- 2019年10月24日 21:31
「コンビニ、全店で24時間営業する意味はない!」「セコマ」丸谷智保社長 独占インタビュー(上)
2/2-加盟店は価格決定の裁量がなかった
我々はFCで店舗の展開を始めた当初から、店舗の価格決定の裁量権を残していた。「賞味期限の近い商品は値引きしても構いませんよ」と。FC店にとっては、商品を残してしまうとロスにつながるから。最近になって、大手はロスに一部補助するような取り組みを始めたが、それでもまだ“価格は曲げてはいけない”ことを重視しているように見える。
本来、加盟店とFC本部は対等。フランチャイジーは小規模企業だ。小さい企業の集まりが、本部と対等な契約を結び、一定のルールに従って(コンビニ各社の)看板を借りている。本部は各店舗の支援に回る。看板を店舗に持たせて、調達・供給を行う。決められた時間に商品を入れる。だから、本来FCは良い制度だった。だが、その運用を間違ったから、あらゆる問題が顕在化した。
-他社に比べて惣菜類が安い
工夫とサプライチェーンが肝だ。まず、原材料の調達。例えば、あずきは一昨年、昨年と不作だった。以前は1俵2万5000円だったものが、今は4万円以上する。そこをうちは自前の農業生産法人で生産しており、安定した価格で調達できる。野菜も同様。原材料が市場価格に影響を受けない環境を維持することで、安価な惣菜を提供できる。
次は、生産現場での工夫。ヒット惣菜に“煮卵”(2個110円)があるが、すべて自社で作る。ゆで卵製造機を利用すると、自動で殻も剥いてくれる。だが、この工程で約5%のゆで卵で形が崩れてしまい、煮卵として売るのは難しい。しかし、その崩れた卵は廃棄せず、卵のサンドウィッチやタルタルソースなど、ゆで卵を細かくしたメニューで使用する。だから卵はほぼ100%使用する。ここで5%原価を下げることが可能となる。「使い切る」ことで原価を抑える。ここで差が出る。

-他には
原材料原価を分解する。人気の110円の惣菜を、年間3000万個ぐらい売る。包材費用は相当になる。煮卵は汁漏れ防止のふたをした上にシュリンクすると、13円ぐらいかかる。小売価格118円の商品なのに、そのうち13円が包材なら人件費か材料費を削るしかない。だから、「包材を自前でつくろう」と。
うちの惣菜の包装は、トレイにおかずを入れ、その上にフィルムシールのふたをするのみ。それで10円近く抑えられた。「どこに無駄があるのか。コストダウンの余地があるのか」を研究した。確かに、見栄えはふた・シュリンクの包装に比べて良くない。でもお客様が食べるのは中身。毎日来てくださる地域密着型の店舗の場合、惣菜の味はお客様がよくわかっている。だから見栄えより、コストの軽減が大事。プラスチック廃棄も少なくて済む。他では真似することは難しい。
(東京商工リサーチ発行「TSR情報全国版」2019年10月21日号掲載「Weekly Topics」を再編集)
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