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橋下氏のなんちゃって脱原発 (2)part2

最初、橋下氏は最初再稼働の条件として政府に8条件を突きつけていました。(こちらをどうぞ)
その8条件なるものを見た小出裕章教授は、橋下氏の脱原発は胡散臭いと看破していたようです。
それを大阪弁でどんどん世情を語って欲しいこちらのブログから一部引用させていただきます。

維新は何を聞いててん…と小出さんは呆れる

(引用開始)
とゆうのも、小出さんは徹ちゃんが出してきた「原発再稼働のための8条件」の中に

『使用済み核燃料の最終処理体制を確立し、その実現が見通せること』…という

日本のみならず、現時点で世界中のどの国も実現の見通しのない

クリア不可能な条件が入ってることを知って、小出さんは

「徹底的に戦う気ならば、私はありがたいと思うけれども…どこかで妥協するのが政治なんだろうなと、いささか、冷たい感想を持ちながら今日は新聞を読みました。」って、ゆうてたそうです

(引用ここまで)



こういう条件を設けるということは再稼働は絶対に認めない意思は相当固いということですが、小出教授はかえって芝居じみた胡散臭さを感じとったのでしょう。
小出教授の懸念通り、途中で「条件」を「提言」に変えたりと相変わらずの「クルクル王子」ぶりを示し、結局あっさり再稼働容認に転じました。
どれだけいい加減で軽いんでしょう。飯田氏もとんだ道化でしたね。

さて、自分が原発再稼働容認に転換したのを正当化しようと、橋下氏はまたしてもお得意の詭弁を使っています。
曰く
「暫定的な安全判断なのに、政府は原発の安全を宣言し、国民をだましたということで政権の在り方としておかしいと言ってきた。今回、細野大臣が、暫定的な基準による暫定的な安全判断だということを真正面から認めたとなれば、前提事実がなくなる」
だから再稼働を容認したそうです。

これにつき、kojitakenさんは次のように批判してらっしゃいます。

橋下が「野ダメ」政権の姿勢を「評価」したらしい(笑)
http://d.hatena.ne.jp/kojitaken/20120601/1338559556
(引用開始)
「暫定的な安全判断なのに、政府は原発の安全を宣言し、国民をだましたということで政権の在り方としておかしいと言ってきた。今回、細野大臣が、暫定的な基準による暫定的な安全判断だということを真正面から認めたとなれば、前提事実がなくなる」

という発言は全く意味不明だ。「暫定的な安全判断」でしかないのであれば、昨年大事故を起こしたばかりの原発の再稼働などできないというのが普通のロジックだ。何度も書くけれども、事故対策が緊急の課題になっている製造ラインで「正式な安全判断はしてないけど、とりあえず運転するよ」などという妄言を吐くことは、「普通の」民間企業では決して許されない。
(引用ここまで)




フリスキーさんが丁寧に化けの皮を剥いでくださっているのでお持ち帰りさせていただきましょう。

◆Snap Days ~Shuichi Taira’s photo gallery~

橋下徹の大飯原発再稼働容認は詭弁極まりない
http://d.hatena.ne.jp/furisky/20120604/p1

橋下徹大阪市長が、一日の会見で関西電力大飯原発3、4号機の再稼働を容認するとして、
次期衆院選において、この問題を争点として民主党と対決し民主党政権の打倒を
目指すという方針を見直すことを明らかにした。その理由として、橋下が言っていることは、

『暫定的な安全判断なのに、政府は原発の安全を宣言し、国民をだましたということで
 政権の在り方としておかしいと言ってきた。今回、細野大臣が、暫定的な基準による
 暫定的な安全判断だということを真正面から認めたとなれば、前提事実がなくなる』

というものである。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20120601/t10015548751000.html

注意しなければならないことは、
ここで橋下が主張する前提事実自体が、当初のものとは見事にすり替わってしまっていることだ。

報道を振り返ってみれば、

『野田佳彦首相と枝野幸男経済産業相ら3閣僚は6日、首相官邸で関西電力大飯原子力発電所(福井県おおい
町)3、4号機の再稼働を協議する3回目の閣僚会議を開き、原発再稼働に必要な暫定的な安全基準を正式に
決めた。これを受けて枝野経産相は中長期的な安全対策の工程表の策定を関電に指示。』

http://www.sankeibiz.jp/macro/news/120407/mca1204070503010-n1.htm

このように政府が今年の4月6日に“暫定的な”新安全基準を決定している。
これは以下の経産省のサイトによって原文が確認できる。

『原子力発電所の再起動にあたっての安全性に関する判断基準』

http://www.meti.go.jp/policy/safety_security/120406_02.html

この文書には、以下のように綴られている。

『2.原子力発電所の再起動にあたっての安全性に関する判断基準
稼働中の発電所は現行法令下で適法に運転が行われており、定期検査中の
発電所についても現行法令に則り安全性の確認が行われている。また、新規制
庁下での新規制の可及的速やかな施行のため、シビアアクシデント法制化の検
討等を進めているが、新規制庁の設置と新規制法制化にはなお一定の時間を要
する。これらを受けて、四大臣として、以下の通り、昨年7月11日の内閣官房長
官、経済産業大臣及び内閣府特命担当大臣による指示に基づき、再起動判断の
ために現行法令上の規制要求を超える安全性の確保を原子力事業者に対して
求める。この判断基準は、今般の事故の知見・教訓を踏まえた新たな安全規制を
前倒しするものである。』

