[塙]ホントやるんですかね?堤防の補修、今後は。
[田中]だからこれはずっと学者も大臣を歴任した人も言ってるのに、国土交通省は河川局って名前が今なんて言うかというと、水管理・国土保全局って言うんですよ。でも水は管理するんじゃなくて一緒に向き合う必要があるわけでしょ。だから治水なんですよ。管理できるって、川の中だけで水が管理できるっていう発想が科学かな?っていうことです。で、もう一個、先ほどの淺川ダムのところですね、長野の新幹線のこと。全部は難しいかな?
[出水]はい。全部は難しいので2つ。まず堀江貴文さんのツイートですね。「脱ダムの結果か、、、 台風で19人死亡、16人が不明」これはツイートされた時点の情報ですけれども、「千曲川決壊で大規模洪水 (共同通信) - LINE NEWS」というツイートをなさっています。
[塙]もう一個ありますね。
[出水]はい。「田中康夫氏を再評価」というツイートです。「国交省から出向の土木部長が浅川ダム建設では千曲川合流部の洪水は防げないと県議会で答弁したことをうけて、内水氾濫対策として浅川の天井川部分の河川改修、新幹線車両センター下に地下遊水池、国管理の千曲川下流への地下導水路を提案するも議会は大反対。」とあります。
[田中]あのね、「脱ダム」ってのは「出来得る限り、コンクリートのダムを造るべきではない。」ということなんですよ。だからそれは、ダムありき、とかダム反対、の二元論を越えようってことです。で、今回の場所は、皆さんもこの近くに「溜池」っていう地名がありますよね。そこはやっぱり水が溜まる場所だったんですよ。で、今回の新幹線の基地のところは、長野市の長沼地区というところの大字赤沼という、掘ると水が出てくるよ、という地名だったんです。
ですからここは遊水機能があって地元の人は、ダム推進派の人も含めてここに新幹線基地を造るのは反対だって言ったんです。なぜならここの遊水機能のある田畑のところが新幹線の基地になったら溢れちゃうよと。今まで洪水があると一週間水が引かなかった場所なんだよと。でもね、日本全国全部活断層が通ってるんです。どっかに造らなきゃならないんです。そこで私は新幹線の基地の代わりに近くのりんご畑を契約をしてそこに水が入るような遊水機能を持たせましょうってことを言ったんですよ。あるいは今言ったように、天井川だったから、これは県の予算で3キロ部分を川を掘り下げて信越線が天井川だったところを改良したわけ。
ところが上流の淺川ダムというのが、なぜか私が知事になる前に新幹線基地と一緒になって計画が出てきたの。元々ここは活断層が通ってるんでダムは造らないと国も言ってたんだけれど、なぜかダムを造る前に予算が200億円使われちゃってたの。どうしてかって言うと、オリンピックのボブスレーとリュージュに行く会場の道路やトンネルの費用が無い、と。だから河川局のダムを復活させて総額400億円にして200億円使っちゃってたの。だから仮に使ってたとしても、道路はできたと。でもダムを造っても千曲川の改良が進んでないから内水氾濫と言って逆流するから洪水は防げませんて、国交省出身の土木部長が県議会答弁をしてた。
だから僕はそうだったら、河川の改修と遊水地と、あと千曲川の先に立ヶ花っていう場所があって、狭窄部なんですよ。そこを改良する、あるいは浅川からも地下の導水路を作って立ヶ花よりも先に水が行くようにしましょうという計画を5パターン、いろんな学者と一緒に県は河川改修をした後出したの。でも国は違いますと言った。で、新幹線の基地も、飛行機は今回みんな羽田や成田から千歳に避難してたわけでしょ。まあ、たられば論なんだけれども、というところがあってね。
[塙]その時にそれを優先してたというね。
[田中]それとだからその意味で言うと、京都の嵐山も3年前にはすごい洪水だったでしょ?
[出水]そうですね。
[田中]だけどあれも緊急放流したからです。でも近畿地方整備局ってのは太田さんなんかと同じ、ダムだけでは無いなって発想の人たちがいるので河川改修をしたんですよ、桂川の。だから去年の洪水の時も嵐山はぜんぜん、それまで溢れてたのに(洪水が)無かった。だからやっぱり浚渫とかそういうのは、我々も爪を切るとか散髪をするってのと同じで、それをしながら考える必要があるんじゃないのかな?っていう気がします。
[出水]ありがとうございます。
[土屋]ということで一週間のニュース、田中康夫さんと一緒に振り返って参りました。
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