- 2019年10月23日 14:54
【読書感想】ビッグデータ探偵団
2/2では、未来の日時の人口推移波形を知るためにはどうすればいいか?
この問いをより簡単な言葉で言い換えるなら、〇月×日△時に、A地点に行く予定の人がどの程度いるか? ということだ。
ここが頭の使いどころなのだが、実は、この情報を知るヒントは、みなさんも馴染み深い、ヤフーが運用しているサービスに隠されている。
それこそが、「Yahoo!乗換案内」(以下、乗換案内)だ。
少し以外に感じられたかもしれない。「Yahoo!乗換案内」とは、出発地と目的地を入力すると、路線ルートや運賃を調べることができるサービスだ。
このサービスには、ユーザーが検索した出発地と目的地、および出発(到着)日時のデータがセットとなって蓄積されている。これらのデータこそが、未来の混雑を予測するキーとなる。
具体的なケースを、一緒に想像しながら見ていこう。
2週間後、ずっと楽しみにしていた大好きなアーティストAのコンサートに行く予定があるとしよう。会場は武道館だが、訪れるのは数年ぶりだ。何時に自宅を出て、どんなルートで行くのがベストか。
そんな疑問を抱いたとき、おそらくほとんどの人は、事前に「乗換案内」の機能で交通機関のルートを調べ、何時に家を出るべきか、当日の自分の行動計画をあらかじめ立てておくに違いない。
重要なことは、事前にルートを調べるそのような人は、あなたひとりだけではない、ということだ。よほど武道館に行き慣れている人を除いて、アーティストAのコンサートに参加する予定の人々の多くが、同様に、事前に武道館までの到着時間を考慮した最適ルートを調べている、と考えられるのだ。
ここから、少しずつ見えてきたのではないか。「乗換案内」には、現在時刻のルートを検索するデータだけでなく、将来の予定を先読みするデータが大量に蓄積されている。
つまり、「乗換案内」に蓄積されたデータを分析すれば、「〇月×日△時にA駅に到着したい。と考えて検索している人がどの程度いるのか」を推測することができる。それを平時の検索数と比較することで、混雑の予測が可能になるというわけである。
「検索する」ことによって、われわれの行動は、ヤフーからデータのひとつとして利用されているのです。
それによって受けるメリットを考えると、「監視社会だ!」とか「個人情報なのに……」と憤るようなことではないのでしょうけど。
人々の行動のデータが、アンケートやインタビューを行わなくても集められる時代なのです。
それは、情報の出し方、何を検索させるかによって、人々の行動を制御できる、ということにもつながります。
だからといって、「Google以前の時代」には、もう戻れない。
また、リニア中央新幹線の開通後の予想をした章では、「仮想上の交通機関や施設、インフラを『Yahoo!地図』のデータ上で設定し、実在したと想定した場合のシミュレーションができる」ことが紹介されています。
政治家にとっては「不都合なデータ」にもなりそうですが。
ビッグデータって面白いな、と、あらためて感じることができる本だと思います。
ただ、ビックデータの解析結果って、ほとんどの人には「プロセスやデータの妥当性」が理解、検証不能なので、悪意を持って嘘を出されたら怖いですよね……

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