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モーツァルトが既に描いていたフェミニズムの行く先

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・ソニーが始めたハイレゾ音楽配信、今無料体験期間中です

ソニー系列の音楽配信サイト「mora」が、ハイレゾ限定の音楽配信サブスクリプションサービス「mora qualitus」を始めたそうで、今なら一ヶ月間無料体験キャンペーンをやっています。

mora qualitus
サイトデザインはとてもステキな感じです。

このレビューサイトによると、「排他モード」を搭載しているぶんアマゾンがやってる同種のサブスクリプションより音がいい(と思われる)とか・・・

サイトのデザインなども含めて結構いいなと思うんですが、開始直後とあって、例えば「モーツァルト」と「Mozart」で検索結果が違うとか、海外アーティストの表記ゆれで検索結果が違うとか、あと単純に動作が遅いとか、今後いろいろ改善してほしいUI上の問題はいろいろあります。

しかし個人的には、ハイレゾで入ってる曲のラインナップ含めてかなり気に入っており、来月からの月1980円も許容範囲かなと思い始めています。

特に、最近クラシック音楽、特にモーツァルトにハマってるんですが、前から好きだったカール・ベームという指揮者のモーツァルト交響曲集やオペラ「魔笛」がハイレゾ版で入っていて既にかなり幸せな音楽体験をしているところです。

・魔笛のストーリーが暗示する現代社会の混乱

・・・という前フリからなんですが、モーツァルトの晩年の名作オペラ、「魔笛」って前から大好きだったんですが、このストーリーって凄く「現代社会の暗示」に満ちているなあ・・・と思うので、ちょっと煽ったタイトルですが、この名作オペラの説明をしながら「モーツァルトが既に描いていたフェミニズムの行く先」みたいな話をしてみたいんですが。

どのへんに「現代社会の暗示を感じるなあ・・・」と思うかというと、
・最初は、「夜の女王」が「善の味方」であり、ある種の「父権的存在」であったザラストロが「悪の敵」
で始まるんですが、だんだん
ザラストロ案外悪いヤツじゃないんじゃね?みたいな感じ
になってきて、そうすると
「夜の女王」はメチャクチャ過激化していって有名な「復讐の炎は地獄のように我が心に燃え」を歌いはじめる
んですね。この「復讐の炎は地獄のように我が心に燃え」って凄い歌詞だけど、超有名な曲なんでみなさんどこかで聞いたことあると思います。

で、その後色々あって、
夜の女王の勢力圏を脱することで、「王子様」と「お姫様」が結ばれる
だけでなく、
「非モテ男」と「非モテ女」もちゃんと結ばれる
んですよ。この「非モテ男と非モテ女」がちゃんと結ばれる(このまとめ方が正しいかどうかはともかくとして"王子様とお姫様じゃないタイプの男女"という意味だと思ってください)シーンはメチャクチャ感動するんですよね。全編の中で一番感動する。全西洋オペラ中の名シーンだってぐらい僕は思ってるんですが。

で、
最後に夜の女王にザラストロが勝利して大団円!
で終わり。

・ストーリーの中の重要曲をそれぞれご紹介

まずは有名な序曲があって、これも凄い好きなんですが、ユーチューブにもいっぱいあるけど著作権的にOKなのかよくわからないのでとりあえずウィキペディアの音源↓を貼ります。とにかく「モーツァルトのいいとこ詰まってるなあ!」て感じの序曲です。

魔笛「序曲」(リンク先に飛んで再生ボタン押せば聞けます)

それ以外にも Die Zauberflote overture で検索したら色々見れます。

で、最初優しくて味方だと思っていた夜の女王が、途中から突然過激化しまくってキレまくる曲はコレ

復讐の炎は地獄のように我が心に燃え
(リンク先のウィキペディアに飛んで再生ボタンを押してください)

他にも Der Hölle Rache kocht in meinem Herzen で動画検索するとこわ~い夜の女王が復讐の炎に燃えまくってるシーンが見れます。

そして、この「夜の女王」の勢力圏を脱することで、王子様だけでなく非モテ男女も「自分だけの相手を見つけたぞ!!」ってデュエットしながら踊り狂うシーンがあって、それがほんと名曲だなあ、と思うんですが・・・

