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「報道されない被災地」田園調布に大量の“高級災害ゴミ” 都市開発で“隠された”地名の意味



 東京都内屈指の高級住宅街、大田区の田園調布。実はこの地域も、台風19号で浸水被害を受けていた。

 13日午前1時過ぎ、ボートに住民を乗せ救助活動にあたる警視庁の機動隊。田園調布の道路が完全に浸水し、水の高さは隊員の腰の高さに達していた。



 地元の住民からは「うちの(家の)玄関は10cmくらいの水が入った。帰ってきたら草履が浮いていて。(台風被害は)70年近く住んでいるけど、はじめて」という声が聞かれる。大田区では、田園調布4丁目・5丁目を中心に590件の床上・床下浸水の被害が確認されたという。

 浸水の影響で、田園調布には普段とは違う光景が広がっている。川沿いに置かれているのは、台風19号の影響で出た災害ゴミ。ゴルフバッグや自転車、冷蔵庫にマットレスなど、高級で大型のゴミが連なっている。



 田園調布が位置する大田区は、多摩川に隣接している。その多摩川に合流する丸子川の右岸が氾濫したため、田園調布を中心に被害が広まったのではないかと区は説明している。

 浸水被害に遭ったという女性宅では、1階はすべて浸水し、家具や家電などが使えなくなったという。「もう25年なんです。(家を)買う時は、そんな災害とか考えなかった。多摩川があって自然があって、年をとったらお散歩ができてとっても魅力、という感じ。年をとった時のことを考えて買ったはずなのに、こういう風になっちゃった」と女性は嘆いた。



 想定外の被害に見舞われた田園調布だが、この周辺が地元だという『WIRED』日本版編集長の松島倫明氏は「東急沿線は開発されてたかだか100年くらいで、田園調布のこの辺りも元々の地名は「沼部」と呼ばれていたと言われている。「田園調布」は開発後に付けられた地名で、もともとの地名が土地の特徴を表していることが、大きな災害で改めてわかった。(浸水した)武蔵小杉などもこの数十年で一気に開発されて、メディアやディベロッパーがある種のブランドとして売り出すと、元の地形や土地の歴史が見えづらくなっていることを思い知らされた」と話す。



 WIREDでは、台風19号の浸水被害から都市を守った“地下神殿”として「首都圏外郭放水路」を紹介している。これは洪水を防ぐために建設された全長6.3kmの世界最大級の地下放水路で、埼玉県春日部市の国道16号の直下50mに位置。12日夜から稼働し、埼玉県の一部地域を浸水被害から守ったとされる。



 松島氏は「東京のように都市が昔の地層を覆ってしまったからこそ危険性がわからない反面、カウンターとしてこうした巨大なエンジニアリングが守るというバランス。地下神殿を作るのか、堤防をもっと高くするのか、あるいはダムを作るのか。人間の暮らしと自然とテクノロジーをどこで折り合いをつけるのかということが、今回の台風で我々に突きつけられた」との見方を示した。

(AbemaTV/『けやきヒルズ』より)

▶映像:“地下神殿”に溜まっていく水

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