この文面からも明らかなことは、これが、新規制庁の設置とその下での新規制の施行と
新法制化までの“暫定的な”安全基準であることは明瞭である。
そして、
野田内閣4大臣による暫定的な新安全基準案の合意が発表されるやいなや、
橋下は4月5日の記者会見において以下の発言をしている。

『昨日、今日で暫定的な安全基準なんて作れるわけがないんですよ。』

『これ本当に危険』

『もう政権はもたないと思いますよ。絶対もたない。』

『だって、誰が考えてもわかりますもん。安全基準を作って安全性をチェックする。
 2日前に暫定的な安全基準、しかも保安院って無くなる組織に安全基準作らせて、
 それで今度誰がその安全をチェックしたか、わからないままで動かすなんて、
 絶対そのプロセス間違っていますね。』

http://www.dailymotion.com/video/xpxs8b_20120405-yyy-yyyy-yyy-yyyyyyyyy_news

ここで明らかになることは、橋下は、野田総理が新安全基準の合意を発表した時点で
当初からこれが“暫定的”な安全基準であることを認識していたのである。
そして、この新安全基準そのものを前提事実として、これをもとに再稼働すること
に反対していた。


その上で、橋下は、大阪府市統合本部のエネルギー戦略会議に策定させた
『原発再稼働八条件』を掲げてこれを争点として次期衆院選で戦うとしたのである。
さらに、4月19日には6月に開かれる関西電力の株主総会において筆頭株主である大阪市の
代表として出席し、全原発の速やかな全廃を求める提案をすると宣言したのだ。
なお、八条件とは、

『【原発再稼働八条件】

以上の「根本的に欠落している論点」を踏まえた上で、次の「八条件」を満た
すことが原発再稼働の前提条件であると考える。

1. 国民が信頼できる規制機関として3 条委員会の規制庁を設立すること
2. 新体制のもとで安全基準を根本から作り直すこと
3. 新体制のもとで新たな安全基準に基づいた完全なストレステストを実施すること
4. 事故発生を前提とした防災計画と危機管理体制を構築すること
5. 原発から100 キロ程度の広域の住民同意を得て自治体との安全協定を締結すること
6. 使用済み核燃料の最終処理体制を確立し、その実現が見通せること
7. 電力需給について徹底的に検証すること
8. 事故収束と損害賠償など原発事故で生じる倒産リスクを最小化すること』

http://www.city.osaka.lg.jp/kankyo/cmsfiles/contents/0000159/159434/5.hachijyouken.pdf

この八条件を再稼働の要件として国民に提示し、次期衆院選の争点として民主党と対峙し、
民主党政権を打倒することを目指すとしていたのである。

以上のことを忘れてはならないだろう。
要するに、
橋下徹は、当初、政府の提示した暫定的な新安全基準そのものを前提事実として、
この基準をもとに再稼働することに反対していた。
つまり、
再稼働反対の理由は、この基準そのものに向けられているにほかならない。
ところが呆れたことに、いつのまにやら、
新安全基準はそのままであるにも関わらず、これを無視して、

『暫定的な基準による暫定的な安全判断だということを真正面から認めたとなれば、
 前提事実がなくなる。』

として、臆面もなく反対理由をすり替えて再稼働容認へと転じてみせたのだ。
橋下は今さら何をすっとぼけたことを言っているのだろうか。

そして、
橋下のこの一言で、八条件も選挙の争点化も一気に吹っ飛んでしまったのだ。
非常に無責任で全く筋の通らない橋下流詭弁術ここに極まれりである。

この件をもってみても、橋下が脱原発を本気でやろうとはしていないことは
明らかだろう。機を見るに敏な橋下が、昨今の世論情勢から、脱原発に関する
アクションをとって見せることで自らの人気を高めるための印象操作に原発を
利用したに過ぎないと言えるだろう。だからこうして後からボロが露呈してくるのだ。
橋下の他の政策については反対だけど、脱原発という一点で橋下を支持する、
言わば“一点支持型”の人たちもいるようだが、橋本のばらまいた疑似餌に食らいついて
いるだけであって、そんなものを食したところでなんの栄養にもならない。
むしろ毒である。そうして、一点支持型の人たちが支持できない大部分についても
橋下の権勢の強化に加担していくだけなのである。相手の思う壺である。
橋下は、選挙で勝つということはある種の白紙委任を得ることだと考えていることを
想起するべきだろう。気がついてみたら自分が支持していない部分にまで
橋下は、民意の名のもとに強権的に暴走する危険を多分に持っている政治家であることを
よく考えるべきだと思う。

こんな政治家に騙されてはいけないと痛切に思う次第だ。

(引用ここまで・強調は私)



つまり、橋下氏は自分の言い分を
「政府は暫定的な基準を使うべきではない、それでは安全とは言えない」
という比較的真っ当な政府批判からいつの間にか
「使った基準は「暫定的」であることをきちんと政府は国民に示せ、そうすれば構わない」
という風にすり替えちゃってるのです

なにこれ。もうふざけているとしか。


橋下氏は未だに妥協はしたけれど脱原発であることに変わりない、というポーズを取りたがっているようですが、こんな稚拙なすり替えをして自分を正当化するような人間を、到底信用することはできません。

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