これは歌い手さん(エジプトのソプラノ歌手らしいです)の個人チャンネルだからユーチューブ貼ってもいいだろうと思うのでこちら↓

Fatma Said & Rolando Villazon Papageno Papagena Duett

・・・雰囲気いいですね。この女性もすごいキュートでいい感じになってます。やっぱり「いわゆる偏差値」的な"序列感"を超えた「自分にあった相手ってどういうものか」という問いかけをちゃんと実現していった先に生まれるカップルってステキだし、そういうときに女性のキュートさは本当に輝くところがあると思います。

ちょっとマニアックな余談ですが、時々問題になる"萌え絵"が女性を搾取しているとかいないとか・・・は日本社会がこういう"カップリング"をグローバリズムから分離して維持していたいという本能的必然性が背後にあるために、単に欧米的視点から攻撃するだけではなくなることはないと私は考えています。たぶん「お姫様として生きたい女性」が、「そもそもパパゲーナとして生きたいと思っている女性」も別にいるのに一緒くたにして全員でこういう「パターナリズム」を引きちぎろうとするから問題が起きてるんで、実はパパゲーナとパパゲーノのカップリングを邪魔しないことに配慮することで、"お姫様側"で生きたい女性への抑圧も本当に消せるようになるでしょう。

で、最後の大団円!ってところに出てくるのが

「太陽の光が夜を追い払った」

なんですが、これは著作権的にOKかどうかわからないのが多かったので、気になる人は

sonne vertreiben die nacht

で検索して自己責任でどうぞ。ここは合唱団が出てくるんですけどそこがめっちゃいいです。最後の数小節のファンファーレ的な金管とか「たかたんたん、たーんたーんたーん」とかいうリズムが「めっっちゃモーツァルトの大団円!」って感じでいい。

・古い父権的社会を分解するだけ分解した先に、ポリコレ的にOKな"父性"を再構築する

全体的に、人類の歴史は近代に入ってから、伝統的権威によって支配する「父権的存在」を果てしなく「批判し解体する」ことを行ってきたところがあるじゃないですか。

でも、そういうことばっかりやっていると、構成員全員が「自分という個人」以外に興味がなくなってしまって、自分と気の合う他人とだけ付き合って、「別の立場の人」との間に協力関係を築くのが難しくなってしまったりして、最終的に「国」とかいう単位で意思決定しなくちゃいけない問題が出てきても、果てしなく罵り合いを続けるだけで意味のある意思決定が不可能になってしまっている。

その混乱を埋め合わせるために過剰に国家主義だったり権威主義的な政治勢力が力を持ってしまったりしている。

そんな混乱が世界中の民主主義社会で起きてるときに、中国のような政体がそこそこ成功してるのを見せられて、中国人エリートに「もう民主主義とかやめちゃいなよ」とか言われたら言い返しづらいですよね。

いーや、それでも民主主義社会をあきらめたくないの!というのなら、単に「混乱を抑止するための必要悪として生起している権威主義」に対して原則論で攻撃し続けるだけじゃなくて、「立場の違う人同士の対話」をたちあげて、もう一度「社会で共有できる軸」をみんなで立ち上げていく必要があります。

全体的に、現代社会はこの「魔笛」の真ん中ぐらい、
・父権的存在"ザラストロ"を敵だと思い、夜の女王が味方だと思ってお姫様を助けようと立ち上がってはみたものの・・・
・案外ザラストロって敵じゃなくね?人間社会に必要じゃない?という空気になってきて、夜の女王がブチ切れまくる
的なところまで来てるんじゃないかと思います。ここからは、その「夜の女王的なルサンチマン」の影響下から脱していくことで、
・王子様とお姫様だけでなく、非モテ男女(や、もちろん性的マイノリティさんたちも)が適切なカップリングが行える社会の気分の構築
・それによって再度共有できる"父性"が立ち上がっていく
的な流れになっていけばいいんじゃないかと思っています。思えば私の新刊「みんなで豊かになる社会はどうすれば実現するのか?」はこういう大きな流れについてイメージして書いていた気がします。

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