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「避難所とペット」問題で論争、飼い主はまず自治体に確認を

台風時にペットはどうする?(時事通信フォト)

 各地で観測史上最高雨量を記録した台風19号は、70人を超える犠牲者を出し、全国50以上の河川を氾濫、決壊させるなど甚大な被害をもたらした。

 被災した愛犬・愛猫家の間で物議を醸したのが、「ペットと一緒に避難できるか」という問題だ。

 今回の台風19号では、孤立した埼玉県川越市の中学1年生の男子生徒が「猫を飼っていて避難できなかった」と発言。タレント・ダレノガレ明美(29)も、SNSで

〈避難所、動物ダメらしく……悲しい。動物は置いてきてくださいって…〉
と投稿した。

 一方、ペットを飼っていない人には、鳴き声によるストレスや、犬・猫アレルギーへの懸念があり、同伴避難に否定的な声もある。

 賛否両論分かれる中、現実には、ペットの受け入れ態勢は自治体ごとにバラツキがある。ペット専用スペースを設けるケースもあれば、「一律お断わり」の場合もある。では、避難時に飼い主はどうすべきか。

 災害時の犬猫の保護活動などに取り組むNPO法人「ランコントレ・ミグノン」理事の友森玲子氏は、「ペットと一緒に自宅に残るのはNGです」と語る。

「過去の災害では、ペットがいて避難しなかった人や、ペットの餌やりのために自宅に戻った人が、家屋倒壊などで命を落とすケースが発生しました。避難所ではペットと一緒にいられないからと車中生活を選び、それが長期化してエコノミークラス症候群に繋がった事例もあります。あくまで人命を優先して避難すること、事前にペットと一緒に避難できるかを自治体に確認しておくことが大切です」

 2018年の西日本豪雨では、岡山県獣医師会がペットの無料預かりを行なう動物病院やペットショップを公表。広島市は「災害緊急ペット相談窓口」を開設した。

「避難所と獣医師会が連携を取り、同行避難所の巡回や動物病院での預かりサービスなどを実施した事例があります。避難所に受け入れ態勢がない場合、地域の獣医師会に相談してみましょう」(友森氏)

 やむを得ずペットを自宅に残す場合も、リードを外して放したり、自宅の1階に残すと、水害に巻き込まれる危険性がある。

「2階以上のなるべく高い場所に避難させてあげるべきです。その際、ケージに入れたほうが安全です。パニックになって窓を破って逃げたり、屋根が落ちたり家具が倒れることを想定し、普段からケージに慣れさせておくとよいでしょう。自宅に戻る際は、必ず周辺の安全状況を確認してから、ペットの安否を見に行くようにしてください」

 飼い主にとっては「家族の一員」でも、他人にとってはストレスの種となりかねないペット問題。今回の論争を踏まえ、行政による対策が急務となる。

※週刊ポスト2019年11月1日号

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