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- 2019年10月18日 10:47
人間が人間を殺す道具を自慢するのが人類の進歩!? - 劇作家•朝倉薫
台風被害の真っ只中に内閣改造する政府、責任を取らない官僚や企業の幹部、五輪や万博で暗躍するブローカー…。台風19号による被害が広がる一方で、まるで舌切り雀の意地悪ばあさんの葛籠から湧き出る魑魅魍魎のようなおぞましいニュースが溢れ続けている。

関西電力の賄賂問題ではニュース・キャスターの矛先が鈍い。が、そりゃそうだろう! 官邸から盆暮れに背広代を貰っているジャーナリストや、日夜会食に明け暮れるワイドショーのコメンテーターばかりじゃ、「お前がいうか!」になってしまう。
そんな憂鬱な秋の日、「ホリエモン」こと堀江貴文氏が、12年勤務で月給14万円の会社員氏の「日本終わった」というつぶやきに、「お前が終わったんだよ」と反応して話題になっていた。
弱肉強食が世の常ならば、権力に叩きのめされて這い上がった堀江貴文氏の発言は至極正論だろうと思う。強い者が生き残り弱者は淘汰されて消えると堀江氏は言いたいのだろう。会社員氏は残念ながら嘆くだけでは生き残れないと。
ぼくだって、弱小劇団の舞台なんかやっている時間があったら、どうしたら生き残れるか考えた方が得策かもしれない。
小泉進次郎氏のように「立ち位置が万全」の方がポエムをつぶやくのは何の心配もないのだろうが、パンとサーカスを与えられてひとときの熱狂を楽しんでいる我々庶民は、そろそろ覚悟が必要だろう。
そういえば、先日あるテレビ番組をみていたら、女優の松下奈緒がバラエティのサブMCとして生き残りを図るにはどうしたらいいかと聞いていた。
20数年、「アッコにおまかせ」(TBS)でサブMCの峰竜太、「新婚さんいらっしゃい」(朝日放送)のサブMC、山瀬まみの答えがまた忖度の見本みたいで面白かった。
1、絶対メインの前に出ない!
2、メインの懐に入って立てる!
3、決して暴走しない!
これはもう政治家や官僚のお手本だ。わかりやすい回答に視聴者はうなづくしかない。しかし、はたして国民の何人が今日の状況を把握しているのだろうか?
先に述べた堀江貴文氏は、もうすでに生き延びる策を講じておられる筈だ。それがロケットで地球を脱出する策だとしたら、前澤友作氏と五十歩百歩だが…。
思うに、残り時間の少ない政治家や官僚たちにとっては、今を謳歌することが大事であって、50年、100年先のことなど頭の隅にもないのだろう。
身もふたもないが、地球にとって人間の存在そのものが不必要だとしたら?
人類は数億年のあだ花だとしたら?
人類は潔く滅亡するしかないだろうね。中国の建国70周年の軍事パレードをニュース映像で見たが、一発で大都市を灰にできる核ミサイルが何百と列を連ねて行進していた。人間が人間を殺す道具を自慢して見せびらかす。これが人類の進歩!? 世界のあちらこちらで軍事パレードが繰り広げられ、誰かがスイッチを入れてアッという間に地球は焼け野原か…。

世界はすでに狂ってしまったのか?滅亡に向かって滝壺にながれる怒涛のように死に急いでいるのか?
16歳の少女が声を枯らして環境破壊の警告を指導者たちに呼びかけても、一過性のニュースにしてしまうのか?
ぼくは背広代も補助金も貰ったことがないので言いたいことを言えるが、それも明日には削除されてしまうかもしれない。繰り返す! 盆暮れに背広代を貰おうが許すから、真実を報道してくれ! でないと、落ち着いて芝居の稽古が出来ない。

