- 2019年10月20日 20:47
子宮頸がん 情報格差は健康格差
1/2Japan In-depth編集部(小寺直子)
【まとめ】
・日本では最近若年女性の子宮頸がん発症が顕著に増加傾向で、毎年約1万人が子宮頸がんを発症、約3千人が亡くなっている。
・HPVワクチン接種率は多くの先進国で7割前後。日本は1%以下という異常な状態。
・「名古屋スタディー」では、副反応疑いとされる症状とHPVワクチンの関連性は認められなかった。
現在日本では、子宮頸がんを毎年約1万人が発症し、約3000人の女性が命を落としている。しかも近年は、若い世代で子宮頸がんの罹患率・死亡率が増加傾向である。子宮頸がんは、20~30代女性のがん罹患率第1位だ。

こうした中、医療啓発活動を続ける「藤沢女性のクリニックもんま 」院長、婦人科医の門間美佳医師に話を聞いた。
まず、門間医師は、子宮頸がんを防ぐには、2段階の予防が必要だと強調した。
すなわち、
一次予防:HPV感染を防ぐ。(がんになることを防ぐ)
二次予防:がんを早めに見つける。
の二つを車の両輪のように並行して進める必要があるということだ。
一次予防には、性交をしない、性交開始年齢を上げる、HPVワクチンを接種するなどの方法があり、二次予防にはがん検診を定期的に受診する、30歳以上はHPV検査を追加する、等の方法がある、と述べた。
■ 日本のHPVワクチン接種の現状
日本では、HPVワクチンの接種が1%以下と諸外国に比べて異常に低いのが現実だ。

2010年4月から3年間、国は「子宮頸がん等ワクチン接種緊急促進事業」を実施し、HPVワクチンも公費負担で広く接種できるようになった。2013年4月からは定期接種になったが、その前後に、HPVワクチンの副反応の疑いについて報道がなされ、2013年6月には、厚生労働省は積極的におすすめするのは一時中止する、と発表した。その結果、一時ピークで75%台にまで達した、10代〜20代女性のワクチン接種率は現在1%以下に落ち込んでいる。これは先進国の中では極めて異例な数字である。

■ HPVワクチン積極的勧奨差し控えの影響
国がHPVワクチンの積極的勧奨を差し控えて以来、HPVワクチンはその存在そのものが忘れ去られようとしている。しかし現実には、子宮頸がんによって多くの若い女性が命を落としている。
ここに衝撃的な推計がある。厚労省の勧奨差し控え期間相当の6学年の女子人口は約300万人、ワクチンを接種していれば防げた子宮頸がんに罹患する子宮頸がんで約1万3千人が死亡すると推定されているのだ。

一方で、WHO(世界保健機構)の一機関である国際がん研究機関は「HPVワクチンは安全で効果的である。子宮頸がんで毎年31万人が死亡している。このまま適切な予防が行われないと、2040年には47万人まで増加するだろう」と警鐘を鳴らしている。
この日本の現実を私たちはどう受け止めたらいいのか、門間医師にさらに詳しく聞いた。
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