- 2019年10月22日 21:17
【読書感想】ひとりで生きる 大人の流儀9
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- 作者: 伊集院静
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2019/10/02
- メディア: Kindle版
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内容紹介
一人で生きることを自覚せよ、と言っても、そう簡単にできるものではない。泣く雨の夕暮れも、一人で膝をかかえて星を見上げる夜半もあるであろう。孤独というものには、やるせなさがどこかに隠れている。なのに一人で生きようとしている人には、家族、兄弟姉妹、仲間、同僚、友と日々、逢ったり、連絡を取り合って、普通に生きている人たちには、ないものがある。あの潔さに似たものは何なのだろうか? ひとりで生きることは、一見淋しいものに思えるが、実は美しい人間の姿であるのかもしれない。――伊集院静
シリーズ累計195万部超の大ベストセラー第9弾。
「孤独死」を恐れる高齢者が積極的に婚活をする本を最近読みました。
僕自身は、ひとりでいることにそんなに退屈しないのです。
ゆっくり本やゲームに没頭できるな、と思いますし、出張先でビジネスホテルの部屋にひとりきり、なんて状況になると、うれしくなってしまうくらいです。
孤独死、というのも、あまり腐敗して片付ける人に嫌がられたくないな、という気持ちはあるのですが、いざ死ぬときって、寂しいとか、それどころじゃなかろう、と考えているのです。
でも、それは僕自身が、まだ40代後半で、「本物の、先の見えない孤独」を知らないからだ、という気もするんですよね。
シニア婚活をしている人たちのなかにも、まさか自分がこの年齢になって婚活をするなんて、という人が多いみたいですし。
高齢化社会で、孤独な人が増えてきている一方で、近頃、「孤独に生きることを、ネガティブに考えるのはやめよう」という高齢者からのメッセージをこめた本を書店でよく見かけるようになりました。
このエッセイ集のタイトルでもある「ひとりで生きる」ということについて。
(若者が「一人で生きる」と決心することは、「孤独を学ぶ」とか「己を見つめる時間を持つ」という意義もあり、良いことだろう、と述べた後で)
しかし世の中は若い人だけではない。いろんな人が生きている。
そんな人の中には、一人で生きざるを得ない状況、立場の人は、私たちが想像するより多勢いる。
家族、伴侶を失った人もいれば、置かれた立場が一人で生きざるを得ない人もいる。
そういう人たちが、何かの折に、一人でいることに戸惑い、不安になり、どうしたらよいのか途方に暮れることがある。
私の周囲にも、そういう人たちがいて、その切ない気持ち、揺れ動く感情を耳にすることもある。
「何やら寂しくて、どうしようもないんです」
「一人でいると不安でしかたありません」
中には開き直ってしまったのか、
「伊集院さん、所詮、人間は一人で生まれ、一人で死んでいくのよね」
と言う人もいる。私はそう言われると、
「人は一人では生まれないし、一人で死んで行くことはないと思います」
とはっきり言う。
両親が存在していたから生まれたとか、孤独死は、その死の状況を見るから、そう思えるのだとか、屁理屈でそれを否定しているわけではない。
極端な言い方をすると、人は生まれた時から一人ではないし、この世を去る時も一人ではない、と私は思っている。
人間という生きものは一人で生きるようにできていない。
こういう言葉って、「そんなの綺麗ごとだよ」って言い返したくなるのだけれど、伊集院静さんという人の口から発せられると、「そういうものかもしれないな……」と、妙に納得してしまうところがあるのです。
いやまあ、かなりこわいイメージがある伊集院さんに面と向かって反論する勇気のある人は、なかなかいないとも思いますが。



