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「簡潔な質問通告」で官僚の疲弊はさらに加速。改善するには与野党の協力が必須

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海外の「質問通告制度」

実際、日本が議院内閣制の範とするイギリスでも、答弁は官僚が作成している。

議員による事前通告は、3会議日前の昼までに書面で通告することが原則である。

他にも、同じく議院内閣制のドイツでは、前週金曜日が期限となっており、こちらも官僚が想定問答を作成する。

フランスは、大臣を中心としたチームのスタッフ(政治任用の補佐官)が答弁を作成するが、原則として会期が始まる時点で、何月のどの週のどの時間帯で、どのような質問(質問のタイプと会派ごとの割り当て)が行われるかが決まっている。

そして事前通告の提出期限は2週間前となっている。

このように、諸外国では答弁作成時間に余裕があり、官僚が連日深夜残業を強いられる状況にはない。

また、審議日程も先まで決まっており、与野党による「日程闘争」が起きることもない。

長時間労働を改善できない「構造的な問題」

ではなぜ日本では委員会・本会議が決まるのが直前になってしまうのか。

今回の森議員の質問通告の件も、委員会開催が決まったのは2日前の昼間であり、議員個人の努力だけでは限界があることも事実である。

その理由について、以前取材した細野豪志衆議院議員はこう語っている。

「なぜ日程闘争が起こるのかと言うと、与党と野党の立場が分かれていて、与党の側は事前審査をしているから、国会の中身にあまり関心がなく、法案を通すことだけに関心がある。一方で野党の側は、問題がある法案をできるだけ先延ばしにして廃案に追い込みたい。与党も野党も日程闘争にものすごいエネルギーを割いていて、委員会の日程が前日まで決まらないことがほとんど」(細野氏)

出典:「霞が関で働きたい人はいなくなる」官僚の長時間労働は“機能不全”な国会のせい

日本の政策立案過程では、与党内で「事前審査制」と「党議拘束」が行われており、国会審議で法案修正が行われることもなく、野党として功績を上げる余地がほとんどない。

その結果、法案を廃案に追い込むための、「日程闘争」を行わざるを得ず、与党も審議拒否されないように、野党に配慮しているのが現状だ。

事前審査とは:内閣が提出する法案は与党内の部会で事前に審査され、総務会で決議される。

党議拘束とは:党の決定に従い、法案決議の際に自分の意思で自由に投票することを拘束される。結果的に議席の過半数を与党が占めている場合には法案の修正が起こることは少なくなる。

会期不継続の原則とは:国会の会期が終わると採決の終わっていない法案は廃案となり、また一から審議となる。

今回、野党による「政府への事前通告簡素化」の提案を受け入れたのも、審議拒否をされて、法案が通らないことを避けるためであり、根本的な原因である、「日程闘争」しかできない構造自体を変えなければ、官僚の深夜残業も、形骸化した国会審議も改善することはできない。

そして、構造を変えるためには、与野党の協力が必須であり、野党だけで変えることは難しい。

むしろ、タイトな日程で法案成立を目論む与党の方が責任は重いかもしれない。

筆者が代表理事を務める日本若者協議会でも、「国会改革」に関する提言を各党に出しているが、若者の多くから国会は「有意義な政策議論の場になっていない」と思われており、若者の「官僚離れ」、「政治離れ」を止めるためにも、国会改革は急務である。

提案27:国会改革

・質問通告の2日前通告ルールを徹底する
・議員の質問提出日時を公開する
・日程闘争をなくすために、通年国会の導入
・党首討論の定例化

提案の理由:
近年、国家公務員志望の学生が減っており、公務員の働き方改革のためにも国会改革は急務である。官僚の長時間労働の大きな原因の一つが国会対応であり、国会対応に関わる職員の労働時間を減らすためにも国会改革が求められる。

また、日本財団が17~19歳を対象に行なった調査では、国会が国民生活に役に立っているかの問いに、3割が「役に立っていない」とし、半数近くは「わからない」と答えている。

国会の議論に関しても、過半数が「知っている」、「多少は知っている」としているものの、54.8%は「有意義な政策議論の場になっていると思わない」と答え、その理由として「議論がかみ合っていない」、「政策以外のやり取りが多すぎる」、「同じ質問が繰り返される」などの点を指摘している。 これ以上、政治が若者から離れないように、国会改革は急務である。

出典:日本版ユース・パーラメント2019 報告記事(政策提言一覧)

※Yahoo!ニュースからの転載

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