(現在は高校生)と、ノーベル平和賞授賞式で被爆者として初めてスピーチを行ったサーロー節子である。
相良は追悼式で力強くこう述べた。
「私は手を強く握り、誓う。奪われた命に想いを馳せて、心から、誓う。
私が生きている限り、こんなにもたくさんの命を犠牲にした戦争を、絶対に許さないことを。もう二度と過去を未来にしないこと。全ての人間が、国境を越え、人種を越え、宗教を越え、あらゆる利害を越えて、平和である世界を目指すこと。生きる事、命を大切にできることを、誰からも侵されない世界を創ること。平和を創造する努力を、厭わないことを」
サーロー節子はICANに長年携わり、核兵器の恐ろしさを訴えてきた。
この2人を官邸が招くわけはない。天皇サイドの要望だったといわれているようだ。
だとすれば、上皇上皇后の意志は間違いなく天皇皇后に引き継がれている。そう考えていいのではないか。
心配の種は他にあるように思う。
雅子さん人気が高まるにしたがって、娘の愛子さんを天皇にという声も、今以上に高まっていくに違いない。
現在、愛子天皇を支持する割合は7割から8割といわれる。男系女性天皇はこれまで何人もいるから、女性天皇を嫌がっているといわれる安倍首相が退けば、愛子さんが天皇になる可能性は十分あると思う。
だが、そうなると、秋篠宮家の長男・悠仁さんが天皇に即位するのはだいぶ後になる。
「愛子天皇」に待ったをかけたのではないかという邪推
ここでも何度か書いてきたが、秋篠宮紀子さんという女性は、なかなかしっかりした、競争心の強い方だと思っている。
娘たちの教育も、学習院ではなく(佳子さんは学習院へ行ったが途中で退学)、国際基督教大学へ行かせ、悠仁さんもお茶の水女子大附属小・中学校へ行かせるなど、秋篠宮夫妻は、独自の確固たる教育観をお持ちのようである。
また、現在の天皇が皇太子時代、弟の秋篠宮と多少の行き違いがあったと報じられたこともある。
さらに、秋篠宮が、2017年6月に生前退位を実現する特例法が成立した際、自身の即位について周囲に「兄が80才の時、私は70代半ば。それからはできないです」と漏らしたと報道された。
この発言は、愛子天皇に待ったをかけたのではないかと、邪推する向きもあった。
例えば、秋篠宮は愛子天皇への待望論が高まるのを感じて、「悠仁皇太子」を既成事実化しようとして、自らの進退を口にしたのではないかというのである。唾棄(だき)すべき暴論だが、誤解を受けやすい発言であったことは間違いない。
それ以外にも、長女・眞子さんと小室圭との婚約延期問題、佳子さんの奔放な行動と、母親・紀子さんとの確執が取り沙汰されている。最近では、夫・秋篠宮と紀子さんの間にすきま風が吹いているという“仰天”報道まで飛び出しているのだ。
かつて適応障害といわれ、やることなすことすべてに陰口を聞かれた雅子さんは、所を得て見違えるように溌剌(はつらつ)としている。
悠仁さんが生まれて、前途洋々かに見えた秋篠宮家の周囲には、重苦しい空気が漂っているように見える。
似ているといわれる皇室とイギリス王室の違い
私は、皇室は日本社会の縮図だと考えている。旧世代と新世代とのぶつかり合い、兄と弟の確執、娘たちの結婚問題など、どこの家庭にもある。
だが、世間の目に晒されている皇室という世界では、お互いが腹を割っては話すことができず、簡単に解決できることが、周囲の思惑もあって複雑になってしまうのではないか。
話は横道に逸れるが、ドラマや映画の配信サイト・ネットフリックスの「ザ・クラウン」がすこぶる面白い。
現役の英国女王・エリザベス2世の人生を描いているのだが、デンマーク王子のフィリップとの結婚生活のギクシャクから、妹・マーガレット王女との確執、チャーチル首相とのやりとりなど、ここまで描いていいのかと、視ている側が思うほどの場面が続き、飽きさせない。テレビのアカデミー賞といわれるエミー賞を受賞している。
90歳を超えて現役のエリザベス2世もこのドラマのファンだそうだ。
よく似ているといわれるイギリス王室と日本皇室だが、日本ではなぜ、こうしたドラマができないのだろう。秋篠宮家をモデルにしたドラマを作ったら、失礼だが、全国民必見のものになると思うのだが。
今、上皇、上皇后は、どんな思いで新しい天皇家と秋篠宮家を見ているのであろう。(文中敬称略)
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元木 昌彦(もとき・まさひこ)
ジャーナリスト
1945年生まれ。講談社で『フライデー』『週刊現代』『Web現代』の編集長を歴任する。上智大学、明治学院大学などでマスコミ論を講義。主な著書に『編集者の学校』(講談社編著)『編集者の教室』(徳間書店)『週刊誌は死なず』(朝日新聞出版)『「週刊現代」編集長戦記』(イーストプレス)などがある。
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(ジャーナリスト 元木 昌彦)
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