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台風被害に見る電気文明と高齢社会の脆弱さ

台風15号、そして19号が各地に甚大な被害をもたらしたところに、またこの大雨である。千葉県などで、さらなる被害が出ている。

停電で、日々の電化生活が根底から崩れ去っている。また、災害の被害者の大半が高齢者である。

 台風15号に直撃を受けた関東地方、とくに千葉県では数週間に及ぶ停電で、多数の県民が大きな苦痛を味わった。電気が止まると、水の供給にも支障を来すことになり、生活が成り立たなくなる。電気文明の脆弱さを再認識させられた。

 かつてのように井戸から水を汲み、薪を使って竈でご飯を炊くような生活ならば何とかなるが、今や井戸も竈もない。停電が長期化すれば、冷蔵庫に頼った食生活は維持できない。9月はまだ暑い時期であり、食物の腐敗も早い。

 各地区に、非常用の井戸を残すとか、卓上コンロや七輪を用意しておくとか、電気抜きの生き残り術も必要である。また、電気自動車の蓄電池には10日分の家庭の必要量を供給できるものもあり、今後の普及が期待される。

 大型台風に対応するには、電柱の地下化を進めねばならないが、コストと住民の反対が問題である。後者については、地上部分になどの変圧器機器を置かねばならないが、自宅の前の歩道には設置を許さないという住民エゴである。 

 ロンドンやパリは無電柱化率100%であるが、東京23区ではわずか8%である。景観のみならず、防災という観点からも、迅速に地下化を進めるべきである。

 高齢化も避難計画の再検討を余儀なくさせる。男性は80歳、女性は90歳まで長生きする。避難から始まって、いざという場合の救助まで、若い人を対象の場合よりも、時間も手間もかかる。

 しかも、高齢者が、老夫婦のみとか、一人で生活するケースが増えている。スマホなどの操作にも不慣れであり、災害情報の連絡にも手間取ることを想定せねばならない。

 したがって、避難にしろ、救助にしろ、時間の余裕を十分にみた計画作成が必要である。台風19号の接近時に、荒川の氾濫を予想し、江東5区は250万人の広域避難を検討したというが、鉄道の計画運休で実施を見送っている。電車も車も無いときには、徒歩で移動するしかないが、高齢者の場合は、車椅子が必要な人もおり、スムーズにはいかない。

 避難計画は常に見直しが必要である。

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