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プロ野球ドラフト会議の楽しみ方 選手の表情や言葉に隠れた本音に注目

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カープ新井は6位指名でも最優秀選手 ドラフトがすべてではない

話をドラフトに戻します。

1位指名の選手をくじで指名した後は、各球団が相次いで選手を指名していきます。これが「ウェーバー制」です。

選ぶ順番は2019年のペナントレースの結果で決まり、今年はセ・リーグ6位のヤクルト、パ・リーグ6位のオリックス、セ・リーグ5位の中日と続き、最後に、セ・リーグ首位の巨人、パ・リーグ首位の西武の順です。

3位指名以降は指名する球団の順位が、西武、巨人から始まり、最後がヤクルトと、2位指名の時とは逆になります。

3位指名ぐらいになると、野球好きでも知らない選手も出てきます。結局は上位指名の選手しか活躍しないかというと、そんなことはありません。

6位指名でカープに入団した新井貴浩さん

FA移籍した阪神タイガースから広島東洋カープに“出戻り”という形で復帰し、3連覇に貢献。全国の野球ファンに惜しまれながら、2018年度に引退した新井貴浩選手は最優秀選手に1回、本塁打王と打点王にも輝いています。そんな新井選手はまさかの6位指名です。

ドラフト会議までの逸話は興味深いものがあります。県立広島工業高時代には甲子園に出場できなかったものの、進学した駒澤大学では一定の輝きを見せました。それでも、プロ注目とはならず、どうしてもカープに入りたかった新井選手が頼ったのは大学の先輩だったカープの野村謙二郎選手(元監督)でした。

野村選手の自宅を訪れ、スイングを見せてやる気を示しました。このことで晴れて入団となりましたが、当初は守備がいまいちという下馬評。そのため、期待は高くありませんでしたが、持ち前の努力で頭角を現しました。

ドラフトの上位指名がすべてではないということを示す典型例かもしれません。その意味では、2005年に始まった育成選手枠はアマチュアで日の当たらなかった選手にチャンスを与えた制度と言えます。

明日も分からぬ新人時代 育成枠から這い上がる選手も

育成選手は3桁の背番号を付け、1軍の試合には出場できません。上位選手の様に1億円と言った高額な契約金はおろか、もらえるのは、推定100万円程度の「支度金」です。プロでも現状以上に結果を出さねば後がなく、いわばいばらの道です。

それでも、活躍する選手が出てくるところがプロ野球の面白さです。

2011年のドラフト会議は早稲田実業高校で「ハンカチ王子」として親しまれ早大に進んだ斎藤佑樹投手が日本ハムで1位指名された年でした。その年に育成の4位指名でソフトバンクに入団したのが千賀滉大投手です。当初は、注目もされませんでしたが、「お化けフォーク」を武器にソフトバンクで活躍する姿は、まさにサクセスストーリーです。

他にも、広島東洋カープが2018年日本シリーズで苦しめられた「甲斐キャノン」。パ・リーグを代表する甲斐拓也捕手(ソフトバンク)も、千賀投手と同期入団ですが、指名は育成6位。そんな育成枠のバッテリーが苦労してレギュラーをつかみ、強豪チームを率いるようになるまでの過程がソフトバンクファンを惹きつけるのかもしれません。

指名を2度拒否し“巨人愛”貫いた長野選手

ドラフトには数々の批判もあります。その最たるものは、指名された球団以外への入団が事実上閉ざされることでしょう。

広島東洋カープの長野久義選手は現在34歳。プロ野球デビューは25歳とやや遅めです。その背景にはドラフト制度の弊害があります。

日本大学の卒業を控えた2006年ドラフトで日本ハムから4位指名を拒否して、本田技研工業に就職。さらに、08年ドラフトで2位で千葉ロッテから指名を受けたが、これも拒否。背景には強い“巨人愛”がありました。ドラフト制度のしがらみの中、「1回の野球人生は好きな球団で」との思いでした。

09年ドラフトで晴れて巨人から1位指名を受け、入団。1年目から新人王に輝く活躍ぶりで、巨人を代表する選手に育ちました。19年シーズンからは巨人にFA移籍した丸佳浩選手の人的補償として、まさかの広島東洋カープに移籍。あれだけこだわった巨人を離れざるを得なくなりましたが、不平不満も漏らさず球団の文化も戦い方も異なるカープで懸命に試合に臨む姿はカープファンの誇りになっています。

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