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【読書感想】世襲の日本史: 「階級社会」はいかに生まれたか

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世襲の日本史: 「階級社会」はいかに生まれたか (NHK出版新書)
作者: 本郷和人
出版社/メーカー: NHK出版
発売日: 2019/09/10
メディア: 単行本
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Kindle版もあります。

世襲の日本史 「階級社会」はいかに生まれたか (NHK出版新書)
作者: 本郷和人
出版社/メーカー: NHK出版
発売日: 2019/09/13
メディア: Kindle版
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内容紹介
日本社会は「地位」より「家」!

源頼朝はなぜ征夷大将軍を返上したのか? 足利尊氏が北朝を擁立した真の理由は? 徳川慶喜が明治維新で殺されなかったのはなぜ? 日本社会を動かしてきたのは「世襲」であり、「地位より家」という大原則だった。人気歴史研究者が摂関政治から明治維新までをやさしく解説し、歴史の大きな流れと、その過程でつくられた社会の構造を明らかにする!

序 章 世襲から日本史を読み解く
第一章 古代日本でなぜ科挙は採用されなかったか?
第二章 持統天皇はなぜ上皇になったか?
第三章 鎌倉武士たちはなぜ養子を取ったか?
第四章 院家はいかに仏教界を牛耳ったか?
第五章 北条家はなぜ征夷大将軍にならなかったか?
第六章 後鳥羽上皇はなぜ承久の乱で敗れたか?
第七章 足利尊氏はなぜ北朝を擁立したか?
第八章 徳川家康はいつ江戸幕府を開いたか?
終 章 立身出世と能力主義

 なぜ、小泉進次郎さんは、あんなに人気があるのか?
 この本のタイトルをみて、その理由が書かれているのかな、と思ったのです。

 著者は「はじめに」で、こう書いています。

 僕はつねづね、なぜ日本は「さまざまな誘惑を排除し、こつこつと勉学する才能」に高い価値を与えないのかなあ、と不思議に思ってきました。そして、それとともに、なぜ日本は「世襲」に甘いのかなあ、とも思ってきました。

 よく知られることですが、お医者さん、芸能人、政治家。いやな言葉ですが「セレブ」と呼ばれるこうした方たちの地位はしばしば世襲で受け継がれていく。だけど、いろいろなところでそういう指摘をすると、驚くべきことに「えー、親の職業を継がなければいけないなんて、自由がなくてかわいそう」という本気の声がよく返ってきます。ここで立ち止まって考えなければなりません。現在の日本は本当に「自由な社会」と言えるのでしょうか。もちろん真の自由を獲得し維持するために、先人たちは、ときに命を賭けてきました。ところが、現在の私たちが生きているのは、世襲がものを言うような社会です。とするならば、どのような原則が、この一見「自由」に見える社会をつくり、動かしてきたのでしょうか。

 本書はそのことを、歴史的に、かつまじめに考えたものです。考えた末になんとか導き出した答えを、先に書いてしまいましょう。

 どうも日本では「地位より人だ」と考えられてきたらしいのです。しかし、ここでいう「人」とは何かというと、その人のありのままの姿ではなく、その人が受け継いでいる「血」なのです。なるほどそれで世襲か。いやいや待てよ、より慎重に見ていくと、「血よりも家」ではないか。「家」が肝心・要なのだ。まとめると、「地位より人、人というのは血、いや血より家」、これが日本の大原則だったのです。

 親も医者だった僕からすると、「いや、みんな世襲だっていうけど、親が医者でも国家試験はフリーパスじゃないし、家の都合に縛られてかわいそうな人もたくさん見てきたけどなあ」って思うんですよ。

 僕がつい否定的な目でみてしまう、世襲政治家や二世芸能人も、きっと同じような気持ちではあるのでしょう。

 なかには「親の仕事を継ぐのが当然」と考えて生きてきたような人もいるんですけどね。

 実際、環境とか教育にかける時間とか費用において、「セレブ」の子どものほうが、学歴を積むには有利なのも事実です。

 この本、「日本史」というタイトルのとおり、歴史をたどりながら、どのようなプロセスを経て、日本社会は「家重視」になってきたのか、ということが語られている新書なのです。

 「定説」というより、「著者は現時点ではこう考えている」という内容が多くなっているのですが、自分の考えや研究成果を「定説」のように語っていない、という点では、良心的ではないか、とも思います。

 公家の頂点に位置するのは近衛家です。藤原本家から近衛家と九条家、近衛家からの分家が鷹司家、九条家から分家が出て二条家、一条家となりましたが、家格は近衛家が一番上です。その近衛にも、天皇家から養子が入っています。これは、日本で最高に家柄がよいとされている貴族の家でさえ、血のつながりがないことは問題にならないということを示しています。

 日本の家において、家業や名跡の継承のために養子──特に他人養子を多く取ることは、さまざまなジャンルにおいて認識されていますし、多くの日本人が特別の知識がなくても了解している「常識」と言えます。たとえば江戸期の大名家や大規模な商家の場合、主家の家系の断絶によって家そのものがなくなる事態は、家臣や奉公人にとって死活問題でしたから、何があっても避けなければなりませんでした。例えば、江戸期の福岡(黒田)藩は、秋月という支藩をつくっていました。五万石ほどの小さな藩なのですが、なぜ秋月藩をつくったかというと、本藩のほうには度々他家から養子を迎えているのです。黒田家の血をつなげるために秋月藩を残したのですが、本藩では血がつながっていません。52万石という大きな藩でも、藩主の血がつながっていないことが公然の事実となっており、それでも家として成立していたのです。これが家の超血縁性です。

 女系でつながることも、決して例外ではありません。江戸期の名君として知られている上杉鷹山は高鍋藩主の次男でしたが、10歳で米沢藩主の養子となりました。その際には、藩主上杉重定の娘幸姫を正室としています。

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