- 2019年10月29日 08:03
【台風19号水害】「選挙どころじゃない!」悲鳴あげる被災地。「延期難しい」と県選管。生活再建に追われる中、予定通り31日告示へ~福島県郡山市ルポ
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【生活再建始まったばかり】
民間賃貸借り上げ住宅の相談で郡山市役所を訪れた40代夫婦は「私たちの意見など関係無く、選挙をやる事が決まってしまいましたね…。でも、やる以上は投票には行きます」と語った。12日から避難所に身を寄せているという。十貫河原地区の自宅は1階部分が完全に泥水に浸かった。「高校や小学校に通う子どもがいるので他の地域に転居するのは難しい。すぐ近くに家族5人で暮らせるアパートが見つかったのでしばらくそこで生活しながら、リフォームするしか無いですね。住宅ローンも残っていますから」。
これまで必要な物と不要な物の分別を進めていて、これからようやく室内の片付けに着手するという。罹災証明はまだ発行されていない。新しいアパートで使う家電製品は自費で購入した。「なるべく国のお世話にならないように、自分たちで出来る事はやろうと。将来、子どもたちの負担が増してはいけないですからね」。生活の立て直しはまだ緒についたばかりなのだ。
水門町では、自衛隊が出動して家の外に並べられた〝災害ごみ〟の搬出に追われている。仮置き場に運んでいるが、県道沿いの歩道には、今なお多くの家財道具が積み上げられている。
自衛隊員とともにトラックに泥まみれの家財道具を積んでいた業者は、除染で生じた汚染廃棄物を運搬する業者だった。「汚染廃棄物の運搬はいったん中断して、全ての業者がこちら(災害ごみの運搬)に従事しています」と業者。頼みの災害ボランティアも平日とあって30人に満たないほど。関西から応援に来ている社会福祉協議会の関係者は思わず「報道が少ないせいか長野などと比べると全然少ないです」とボヤいた。「そもそも、復旧作業がボランティア頼みなのがおかしい」との声もある。
芳賀地域公民館では、依然として60人を超える市民が避難生活を送っている。ようやく段ボールベッドが用意され、プライバシー確保のためのカーテンも設置された。硬く冷たい床で横になる事は無くなったが、応援派遣されている県職員も「まだまだ決して良くなったとは言えません」とつぶやいた。日中は多くの人が仕事や自宅の片付けなどで留守にしているが、片隅で水門町の女性がカップラーメンをすすっていた。自宅は浸水してしまったため、アパートに入居するべく家族と下見をしているという。
「私は投票に行こうと思うけど、選挙どころじゃ無いよね。まだ先も見えないし。でも、こういう時だからこそ、どういう人が選ばれるのか。そこには注目したいです」
- 鈴木博喜 (「民の声新聞」発行人)
- フリーライター