共同通信社
そんな憂鬱な秋の日、「ホリエモン」こと堀江貴文氏が、12年勤務で月給14万円の会社員氏の「日本終わった」というつぶやきに、「お前が終わったんだよ」と反応して話題になっていた。
弱肉強食が世の常ならば、権力に叩きのめされて這い上がった堀江貴文氏の発言は至極正論だろうと思う。強い者が生き残り弱者は淘汰されて消えると堀江氏は言いたいのだろう。会社員氏は残念ながら嘆くだけでは生き残れないと。
ぼくだって、弱小劇団の舞台なんかやっている時間があったら、どうしたら生き残れるか考えた方が得策かもしれない。
小泉進次郎氏のように「立ち位置が万全」の方がポエムをつぶやくのは何の心配もないのだろうが、パンとサーカスを与えられてひとときの熱狂を楽しんでいる我々庶民は、そろそろ覚悟が必要だろう。
そういえば、先日あるテレビ番組をみていたら、女優の松下奈緒がバラエティのサブMCとして生き残りを図るにはどうしたらいいかと聞いていた。
20数年、「アッコにおまかせ」(TBS)でサブMCの峰竜太、「新婚さんいらっしゃい」(朝日放送)のサブMC、山瀬まみの答えがまた忖度の見本みたいで面白かった。
1、絶対メインの前に出ない!
2、メインの懐に入って立てる!
3、決して暴走しない!
これはもう政治家や官僚のお手本だ。わかりやすい回答に視聴者はうなづくしかない。しかし、はたして国民の何人が今日の状況を把握しているのだろうか?
先に述べた堀江貴文氏は、もうすでに生き延びる策を講じておられる筈だ。それがロケットで地球を脱出する策だとしたら、前澤友作氏と五十歩百歩だが…。
思うに、残り時間の少ない政治家や官僚たちにとっては、今を謳歌することが大事であって、50年、100年先のことなど頭の隅にもないのだろう。
身もふたもないが、地球にとって人間の存在そのものが不必要だとしたら?
人類は数億年のあだ花だとしたら?
人類は潔く滅亡するしかないだろうね。中国の建国70周年の軍事パレードをニュース映像で見たが、一発で大都市を灰にできる核ミサイルが何百と列を連ねて行進していた。人間が人間を殺す道具を自慢して見せびらかす。これが人類の進歩!? 世界のあちらこちらで軍事パレードが繰り広げられ、誰かがスイッチを入れてアッという間に地球は焼け野原か…。

Getty Images
16歳の少女が声を枯らして環境破壊の警告を指導者たちに呼びかけても、一過性のニュースにしてしまうのか?
ぼくは背広代も補助金も貰ったことがないので言いたいことを言えるが、それも明日には削除されてしまうかもしれない。繰り返す! 盆暮れに背広代を貰おうが許すから、真実を報道してくれ! でないと、落ち着いて芝居の稽古が出来ない。
朝倉薫(あさくら・かおる)
劇作家、演出家、劇団主宰。1948年8月2日、熊本生まれ。 92年に音楽プロデューサー、雑誌編集から転身を図り劇団を立ち上げる。その後は作家、脚本、演出家として「沈まない船」「桃のプリンセス」「ガラス工場にセレナーデ」などの舞台を手がける。舞台はパイオニアLDC、ポニーキャニオンなどからビデオ化されてきた。元祖アイドル声優の桜井智は劇団員から育てた。現在も劇団「朝倉薫演劇団」を主宰する。これまでに優木まおみ、吉木りさなど数多くの女優、タレントの演技指導にも当たった。
- 文化通信特報版
- エンターテインメント業界を内側からウォッチ
株式会社文化通信社は1952年に映画の業界専門紙としてスタート。その後、放送業界、音楽業界へと取材範囲を拡大していった。現在では映画、放送、音楽を中心としたエンターテインメント業界を内側からウォッチし続けている。その情報は「日刊文化通信速報」「月刊文化通信ジャーナル」として購読されている。
特に、「月刊文化通信ジャーナル」は、映画を中心にした綜合エンターテインメント専門誌として55年の歴史を刻んでいる。特に映画系では唯一の業界専門誌として認知されている。
また、関連会社には株式会社文化通信エンターテインメントがある。文化通信社が培ったノウハウを生かしての新規事業や版権事業などを行なっている。文化通信社創立55周年の際はシンガーソングライター松山千春の自伝「足寄より」を「旅立ち〜足寄より」として映画化、さらに60周年では舞台化してきた。
特に、「月刊文化通信ジャーナル」は、映画を中心にした綜合エンターテインメント専門誌として55年の歴史を刻んでいる。特に映画系では唯一の業界専門誌として認知されている。
また、関連会社には株式会社文化通信エンターテインメントがある。文化通信社が培ったノウハウを生かしての新規事業や版権事業などを行なっている。文化通信社創立55周年の際はシンガーソングライター松山千春の自伝「足寄より」を「旅立ち〜足寄より」として映画化、さらに60周年では舞台化してきた。